科学者たちの連続自殺事件の捜査線上に、老科学者の葉文潔(イエ・ウェンジエ)(青年期)が浮上する。史強(シー・チアン)は彼女が過去に関わった謎の施設「紅岸基地」に注目し、調査を深めていく。一方、汪淼(ワン・ミャオ)は事件の鍵を握るVRゲーム「三体」の攻略を急ぐため、再びゲーム世界へダイブする。そこで彼は古代の思想家・墨子(ぼくし)と出会い、世界の新たな法則について知らされる。現実世界での地道な捜査と、仮想世界での壮大な謎解きが交錯し、物語は核心へと一歩近づいていく。
「三体」あらすじネタバレ12話
今回はドラマ『三体』第12話について、熱く語っていきたいと思います。前回、汪淼(ワン・ミャオ)がゲーム内で驚愕の「三つの太陽」を目の当たりにしましたが、今回はさらに物語の核心に迫っていきますよ!
すべての道は「葉文潔(イエ・ウェンジエ)(青年期)」に通ず
物語は、史強(シー・チアン)が葉文潔(イエ・ウェンジエ)(青年期)の経歴を洗っている場面から始まります。調べれば調べるほど、一見バラバラに見える事件のすべてが、この老科学者に繋がっていることに気づくんですね。史強(シー・チアン)はもともと彼女に興味はなかったものの、謎の中心人物として俄然注目し始めます。
特に彼が食いついたのが、葉文潔(イエ・ウェンジエ)(青年期)がかつて所属していた「紅岸基地」という謎の施設。そこには巨大なアンテナがあったという情報もあり、史強(シー・チアン)は常偉思(チャン・ウェイスー)司令官に、まだ機密扱いになっている彼女の档案(ファイル)を至急手に入れるよう要請します。この紅岸基地、一体どんな場所なんでしょうか…?
汪淼(ワン・ミャオ)、再びゲームの世界へ!史強はまさかのベビーシッターに?
一方、作戦司令センターでは「三体」ゲームの攻略が急務となっていました。このゲームは高度な科学知識が必要なため、適任者はやはり汪淼(ワン・ミャオ)しかいません。しかし、ちょうどその時、娘の豆豆(ドウドウ)を迎えに行く用事ができてしまいます。
ここで我らが史強アニキの出番です!「ゲームはあんたに任せる。嬢ちゃんは俺が迎えに行く」と、まさかのベビーシッター役を買って出ます。汪淼は「娘の前でタバコは吸うなよ!」と念を押しますが、ちょっと心配そう(笑)。
こうして汪淼は再びゲームにログイン。そこは以前とは全く違う、新たな文明の世界でした。彼がそこで出会ったのは、古代中国の思想家「墨子(ぼくし)」。墨子(ぼくし)は汪淼に「かつて太陽が昇ったとき、突然消滅したのだ」と衝撃の事実を語ります。
墨子の理論と恒紀元の到来…そして絶望
現実世界では、史強が豆豆を連れて、普段はパパやママに禁止されている卤煮(モツ煮込み)やアイスクリームを堪能中。テレビではジャーナリストの慕星(ムー・シン)が環境汚染問題を告発する報道が流れていますが、史強からの電話を彼女は一方的に切ってしまいます。この二人、何かありそうですね。
ゲームの中では、墨子が自身の宇宙観を汪淼に熱心に語ります。彼は、この世界には安定した「恒紀元」と不安定な「乱紀元」があり、自分はついにその周期を解き明かしたと主張。そして、もうすぐ永遠に続くかのような長い恒紀元がやってくると予言するのです。
汪淼がゲームの時間を加速させると、墨子の予言通り、穏やかな恒紀元が訪れました。文明は発展し、人々は歓喜に沸きます。墨子は勝利を確信しますが、汪淼は何かを予感し、さらに時間を進めます。
すると…空に巨大な太陽が出現!その灼熱ですべてが焼き尽くされ、文明は再び滅亡してしまいました。最後まで自らの理論を信じて疑わなかった墨子の姿が、なんとも言えない虚しさを誘います。
ゲームからログアウトした汪淼の目に飛び込んできたのは、アイスを頬張る娘の豆豆と、何食わぬ顔の史強。この現実とゲームのギャップがまた面白いですよね。
最後に、天文観測所の沙瑞山(シャー・ルイシャン)がこのゲームについて解説します。この世界の滅亡と再生の鍵は、予測不可能な動きをする「太陽」にある。恒紀元を正確に予測することこそが、このゲームのクリア条件だと。しかし、それはまだ誰にも達成できていないのでした。
『三体』第12話の感想
今回のエピソードは、物語の二つの柱である「現実世界の捜査」と「ゲーム世界の謎」が、それぞれに深化した回でした。特に印象的だったのは、ゲーム内で展開された墨子のエピソードです。壮大な宇宙論を構築し、恒紀元の到来を確信した文明が、次の瞬間には巨大な太陽によってあっけなく滅び去る。この壮大さと無常観のコントラストには、ただただ圧倒されました。人類の叡智がいかに矮小なものであるかを突きつけられたような感覚です。一方で、無骨な史強が意外にも子守りをそつなくこなす姿には、思わず頬が緩みました。こうした人間ドラマの細やかさが、壮大なSFの世界観に確かな手触りを与えています。物語の核心に少しずつ近づいている実感があり、知的好奇心を強く刺激される内容でした。
つづく