ナノマテリアル研究者の汪淼(ワン・ミャオ)は、自身の写真にだけ現れる謎のカウントダウンに悩まされていた。現象の正体を突き止めようと躍起になるが、事態は悪化の一途をたどる。彼が撮る写真には必ず数字が写り込み、ついには彼の視界に直接カウントダウンが現れ始める。精神的に追い詰められ、周囲からも孤立していく汪淼(ワン・ミャオ)。彼を監視する刑事・史強(シー・チアン)もその異常な行動に気づき始める。万策尽きた汪淼は、以前接触した謎の女性、申玉菲(シェン・ユーフェイ)に助けを求めるが、彼女から提示されたのは不可解な要求だった。

「三体」あらすじネタバレ3話

さて、今回はドラマ『三体』の第3話。前回、主人公の汪淼(ワン・ミャオ)の身に降りかかった、写真にだけ写り込む謎のカウントダウン。これが今回、とんでもないレベルにまでエスカレートしていきます。じわじわと精神を削られていく恐怖、あなたも一緒に体験してみませんか?

家に帰っても、汪淼(ワン・ミャオ)の頭はカウントダウンのことでいっぱいです。妻の李瑶(リー・ヤオ)が娘の豆豆(ドウドウ)と帰宅する声で、彼はふと我に返ります。これまで誰にも触らせなかった愛用のカメラを妻に渡し、写真を撮ってくれと頼む汪淼(ワン・ミャオ)。しかし、娘の豆豆(ドウドウ)を撮ろうとすると、「豆豆だけは撮るな!」と必死で止めます。もし、あの数字が娘の顔に現れたら…考えただけでも恐ろしいですよね。

部屋にこもり、妻に自分以外のものを撮りまくるよう指示します。現像された写真にカウントダウンは写っておらず、汪淼はひとまず安堵のため息をつきます。しかし、彼が撮った写真には、やはりあの不気味な数字が…。妻に「どうして写真に数字が写ってるの?」と聞かれても、「これは超常現象なんかじゃない、科学的なトリックだ」と自分に言い聞かせるように答えるしかありません。

恐怖はさらに加速します。今度は隣人からデジタルカメラを借り、娘と一緒におもちゃのぬいぐるみを撮りまくります。しかし結果は同じ。自分がシャッターを切った写真にだけ、呪いのようにカウントダウンが浮かび上がるのです。この瞬間、汪淼は確信します。「これは、俺を狙っている…!」

家を飛び出した汪淼を、刑事の史強(シー・チアン)が静かに尾行します。運転中、汪淼の視界に突如として強烈な光が差し込みます。トラックがすれ違ったかと思うと、次の瞬間、彼の目に直接、あのカウントダウンが映し出されたのです!パニックになり急ブレーキを踏む汪淼。史強(シー・チアン)が駆けつけ「一体何を見たんだ!」と問い詰めますが、汪淼は何も答えられません。メガネを外しても、目を閉じても、数字は網膜に焼き付いて消えないのです。

心身ともに追い詰められた汪淼は病院へ向かいますが、医者からは「飛蚊症か、精神的な疲れでしょう」とあしらわれてしまいます。誰にも理解されない孤独の中、彼は藁にもすがる思いで、以前接触した謎の女性、申玉菲(シェン・ユーフェイ)に電話をかけます。事情を話す汪淼に、彼女はこう告げるのです。「そのカウントダウンを止めたければ、あなたのナノマテリアル研究を中止することです」と。国家的な重要プロジェクトを、なぜ止めなければならないのか?謎は深まるばかり。汪淼は、キャリアと、そして自らの正気との間で、究極の選択を迫られることになります。

『三体』第3話の感想

今回のエピソードは、見えない恐怖がじわじわと精神を蝕んでいく過程が、実に巧みに描かれていました。最初は写真という外部媒体に現れていた現象が、ついに主人公自身の網膜にまで侵食してくる展開は、ホラーとしても一級品です。科学の信奉者である主人公が、科学ではまったく説明のつかない現象に直面し、その拠り所を失っていく絶望感。誰にも理解されず孤立していく彼の姿は、見ていて胸が痛みました。そして最後に申玉菲(シェン・ユーフェイ)が提示した「研究の中止」という選択肢。これは単なる脅迫なのか、それとも宇宙の真理に関わる警告なのか。個人の研究というミクロな世界と、計り知れないスケールの謎とが直結した瞬間であり、物語が一気に深みを増したように感じます。派手なアクションがなくとも、これほどまでに緊張感のある物語を紡げることに、改めて感嘆させられました。

つづく