ナノ物理学者の汪淼(ワン・ミャオ)は、自身の視界にのみ現れる謎のカウントダウンに精神をすり減らしていた。現象を止めるため、彼は謎の女性・申玉菲(シェン・ユーフェイ)の指示に従い、自身の研究プロジェクトを一時中断する。カウントダウンは消えたものの、それは更なる不可解な謎への入り口に過ぎなかった。刑事・史強(シー・チアン)(シー・チアン)からの協力要請を断った汪淼(ワン・ミャオ)は、自ら真実を突き止めようと動く中で、自殺した天才物理学者・楊冬(ヤン・ドン)(ヤン・ドン)の母親・叶文洁(イエ・ウェンジエ)と接触する。そして彼は、申玉菲(シェン・ユーフェイ)から「3日後、宇宙があなたのために瞬く」という、信じがたい挑戦を突きつけられるのだった。

「三体」あらすじネタバレ4話

静かながらもジワジワと精神を削ってくるような展開で、今回も画面に釘付けでした。物理学者である汪淼(ワン・ミャオ)が、いかにして常識を超えた現象と向き合っていくのか。その葛藤が、これでもかというほどリアルに描かれていましたね。

それでは早速、第4話「科学者と刑事」のあらすじと感想をお届けします!

カウントダウンからの解放、そして新たな挑戦

目の前に現れる謎のカウントダウンに追い詰められ、眠れない日々を送る汪淼(ワン・ミャオ)。もはや彼の精神は限界寸前です。科学の徒として、説明のつかない現象ほど恐ろしいものはありません。かつて「科学境界(フロンティア)」の会合で聞いた「射撃手と農場主」の仮説が、悪夢のように頭をよぎります。

そんな彼に、あのミステリアスな女性、申玉菲(シェン・ユーフェイ)は「実験を止めればカウントダウンは消える」と告げます。藁にもすがる思いでナノ素材の研究を中断すると、彼の視界から、あの忌まわしい数字は本当に消え去りました。

しかし、安堵したのも束の間。彼のパソコン画面には、依然としてカウントダウンが表示され続けていたのです。これはいったいどういうことなのか?

怒りに震える汪淼(ワン・ミャオ)は申玉菲(シェン・ユーフェイ)に電話をかけ、感情を爆発させます。「カウントダウンの果てには何があるんだ!」「俺がやっているのはただの応用物理学だぞ!なぜ俺なんだ!」と。

彼の魂の叫びに対し、申玉菲(シェン・ユーフェイ)は相変わらずの冷たい口調。しかし、彼女は一つの挑戦を提示します。「3日後に研究を再開しなさい。そして、宇宙背景放射が観測できる場所へ行きなさい。3日後の午前1時から5時、宇宙全体が、あなたのために瞬くでしょう」と。

「宇宙が瞬く?」…あまりにも非現実的な言葉に、汪淼は呆然とするしかありませんでした。

しつこい刑事・史強(シー・チアン)と、冷静すぎる母親・葉文潔(イエ・ウェンジエ)(青年期)

汪淼がオフィスで途方に暮れていると、またしてもあの男、刑事の史強(シー・チアン)が現れます。彼はすでに汪淼の娘を通してカウントダウンの話を掴んでいました。協力を申し出る史強(シー・チアン)ですが、汪淼は「ただの飛蚊症だ」と突っぱねます。警察が介入したところで、この超常的な現象はどうにもならない。むしろ、申玉菲を刺激して何をされるか分からない、という恐怖が彼を支配していたのです。

行き詰まった汪淼が次に向かったのは、自殺した物理学者・楊冬(ヤン・ドン)の実家でした。そこにいたのは、彼女の母親であり、高名な物理学者でもある葉文潔(イエ・ウェンジエ)(青年期)。娘を亡くしたばかりとは思えないほど落ち着いた様子の彼女に、汪淼は言い知れぬ違和感を覚えます。

楊冬(ヤン・ドン)の部屋は、彼女が好きだったという森の要素が取り入れられた、静かで知的な空間でした。葉文潔(イエ・ウェンジエ)(青年期)は、娘が幼い頃から特異な才能を持っていたこと、そして物理学の理論が崩壊した時、彼女の心を支えるものは何もなかったのだろうと、淡々と語ります。

汪淼は本題を切り出し、宇宙背景放射を観測できる場所を尋ねます。すると葉文潔(イエ・ウェンジエ)(青年期)は、かつての教え子である沙瑞山(シャー・ルイシャン)を紹介してくれました。

忍び寄る恐怖の正体

葉文潔(イエ・ウェンジエ)(青年期)の家を出ると、案の定、史強が待ち構えていました。彼は葉文潔の冷静すぎる態度に疑問を抱いているようです。汪淼は渋々彼の車に乗り込み、食事を共にすることに。

その席で、史強は衝撃の事実を告げます。楊冬(ヤン・ドン)が自殺する5日前、彼女は申玉菲と会っていたこと、そして申玉菲から何かファイルのようなものを受け取っていたことが分かったのです。しかし、そのファイルは楊冬の遺品からは見つかっていません。

申玉菲と楊冬の接点。その事実が、汪淼の心に重くのしかかります。恐怖は無知から来る、と自分に言い聞かせようとしますが、自宅に戻った彼の体は震えを止められず、持っていたカップを床に落として割ってしまうのでした。

『三体』第4話の感想

今回は、派手なアクションこそないものの、じっくりと登場人物の心理を掘り下げる、非常に見応えのある回でした。特に、科学という絶対的な支柱を揺るがされた汪淼の焦燥感と恐怖の描写は圧巻です。彼の視点を通して、未知の存在にじわじわと追い詰められていく息苦しさが伝わってきました。

一方で、ガサツながらも核心に迫ろうとする刑事・史強の存在感が光ります。彼の現実的な捜査と、汪淼が直面する超常的な現象との対比が、物語に独特の緊張感を与えています。そして、何と言っても不気味なのが葉文潔。娘の死を語る彼女の静かな瞳の奥には、一体何が隠されているのか。底知れない深淵を覗き込むような感覚に陥りました。

「宇宙が瞬く」という、詩的でさえある挑戦状。科学への冒涜とも言えるこの現象に、汪淼はどう立ち向かうのか。物語が静かに、しかし確実に動き出したことを感じさせる、濃密な一話だったと思います。

つづく