師の冤罪を晴らすため、道衍(ダオイェン)は登聞鼓を叩き都に訴えますが、黒幕である陸嘉学(ルー・ジアシュエ)の妨害は熾烈を極めます。刺客の襲撃を羅慎遠(ルオ・シェンユエン) が防ぐも、再審を担当する役人すらも敵の手中にあることを知り、慎遠と羅宜寧(ルオ・イーニン)は新たな策を講じることに。二人は茶税を管轄する英国公(えいこくこう)に協力を仰ぐため、彼の望むものを贈ります。しかし、そんな二人の前に陸嘉学が再び現れ、不気味な言葉で彼らを揺さぶるのでした。
「安寧録~海棠に降る光~」あらすじネタバレ21話
いやはや、今回も息詰まる展開でしたね!師の冤罪を晴らすため、ついに道衍(ダオイェン)が決死の覚悟で登聞鼓を打ち鳴らしました。彼の勇気ある行動は都の人々の心を動かし、あっという間に注目の的となります。
しかし、悪の親玉はそう簡単には引き下がりません。黒幕である陸嘉学(ルー・ジアシュエ)は、焦る役人たちにそそのかされ、道衍の口を永遠に封じるため、なんと夜の闇に紛れて刺客を送り込みます!絶体絶命のピンチ…!と思いきや、そこには我らが羅慎遠(ルオ・シェンユエン) が。彼は冷静沈着に刺客を返り討ちにし、道衍を救い出すのでした。このあたりの慎遠の殺伐とした決断力、痺れますよね。
民衆の声に押され、朝廷はついに事件の再審を命じますが、担当官の汪遠(ワン・ユエン)は、あろうことか陸嘉学(ルー・ジアシュエ)と繋がる汚職役人の一人。これではまともな審理など期待できるはずもありません。案の定、事件はうやむやにされそうになります。
ここで慎遠と羅宜寧(ルオ・イーニン)は、新たな策を練ります。汚職役人たちと対抗できるだけの力を持つ人物…それは、茶税を管轄する英国公(えいこくこう)でした。彼を味方につけるため、二人は英国公(えいこくこう)が前線の兵士たちのために薬を欲しているという情報を掴み、大量の薬を贈ります。帳簿と共に薬が英国公の屋敷に運び込まれるのを見て、二人はひとまず安堵の息をつくのでした。
ところが、そんな二人の前に陸嘉学(ルー・ジアシュエ)がぬっと現れます。手首に残る血の痕をわざと見せつけるように拭い、「道衍を昨夜一晩中、18種類もの拷問にかけたが、なかなかの硬骨漢だ」と不気味に笑うのです。師兄が受けた苦しみを思い、慎遠の心には陸嘉学への憎しみが燃え上がりますが、彼は表情を変えません。
さらに陸嘉学は、宜寧だけを呼び止め、「例の無名塚を調べたが、中の女の遺体は“眉眉(メイメイ)”本人ではない気がする」と囁きます。かつて彼によって崖から突き落とされた記憶が蘇り、宜寧は恐怖で凍りつきます。そこに慎遠が駆けつけ、彼女を連れてその場を去るのでした。馬車の中で青ざめる宜寧の様子に、慎遠は何かがあったと察しますが、今はただ「助けが必要なら必ず言ってくれ」と告げることしかできませんでした。
一方、羅家では別の騒動が。食いしん坊の羅宜秀(ルオ・イーシウ)が以前、林茂(リン・マオ) に「好きだったお菓子がもう見つからない」とこぼしたことがありました。林茂(リン・マオ) はそれを見つけてくると約束して以来、姿を消してしまったのです。姉の林海如(リン・ハイジョ)は、科挙に落ちた弟が家出したと嘆き悲しんでいますが、宜秀は自分のために菓子を探しに故郷へ帰ったのではないかと心を痛めます。
そして夜、楊卿画(ヤン・チンホワ)が酔ってふらつく羅府の大公子を介抱していると、大公子は彼女を亡き恋人・明瀾(ミンラン)と勘違いして手を掴み、離そうとしません。そのもつれ合う二人を、陳蘭(チェン・ラン)が目撃してしまうのでした。
それぞれの場所で、新たな火種が生まれ、物語はますます複雑に絡み合っていきます。
『安寧録~海棠に降る光~』第21話の感想
今回は、正義を求める者たちの覚悟と、それを力でねじ伏せようとする者たちの非道さが鮮明に描かれた回でした。特に陸嘉学の存在感が際立っています。彼の宜寧に対する執着は、もはや愛情とは呼べない領域に達しており、その言動一つ一つが観ているこちらの背筋を凍らせます。慎重に、しかし大胆に策を巡らせる慎遠と宜寧ですが、陸嘉学という巨大な壁はあまりにも高く、分厚いと感じさせられました。
一方で、英国公という新たなキーパーソンが登場したことで、膠着状態だった状況が動くかもしれないという希望も見えました。彼が果たして正義の味方となってくれるのか、それとも…。また、羅宜秀(ルオ・イーシウ)と林茂(リン・マオ) 、楊卿画と大公子のエピソードも、本筋の緊張感を和らげつつ、それぞれのキャラクターの人間味を感じさせてくれる良いスパイスになっています。静かな怒りを内に秘める慎遠と、恐怖に震える宜寧、二人の行く末から目が離せません。
つづく