科挙の郷試に首席で合格した羅慎遠(ルオ・シェンユエン) を祝うため、羅家は久しぶりの賑わいを見せていた。多くの家から縁談が舞い込むが、羅慎遠(ルオ・シェンユエン) の心は動かない。一方、妹の羅宜寧(ルオ・イーニン)は、兄をからかいながらもその様子を温かく見守っていた。しかし、その祝宴に英国公(えいこくこう)府の陸嘉学(ルー・ジアシュエ)が姿を現したことで、和やかな雰囲気は一変する。陸嘉学は巧みな方法で羅宜寧(ルオ・イーニン)の秘密を探ろうと画策。彼の不穏な言葉をきっかけに、羅慎遠は尊敬する師兄を救うため、自らの命を懸けた危険な決断を下すことになる。

「安寧録~海棠に降る光~」あらすじネタバレ23話

いやあ、今回の『安寧録』は前半と後半でガラリと空気が変わりましたね!羅慎遠(ルオ・シェンユエン) の郷試首席合格に沸く羅家。没落しかけていた家が一転、お祝い客でごった返す様子は、見ていてなんだか痛快でした。

特に、娘を羅慎遠(ルオ・シェンユエン) に嫁がせようと躍起になる親たちの姿は、いつの時代も変わらないなあと、思わず笑ってしまいました。羅慎遠(ルオ・シェンユエン) の先生まで自分の娘を連れてくるんですから、彼の株の上がりっぷりが分かりますよね。

そんなお祭りムードの中、羅宜寧(ルオ・イーニン)が「どの子がいい?」なんて兄をからかうシーンは、束の間の平和を感じさせてくれました。でも、当の羅慎遠は「心に決めた人がいる」ですって!一体どこのお嬢さんなのよ!と、テレビの前で身を乗り出してしまいました。

一方で、妹の羅宜秀(ルオ・イーシウ)にも縁談が。こちらは長公主の息子・韓炤(ハン・シャオ)という超VIP。でも、当の本人は林茂(リン・マオ) に夢中で、母親に部屋に閉じ込められてしまう始末。この姉妹、揃って一筋縄ではいかない恋模様を繰り広げてくれそうです。

しかし、この祝賀ムードをぶち壊しにしたのが、あの陸嘉学(ルー・ジアシュエ)の登場です。彼が祝いの席に現れた瞬間、空気がピリッと張り詰めるのが画面越しにも伝わってきました。

案の定、彼は羅宜寧(ルオ・イーニン)の正体を探るために、いやらしい罠を仕掛けてきます。まずは、義理の娘を使っての「書」の腕前比べ。以前、陸嘉学(ルー・ジアシュエ)は羅宜寧(ルオ・イーニン)が書いた字を見ているため、これは明らかに彼女を試すためのもの。ヒヤヒヤしましたが、そこはさすが我らが羅宜寧。日頃から羅慎遠に習っていたおかげで、彼の筆跡を巧みに真似て、見事にその場を切り抜けます。

でも、陸嘉学は諦めません。今度は二人きりで切り絵をしながら、核心に迫る質問を投げかけ、ついには羅宜寧の手を掴んで怪我をさせてしまう暴挙に…!本当に執念深い男ですね。

この絶体絶命のピンチを救ったのが、兄・羅慎遠でした。彼が陸嘉学と囲碁で対峙するシーンは、静かながらも火花が散るような緊張感がありました。そして、この対局中に陸嘉学が漏らした一言が、物語を大きく動かすことになります。

「師兄の陳九衡(チェン・ジウヘン)の裁判が大理寺に移され、命が危ない」

この言葉は、羅慎遠に重い決断を迫りました。師兄を無実のまま死なせるわけにはいかない…!彼は、仲間と共に「劫獄(牢破り)」という、あまりにも危険な計画を実行することを決意します。

そして、旅立つ前、彼がこれまで羅宜寧の嫁入り資金として密かに貯めてきた全財産を部下に託し、「もし私が戻らなかったら、これを宜寧に」と告げるシーンには、胸が締め付けられました。自分の命を懸けてでも守りたいものが、彼にはあるんですね。最後に羅宜寧の新しい店のために棚を整え、静かに彼女に会いに行く羅慎遠の背中が、あまりにも切なくて…。華やかな祝宴から一転、彼の悲壮な覚悟で幕を閉じた23話でした。

『安寧録~海棠に降る光~』第23話の感想

今回のエピソードは、光と影の対比が見事でした。前半の羅慎遠の合格祝いで華やぐ羅家の様子は、まるで嵐の前の静けさのよう。多くの人々が彼に縁談を持ちかける中、本人は全く意に介さず、ただ一人、心に決めた人がいると明かす場面は、彼の純粋さと意志の強さを感じさせました。その一方で、不穏な影として現れた陸嘉学の存在が、物語に強烈なサスペンスをもたらしています。彼が羅宜寧の秘密に迫る手口は巧妙で、見ているこちらも息を呑むほどでした。そして、クライマックスで羅慎遠が下した「劫獄」という命がけの決断。愛する妹の将来を案じ、自身の全てを託して危険な道へと進む彼の姿には、静かながらも燃えるような情の深さが表れており、心を揺さぶられます。それぞれのキャラクターが抱える想いや秘密が交錯し、物語が大きく動き出したことを実感させる、非常に密度の濃い回でした。

つづく