意識を失っていた羅宜寧(ルオ・イーニン)は、羅慎遠(ルオ・シェンユエン) らの尽力で目を覚ます。そんな彼女に、祖母から驚きの事実が告げられる。なんと、長年行方が分からなかった実の父親が見つかったというのだ。その正体は、誰もがうらやむ高貴な身分の英国公(えいこくこう)だった。突然現れた強力な後ろ盾。しかし、これまでの人生で他人に運命を委ねることの辛さを知った宜寧は、大きな決断を下す。羅家を離れ、自らの力で未来を切り開くことを選んだ彼女は、新しい一歩を踏み出す。

「安寧録~海棠に降る光~」あらすじネタバレ29話

ついに、羅宜寧(ルオ・イーニン)の運命が大きく動き出す第29話!羅家での居場所を失い、まさにどん底かと思いきや、彼女の人生は新たな扉を開こうとしていました。

意識を失った宜寧は、羅慎遠(ルオ・シェンユエン) によって救い出されます。林茂(リン・マオ) が秘蔵の薬で懸命に治療し、宜寧はなんとか一命をとりとめました。

彼女が目を覚ますと、そこには心配そうに見守る林海如(リン・ハイジョ)と羅家の祖母の姿が。涙ながらに「まだお祖母様と呼んでいいですか?」と尋ねる宜寧に、祖母は優しく頷き、驚くべき事実を告げます。なんと、宜寧の実の父親が見つかったというのです。その人物は、高貴な身分である英国公(えいこくこう)。長年探し続けた妻が、自分との間に娘を残してくれていたことを知り、英国公(えいこくこう)は喜びと驚きを隠せません。

身なりを整え、緊張した面持ちで宜寧と対面した英国公は、これまでの償いをさせてほしいと、自分の屋敷で一緒に暮らそうと優しく提案します。しかし、羅家でも居心地の悪さを感じていた宜寧は、すぐには返事をしませんでした。

傷が癒え、自分の足で歩けるようになった宜寧は、ある大きな決断をします。彼女は羅慎遠(ルオ・シェンユエン) に「誰かに頼って生きるのはもう嫌。自分の力で生きていきたい」と固い決意を語りました。慎遠はそんな彼女の選択を尊重し、「どこにいても、君を愛する人はそばにいる」と温かく手を握るのでした。

そして宜寧は、羅家の祠堂で英国公と羅成章(ルオ・チョンジャン)に対し、羅家を出て、英国公の庇護も受けず、自ら商売を始めて自立する道を歩むと宣言します。驚く英国公からの金銭的な援助の申し出も、「自分の力でやりたい」と毅然として断るのでした。

一方、羅家では別の動きが。牢獄にいる母・陳蘭(チェン・ラン)と面会した羅宜秀(ルオ・イーシウ)は、反省の色もなく、権力者である韓炤(ハン・シャオ)との結婚を勧める母の姿に深く失望します。また、姉の羅宜玉(ルオ・イーユー)も母を助けようと動きますが、「殺人犯の娘」と罵られ、冷たくあしらわれてしまうのでした。

英国公の屋敷でも、養女の趙明珠(ジャオ・ミンジュ)が突然現れた本物の娘・宜寧の存在に不安を感じ始めるなど、新たな波乱の予感が漂います。

そんな中、宜寧は林茂(リン・マオ) と協力して化粧品店を開きます。開店当初は閑古鳥が鳴いていましたが、突然、大勢の客が押し寄せます。その賑わいの中、宜寧は不敵な笑みを浮かべる見知った顔を見つけました。そう、あの陸嘉学(ルー・ジアシュエ)です!彼が客を呼び寄せたのでした。しかし、もはや彼の権力に怯える宜寧ではありません。彼女は陸嘉学(ルー・ジアシュエ)に対し、「もう二度と私の人生に関わらないで」とはっきりと告げたのでした。

『安寧録~海棠に降る光~』第29話の感想

今回のエピソードは、羅宜寧(ルオ・イーニン)という一人の女性の「覚醒」の物語でした。羅家という居場所を失い、絶望の淵に立たされたかと思いきや、彼女はそこから力強く立ち上がります。実の父である高貴な英国公の存在が明らかになっても、その庇護に安住することを選ばない姿には、胸を打たれました。他人の敷いたレールの上ではなく、たとえ茨の道であっても自分の足で歩むことを選んだ彼女の決断は、この物語の大きな転換点と言えるでしょう。彼女を心から案じ、その選択を静かに見守る羅慎遠(ルオ・シェンユエン) の深い愛情も印象的でした。一方で、陸嘉学の不気味な執着や、羅宜秀(ルオ・イーシウ)の母親への絶望など、周囲の人物たちの思惑が複雑に絡み合い始め、物語にさらなる深みを与えています。宜寧の自立という新たな一歩が、今後の展開にどのような影響を及ぼすのか、目が離せません。

つづく