羅家の三男・羅慎遠(ルオ・シェンユエン) が科挙で首席合格という快挙を成し遂げ、一族が歓喜に沸く中、刺繍店を営む羅宜寧(ルオ・イーニン)の周りでは不穏な動きが。彼女に執着する英国公(えいこくこう)の強引なアプローチは続き、さらに過去の因縁が再び彼女を危険な罠へと引きずり込みます。幸せの絶頂にいる慎遠と、危機に瀕する宜寧。二人の運命が大きく交差する、波乱に満ちた回。果たして宜寧は、迫りくる脅威から逃れることができるのでしょうか。

「安寧録~海棠に降る光~」あらすじネタバレ30話

父の歪んだ愛情と、仕掛けられた罠

英国公(えいこくこう)こと陸嘉学(ルー・ジアシュエ)は、娘だと確信している宜寧の気を引こうと必死。彼女の刺繍店に客を呼び込もうとするんだけど、当の宜寧は迷惑がるばかりで、まったく取り合わないのよね。

業を煮やした陸嘉学(ルー・ジアシュエ)は、とんでもない計画を実行に移すの。それは、かつて宜寧を崖から突き落とした張本人、宋子芸(ソン・ズーユン)を牢から解き放つこと!「もう一度、宋子芸が宜寧を襲えば、さすがに正体を白状するだろう」っていう、あまりにも危険な賭けよ。父親のやることかしら…?

一方で、羅家にも変化が。母・陳蘭(チェン・ラン)が罪に問われてから、誰もが羅家を避ける中、ただ一人変わらぬ態度で求婚を続けてくれた劉(リウ)公子。その誠実さに心を打たれた羅宜玉(ルオ・イーユー)は、ついに彼の想いを受け入れるの。苦難の中に見つけた真実の愛ね。母が辺境へ流される悲しい別れもあったけど、姉妹は強く生きていこうと決意するのだったわ。

栄光の瞬間と、忍び寄る魔の手

そんな中、羅家に最高の吉報が舞い込むの!なんと、これまで冷遇されてきたあの羅慎遠(ルオ・シェンユエン) が、科挙の最終試験「殿試」で見事首席合格(状元)を果たしたのよ!

状元だけが着られる真紅の晴れ着に身を包み、馬上で民衆の喝采を浴びる慎遠の姿は、本当に輝いて見えたわ。そして、人混みの中に愛しい宜寧の姿を見つけると、彼はわざわざ馬から降りて、彼女のためだけに優しい微笑みを向けるの。周りの令嬢たちの嫉妬の視線が突き刺さるけど、そんなのお構いなし!このシーン、二人の絆の深さを感じて胸が熱くなったわ…。

でも、幸せな時間も束の間。陸嘉学(ルー・ジアシュエ)の思惑通り、宋子芸が宜寧を誘拐!「あんたのせいで私の家はめちゃくちゃになった!」と逆恨みする宋子芸に、宜寧は必死に「それは陸嘉学の権力欲のせい」と訴えるけど、もちろん聞き入れられない。

刃物を突きつけられた絶体絶命のその瞬間、現れたのは…やっぱり陸嘉学!

「これで言い逃れはできないな、我が娘よ」と言わんばかりの彼の登場で、宜寧はすべてが彼の仕掛けた罠だったと悟るの。

白馬の騎士、現る!

陸嘉学に無理やり輿に乗せられ、連れ去られそうになる宜寧。もうダメかと思った、その時よ!

「待て!」

知らせを聞いて駆けつけた慎遠が、たった一騎で陸嘉学の行列の前に立ちはだかったの!

「兄として、妹を迎えに来た」

凛として言い放つ彼の姿は、まさに白馬の騎士。今の宜寧は、表向きは英国公(えいこくこう)の娘。そして慎遠は、皇帝からも認められた新進気鋭の官吏。さすがの陸嘉学も、手出しはできなかったわ。

物語のラスト、英国公が再び宜寧の店へ。今度は「一緒に年を越してくれないか」と、緊張で汗だくになりながらお願いするの。その必死な父親の姿に、宜寧もついに頷くのでした。

『安寧録~海棠に降る光~』第30話の感想

今回は、登場人物それぞれの想いが複雑に絡み合い、物語が大きく動いた回でしたね。特に印象的だったのは、宜寧に向けられる二人の男性の対照的な愛情表現です。実の父である英国公は、不器用ながらも必死に娘の心を取り戻そうとしますが、そのやり方はあまりに強引で独りよがり。対して、血の繋がりはなくとも兄として宜寧を支え続けてきた慎遠は、彼女が最も必要とするときに、いつも身を挺して守ってくれます。彼の静かで深い愛情が、科挙首席合格という栄光と共に、より一層際立って見えました。宜寧がこれから、どちらの「家族」との絆を深めていくのか、今後の展開から目が離せません。

つづく