実の父である英国公(えいこくこう)に温かく迎えられた羅宜寧(ルオ・イーニン)。幸せな日々が始まるかと思いきや、年越しの宴で皇帝から「青城縣君」という名誉ある称号を授かります。しかし、この栄誉がきっかけで、英国公の母・韓老太太との間に新たな確執が生まれてしまいます。一方、羅家では、羅宜秀(ルオ・イーシウ)と林茂(リン・マオ) の関係が大きな進展を迎え、感動的な瞬間が訪れます。愛と対立が交錯する中、宜寧は自らの生き方について大きな決断を迫られることになります。
「安寧録~海棠に降る光~」あらすじネタバレ31話
いやはや、今回の『安寧録』も目が離せない展開でしたね!幸せな出来事と、新たな火種が同時に巻き起こり、登場人物たちの感情が激しく交錯する回となりました。
ついに実の娘・羅宜寧(ルオ・イーニン)との再会を果たした英国公(えいこくこう)。その喜びようは凄まじく、府で一番大きな部屋を宜寧のために用意し、奇珍異宝で飾り立て、大勢の侍女や世話係を付けるという溺愛っぷりです。これには、今まで英国公(えいこくこう)の養女として大切にされてきた明珠(みんじゅ)も心中穏やかではありません。実の娘が現れたことで、自分の立場が危うくなるのではと危機感を募らせています。
一方、羅家では、羅山遠(ルオ・シャンユエン)が軍へ入隊するため、家族総出で見送ります。彼はもともと学問で身を立てるより、自由に生きることを望んでいました。母が辺境へ送られた今、ようやく自分の好きな道へ進めるというわけです。継母の林海如(リン・ハイジョ)はたっぷりの路銀を、そして兄の羅慎遠(ルオ・シェンユエン) は手作りの傷薬を渡し、彼の門出を祝います。
そして、羅家で一人寂しさを感じていた羅宜秀(ルオ・イーシウ)に、最高のサプライズが!恋人の林茂(リン・マオ) が、元宵節に合わせ、赤い提灯や美しい花々で飾った場所で、感動的なプロポーズを決行!「生涯、君だけを愛す」という言葉に、宜秀は涙を流して受け入れます。数々の困難を乗り越えてきた二人だけに、この幸せは見ているこちらも胸が熱くなりますね。
さて、物語は再び英国公府へ。宜寧は初めて実の父の家で新年を迎えます。しかし、その祝宴の席で、皇帝から宜寧を「青城縣君」に封じるという勅命が届き、事態は思わぬ方向へ。
この栄誉に対し、英国公の母である韓老太太は「縣君になったからには、商人として店に立つのはみっともない」と、宜寧に店をたたむよう迫ります。しかし、自分の力で築き上げた店は宜寧の誇りであり、生きがいです。「店を続けられないのなら、縣君の称号などいりません」と、きっぱりと拒否します。
この宜寧の態度が韓老太太の怒りを買い、場の空気は一変。そこへ養女の明珠(みんじゅ)が「宜寧様は老太君を敬っていません」と火に油を注ぎ、さらに義理の息子である庭哥(ていか)までが「商人の娘など下品だ」と宜寧を罵倒。
しかし、ここで黙っていないのが英国公です!「自分の力で正々堂々と稼ぐ者が、なぜ見下されねばならないのだ!」と庭哥(ていか)を厳しく叱責。泣き出した庭哥は、明珠にそう言うようにそそのかされたと白状します。
年越しの宴を台無しにされた韓老太太は腹を立てて席を立ってしまい、宜寧は気まずい思いをしますが、英国公は「お前は好きなことをしろ。何かあれば父がすべて引き受ける」と力強く彼女を支えるのでした。父の深い愛情に感動した宜寧は、羅家の祖母を見舞う許しを得て、ひとまず英国公府を後にするのでした。
『安寧録~海棠に降る光~』第31話の感想
今回は、幸せの絶頂と新たな対立の始まりが巧みに描かれた、非常に見ごたえのあるエピソードでした。特に印象的だったのは、羅宜寧(ルオ・イーニン)の自立心と、それを全力で肯定する英国公の父親としての愛情の深さです。縣君という名誉よりも、自分の手で築いた生きがいを選ぶ宜寧の姿は、現代に生きる私たちにも通じる強さを感じさせます。一方で、家柄や体面を重んじる韓老太太との対立は、古い価値観と新しい生き方の衝突を象徴しており、今後の展開に緊張感をもたらしています。また、長年の苦労が報われた林茂(リン・マオ) と羅宜秀(ルオ・イーシウ)のプロポーズの場面は、心温まる清涼剤のようでした。それぞれのキャラクターが抱える想いが交錯し、物語にさらなる深みを与えた回だったと言えるでしょう。
つづく