羅慎遠(ルオ・シェンユエン) と羅宜寧(ルオ・イーニン)は、将来を誓い合い、甘く幸せなひとときを過ごす。宜寧は慎遠への想いを込めた絵を描き、二人の絆は一層深まっていく。しかし、その裏では大きな陰謀が動き出していた。慎遠の同門が捕らえられ、彼は友を救うため過酷な選択を迫られることに。一方、林茂(リン・マオ) と羅宜秀(ルオ・イーシウ)の結婚にも大きな障害が立ちはだかる。愛と信頼が試される、緊迫した展開が待ち受ける。

「安寧録~海棠に降る光~」あらすじネタバレ35話

いやはや、今回の『安寧録』は心が休まる暇もありませんでしたね!甘くて幸せな時間と、息が詰まるような過酷な現実が交互に押し寄せてきて、感情がぐちゃぐちゃです。

まずは、ニヤニヤが止まらない羅慎遠(ルオ・シェンユエン) と羅宜寧(ルオ・イーニン)のシーンから。英国公(えいこくこう)に「理想の相手は?」と聞かれた宜寧が「才気と胆力があって、文武両道で、私のことを深く理解してくれる人」なんて、超ハイスペックな条件を挙げるんです。そんな人いるわけ…と思ったら、そこに颯爽と現れるのが我らが羅慎遠(ルオ・シェンユエン) !英国公(えいこくこう)も「なるほど、こういう男か」と納得顔。もう、運命としか言いようがありませんよね。

その後も二人の世界は続きます。慎遠が「やるべきことを終えたら、必ず正式に求婚する」と約束すれば、宜寧は慎遠に持ち上がった縁談話にわざと拗ねてみせる。そんな宜寧に「嫉妬しているのか?」と笑いながら肩を抱き、「今生、想うのはそなただけだ」と囁く慎遠…。もう、ごちそうさまです!

宜寧が描いた花朝節の絵に、慎遠がそっと自分の姿を描き加えてもらったエピソードも最高でした。絵に詩を添え、「絵の中の君のように、永遠に幸せでいられるように」と願う慎遠。この二人の穏やかで幸せな時間がずっと続けばいいのに…と心から願わずにはいられませんでした。

しかし、物語はそんな甘い時間だけを許してはくれません。

慎遠の同門である楊凌(ヤン・リン)が、陸嘉学(ルー・ジアシュエ)によって捕らえられてしまいます。しかも、汪宰相(ワンさいしょう)が横やりを入れ、皇帝の意向で大理寺と左相が共同で審理することに。汪宰相(ワンさいしょう)はすでに証人をすべて始末しており、無実の罪を着せられた楊凌(ヤン・リン)を救い出すのは絶望的な状況。慎遠の顔から笑みが消えます。

時を同じくして、もう一組のカップルにも試練が。林茂(リン・マオ) と羅宜秀(ルオ・イーシウ)の結婚に、林家のおばあ様が猛反対!わざわざ使いをよこし、皆の前で結婚は許さないと宣言させます。「人殺しの娘」というレッテルを貼られ、林家にまで拒絶された宜秀は、陰で涙を流すしかありません。そんな彼女を見つけた林茂(リン・マオ) は、「必ず策を考えるから」と力強く彼女の手を握るのでした。彼の「生涯、羅宜秀(ルオ・イーシウ)しか娶らない」という誓いが、切なく響きます。

そして、今回のクライマックス。大理寺では、陸嘉学(ルー・ジアシュエ)による楊凌への拷問が日に日に激しくなっていました。慎遠は連日、その監督をしていますが、時間は刻一刻と過ぎていきます。あろうことか陸嘉学は、汪宰相が見ている前で、慎遠に拷問用の鞭を渡すのです。ここで同情を見せれば、自分が汪宰相の標的になる…。苦渋の表情で鞭を受け取り、同門の友に振り下ろすしかない慎遠。その心境は、察するに余りあります。

数日慎遠に会えず、心配でたまらない宜寧は大理寺を訪れます。そこで待ち構えていたかのように現れた陸嘉学に、尋問室へと案内されてしまうのです。宜寧が目にしたのは、信じがたい光景でした。愛する慎遠が、真っ赤に焼けた烙印を楊凌の足に押し付けている…!楊凌の悲鳴が響き渡る中、宜寧の心は凍りつきます。

慎遠は宜寧の姿を認めると、「女が来る場所ではない」と氷のように冷たい言葉で追い返します。しかし、その目に宿る光を見た宜寧は、瞬時に彼の真意を悟り、静かにその場を去るのでした。

「彼の本性を見たか?羅家で虐げられてきた男が、お前を大切にすると思うか?」

二人の仲を裂こうと揺さぶりをかける陸嘉学。しかし、宜寧は毅然として言い返します。

「その言葉を言う資格が最もないのは、あなたです」

あぁ、なんて強くて聡明なヒロインなのでしょう!この土壇場で揺るがない信頼関係、これぞこの物語の真骨頂ですね。

『安寧録~海棠に降る光~』第35話の感想

前半の甘やかな恋模様から一転、後半は息苦しいほどの緊張感に満ちた回でした。特に、羅慎遠(ルオ・シェンユエン) が背負うものの重さが際立っていたように思います。愛する女性との未来を誓いながらも、友を救うためには非情な仮面をかぶり、自らの手を汚さねばならない。彼の苦渋の決断と、その胸に秘めた覚悟を思うと、こちらまで胸が締め付けられるようでした。

そして、そんな慎遠の姿を目の当たりにしても、彼の瞳の奥にある真実を見抜き、信頼を揺るがせにしない羅宜寧(ルオ・イーニン)の強さには感服するばかりです。陸嘉学の卑劣な策略は、かえって二人の絆がいかに強固であるかを証明する結果となりました。二つの恋の行方、そして羅慎遠が挑む大きな陰謀の行方から、ますます目が離せません。

つづく