いやはや、今回の『安寧録』は息をのむ展開の連続でしたね!信じていたもの、守りたかったものが次々と揺さぶられ、登場人物たちの覚悟が試される、まさに正念場といった回でした。それでは早速、第37話の詳しいあらすじとネタバレを見ていきましょう!

物語は、英国公(えいこくこう)が出征の勅命を受けるところから始まります。戦地へ赴く前、彼は愛娘の羅宜寧(ルオ・イーニン)を呼び、留守中の家族と祖母の世話を託します。宜寧は父を案じ、手製の金瘡薬や寺で求めたお守りを手渡すのでした。これまで数々の戦に出てきた英国公(えいこくこう)ですが、宜寧という守るべき存在ができてからは、戦場へ向かう足取りも重く、名残惜しさを隠せません。

その頃、羅慎遠(ルオ・シェンユエン) は、宿敵である汪遠(ワン・ユエン)の信頼を勝ち取るため、周到な計画を進めていました。高価な宝飾品や美酒を贈り、すっかり汪遠(ワン・ユエン)を油断させます。ある夜、酒宴の席で酔い潰れたふりをして客房で休むと、夜陰に紛れて汪遠の書斎へ。そこで彼は、汪遠が密書を受け取り、読んだ直後に燃やす場面を目撃します。屋根裏に潜んでいた慎遠は、その密書の内容と、共に渡された令符の意匠を脳裏に焼き付け、すぐさま配下に模倣品を作らせるのでした。

静かに進む慎遠の計画とは裏腹に、羅家には悲報が舞い込みます。前線で英国公の軍が敵の罠にはまり、2万の兵のうち半数が死傷。さらに、嵐に見舞われた影響で英国公の遺体は見つからず、行方不明になったというのです。

この報せは、汪遠にとって絶好の機会でした。英国公が死んだと確信した彼は、皇帝の判断が鈍っている隙を突き、「英国公は敵と内通していた」という濡れ衣を着せ、国公府を取り潰そうと画策します。

知らせを聞いた陸嘉学(ルー・ジアシュエ)は、すぐさま英国公府に駆けつけ、宜寧と祖母を逃がそうとしますが、宜寧はきっぱりと断ります。「今逃げれば、父上の名誉を汚すことになる」と、彼女は屋敷に残り、運命に立ち向かうことを決意。祖母は助けを求め、皇太后の元へと向かいました。

ついに汪遠の兵が国公府の門を包囲します。しかし、宜寧は少しも怯むことなく、毅然とした態度で門の前に立ち、兵たちと対峙します。そこに陸嘉学(ルー・ジアシュエ)も駆けつけ、汪遠の脅しにも屈せず、剣を抜いて宜寧を守ろうとするのでした。

緊張が最高潮に達したその時、汪遠は切り札として羅慎遠(ルオ・シェンユエン) を呼び出します。慎遠はなんと、剣を宜寧に向け、「家宅捜索を受け入れろ」と迫るのです。信じられない光景に、陸嘉学も慎遠に剣を向け、一触即発の事態に。

しかし、すべては慎遠の描いた筋書き通りでした。彼が動いたまさにその瞬間、宮中から聖旨が下ります。慎遠はすでに、汪遠の密輸や敵国との内通に関する決定的な証拠をすべて皇帝に提出していたのです。形勢は一気に逆転し、汪遠に逮捕命令が下されました。

腹心だと思っていた男の鮮やかな裏切りに、汪遠はなすすべもなく投獄されます。牢の中で彼は、自分の敗因が信じられません。しかし慎遠は静かに語ります。「世の中には、私利私欲のために動く者ばかりではない。正義のために命を懸ける者もいる」と。その姿は、かつて汪遠が陥れた忠臣・陳九衡(チェン・ジウヘン)と重なり、汪遠は名利を超えた人間の意志の強さに、初めて恐怖を覚えるのでした。

『安寧録~海棠に降る光~』第37話の感想

今回のエピソードは、まさに羅慎遠(ルオ・シェンユエン) の独壇場でしたね。彼がこれまで耐え忍び、緻密に張り巡らせてきた策が、見事に花開いた瞬間には、思わず鳥肌が立ちました。悪に染まったふりをしながら、その実、誰よりも深く国の未来と正義を案じていた彼の姿は、物語に圧倒的なカタルシスをもたらしてくれました。

一方で、父の危機に際し、逃げることなく家の誇りを守ろうとした羅宜寧(ルオ・イーニン)の気高さにも胸を打たれます。彼女の揺るぎない強さが、陸嘉学をはじめとする周囲の人々を動かし、逆転劇への道を繋いだと言えるでしょう。

そして、悪役・汪遠の最期も見事でした。最後まで自分の価値観を疑わず、慎遠の正義を理解できないまま破滅していく姿は、物語に確かな深みを与えています。彼が陸嘉学に残した不穏な言葉が、今後の展開にどのような影響を及ぼすのか、目が離せません。

つづく