母の死の真相を握る李ばあやを屋敷に引き入れた羅宜寧(ルオ・イーニン)は、敵の出方を窺う。一方、羅慎遠(ルオ・シェンユエン) との心の距離が縮まるも、父の妨害に遭ってしまう。そんな中、林小娘(りんかいじょ)の新たな陰謀が李ばあやに迫るが、絶体絶命の危機に謎の人物が現れる。明らかになる過去の真実のかけらと、深まる協力者の謎。そして、宜寧の妹・宜秀(イーシウ)とある青年との間に、新たな出会いが訪れる。
「安寧録~海棠に降る光~」あらすじネタバレ5話
母の無念を晴らす鍵と、新たな火種
前回、母の死の真相を知る重要人物・李ばあやをなんとか自分の屋敷に引き入れた羅宜寧(ルオ・イーニン)。ひとまず侍女たちには「穏便に過ごさせてあげて」と指示し、敵である林小娘(リン・ハイジョ)の出方を待つことに。静かな駆け引きの始まりですね。
そんな中、屋敷ではちょっと微笑ましい事件が。食いしん坊の六番目の妹・羅宜秀(ルオ・イーシウ)が、ふくよかになってきたことを母である大夫人に咎められ、まさかのダイエット指令!食事は質素なものに制限され、毎日ウエストを測られるという徹底ぶり。たまらず宜秀は、命の次に大事(?)な調味料一式を宜寧の部屋に持ち込み、「お姉様、お願い!目標サイズに戻るまで預かって!」と泣きつきます。姉妹のこんなやり取り、和みますよね。
近づく二人の心と、立ちはだかる父の壁
さて、宜寧は以前、羅慎遠(ルオ・シェンユエン) が祖父の絵を求めて屋根裏に忍び込んでいたことを思い出します。自分にとってはただの絵でも、彼にとっては大切なもの。そう察した宜寧は、祖父の絵を箱に詰め、自ら慎遠のもとへ届けます。
絵を受け取った慎遠は、まるで宝物を手にしたかのように大喜び。その感謝のしるしとして、彼が十数年前に偶然拾ったという、宜寧の亡き母の簪(かんざし)を彼女に贈ります。思いがけない贈り物に、二人の間には温かい空気が流れます。
しかし、幸せな時間は長くは続きません。宜寧を送る帰り道で、父の羅成章(ルオ・チョンジャン)にばったり遭遇!日頃から慎遠を目の敵にしている父は、宜寧が高価な絵をあっさり贈ったことに激怒し、力ずくで絵を取り上げてしまいます。父に逆らえず、さらに慎遠が自分のために父をとりなしてくれたことで、宜寧は彼にまた一つ借りを作ってしまったと心を痛めるのでした。
食いしん坊娘と気難しい若様の出会い
一方、お腹を空かせて庭をさまよう宜秀。ふと見ると、池にまるまると太った大きなガチョウが!彼女の頭の中は、すっかり「ガチョウの鉄鍋煮込み」でいっぱいです(笑)。侍女に捕獲を命じようとしたその時、爽やかな青年が現れます。
彼の名は林茂(リン・マオ) 。「このガチョウがお好きなのですか?」と嬉しそうに尋ねる彼に、宜秀は満面の笑みで「ええ、とても美味しそう!」と返答。それを聞いた林茂(リン・マオ) の顔は真っ赤に!なんと、そのガチョウは彼が大切にしているペットだったのです。自分のペットに「美味しそう」とは何事か!と怒る林茂(リン・マオ) と、「あなたの醜い顔で私の庭を汚さないで!」と言い返す宜秀。なんとも賑やかな出会いでした。
絶体絶命の危機と、黒衣の救世主
その頃、林小娘の恐ろしい計画が実行に移されます。言葉巧みに李ばあやを屋敷から連れ出し、道中で殺害しようと企んだのです。ずっと後を追っていた宜寧の侍女・青衢(チンチュウ)が飛び出して助けようとしますが、多勢に無勢。絶体絶命かと思われたその時、黒衣の人物が颯爽と現れ、あっという間に刺客を蹴散らし、李ばあやを救い出しました。
実はこの救出劇、慎遠の行動と偶然重なったものでした。彼は、師の無実を証明する証人を探しており、その人物がまさに皇城司の者たちに命を狙われていたのです。慎遠は証人を助けるついでに、青衢と李ばあやも救ったのでした。
青衢によって安全な場所に匿われた李ばあやは、ついに宜寧に衝撃の真実を語ります。幼い宜寧が突き飛ばしたせいで流産した、というのは林小娘の真っ赤な嘘。彼女は宜寧に会う数日前にすでに流産しており、その罪を幼い宜寧になすりつけたのです。ついに、長年の濡れ衣を晴らす証言を得た宜寧。
さらに青衢から「謎の貴人」に助けられたと聞いた宜寧は、一体誰が?と考えを巡らせます。そして、服を届けるという口実で慎遠の部屋を訪れた彼女は、ついに見てしまうのです。青衢が話していた黒衣の人物と全く同じ、夜行衣を。
いつもは物静かで控えめな彼が、実は武術の達人で、夜に暗躍する一面も持っている…!慎遠の謎めいた魅力に、宜寧はますます惹かれていくのでした。
『安寧録~海棠に降る光~』第5話の感想
今回のエピソードは、静かな水面下でいくつもの物語が力強くうねり始めた、そんな回でした。長年、羅宜寧(ルオ・イーニン)を苦しめてきた過去の事件の真相が、ついに当事者の口から語られた場面は、見ているこちらも胸がすく思いでした。しかし、これで一件落着とはいかないのがこのドラマの深いところ。林小娘の次なる一手も気になります。
一方で、羅慎遠(ルオ・シェンユエン) の秘密が少しずつ明らかになり、彼の人物像にぐっと奥行きが出てきました。ただ物静かなだけではない、彼の内に秘めた強さと目的意識が、宜寧との関係をどう変えていくのか。そして、新キャラクターの林茂と宜秀のコミカルな出会いは、シリアスな展開の中での清涼剤のようでした。それぞれのキャラクターの思惑が絡み合い、物語がより一層複雑で魅力的なものになっていくのを感じます。
つづく