いやあ、今回の第9話は、物語が大きく動き出した回でしたね!静かな水面下で進んでいたそれぞれの思惑が一気に表面化して、息もつかせぬ展開でした。それでは早速、あらすじとネタバレを見ていきましょう!
過去の思い出が新たな火種に
物語は、羅家の長男の嫁である陳蘭(チェン・ラン)が、娘の宜玉(イーユー)の縁談について祖母に相談するところから始まります。陳蘭(チェン・ラン)は、最近羅家を訪れている程琅(チョン・ラン)を推しますが、祖母は猛反対。程琅が過去に自分を虐げた兄たちに苛烈な報復をしたこと、そして彼の叔父が若くして異例の出世を遂げていることから、その一家の底知れなさを警戒しているのです。
一方、私たちのヒロイン・宜寧(イーニン)は、程琅から「陸嘉学(ルー・ジアシュエ)も切り絵が好きだ」という話を聞いて顔面蒼白!急いで自室に戻ると、これまでに作った切り絵をすべて火にくべてしまいます。
ここから宜寧の切ない過去が明らかに。かつて別宅で暮らしていた頃、飛ばした凧がきっかけで隣家の少年に出会います。その少年こそ、若き日の陸嘉学(ルー・ジアシュエ)でした。当時、彼は目を病んでおり、不憫に思った宜寧は彼を励ますためにお菓子や花、そして自作の切り絵をこっそり届けていたのです。宜寧が渡した塗り薬で、彼の目はやがて回復したのでした。甘く淡い思い出ですが、それが今、自分の身を危うくするかもしれないなんて、皮肉なものですね。
姉の暴走と、燃え上がる屋敷
そんな中、羅家では不穏な空気が漂い始めます。いつも静かに花を育て、誰からも警戒されていなかったあの羅慎遠(ルオ・シェンユエン) が、実は裏で何かを探っている様子。宜寧が程琅の来訪の真意を尋ねると、彼は「目的はあるが、羅家は傷つけさせない」とだけ約束します。この男、一体何者なんでしょうか…!
さらに、とんでもない事件が発覚!なんと、劉家の公子と婚約が決まっているはずの姉・宜玉が、あろうことか程琅に情熱的な恋文を送っていたのです。しかも、まだ開いていない蓮の蕾に隠すという大胆な手口で!
このままでは羅家の娘たち全員の評判に関わる…!そう考えた宜寧は、姉を傷つけずに過ちを気づかせるため、機転を利かせます。翌日、宜玉のそばへ行き、「あなたのハンカチを拾ったわ。ここに詩でも刺繍したら素敵じゃない?」と、あの恋文の詩をそらんじてみせたのです。さすが宜寧、賢い!自分の過ちに気づいた宜玉は、二度としないと誓うのでした。
しかし、事件はこれだけでは終わりません。宜玉から「祖母はよく一心斎にいる」と聞き出した程琅は、そこに目当ての「証拠」があると確信。月夜に紛れて一心斎に忍び込みますが、そこに立ちはだかったのは、なんと羅慎遠(ルオ・シェンユエン) !激しい立ち回りの末、一心斎は炎に包まれてしまいます。
火事が消し止められた後、焼け跡から発見されたのは一人の遺体。それは、程琅たちが探していた証拠に関わる人物・李応龍(リ・インロン)でした。これを見た程琅の手下は、李応龍も証拠を探しに来て、火事によって証拠もろとも焼失したのだと勘違いするのでした。しかし、本当に証拠は燃えてしまったのでしょうか…?謎が深まるばかりです。
『安寧録~海棠に降る光~』第9話の感想
今回は、これまで静かに張られていた伏線が一気に動き出した、非常に見ごたえのある回でした。宜寧の淡い過去の恋が、現在の政争の具として利用されかねないという緊張感。そして、婚約者がいながら他の男性に心を寄せてしまう宜玉の危うさ。姉妹それぞれの恋模様が、羅家そのものの運命と複雑に絡み合っていく様子から目が離せません。
特に印象的だったのは、静と動の対比です。屋敷の奥で繰り広げられる女性たちの心理戦と、夜陰に乗じて行われる男たちの命がけの攻防。その中心で、一見無力に見える宜寧が知恵で、そして謎多き慎遠が力で、それぞれが羅家を守ろうとする姿は、今後の展開への期待を大きく膨らませてくれます。炎に包まれた一心斎が、物語の大きな転換点を象徴しているようでした。
つづく