研究資金の枯渇に悩む顧雲崢(グー・ユンジョン)と蘇為安(スー・ウェイアン)。そんな二人の前に、意外な救世主として杜じいさんが現れ、奇妙で心温まる同居生活が始まります。その一方で、ライバルである杜雲成(ドゥー・ユンチョン)は、研究の遅れに焦り、禁断の手段に手を染めようとしていました。彼の暴走は、顧雲崢(グー・ユンジョン)の叔母・蘇媛(スー・ユエン)を巻き込む悲劇へと発展してしまいます。悲しみに暮れる蘇為安(スー・ウェイアン)と、彼女を懸命に支える顧雲崢。しかし、蘇為安自身の身体にも、不穏な異変の兆しが見え始めて…。

「 癒やしの恋人~ロマンスの処方箋~」あらすじネタバレ32話

いやあ、今回の32話は本当に心が揺さぶられましたね…。希望と絶望が交互に押し寄せてきて、見ているこちらの感情が追いつかないほどでした。それでは早速、怒涛の展開となった第32話の世界に飛び込んでいきましょう!

暴走する野心と悲劇の始まり

研究の進捗が思わしくなく、焦りに駆られた杜雲成(ドゥー・ユンチョン)は、ついに越えてはならない一線を越えようとします。なんと、海外で禁止されている薬を模倣するため、違法な遺伝子技術を使おうと部下の賀暁光(ハー・シャオグアン)に命じたのです。もちろん、真面目な賀暁光はこれが重大な犯罪行為だと反発し、杜雲成(ドゥー・ユンチョン)と決別。この恐ろしい計画を溫冉(ウェン・ラン)に打ち明けますが、彼女はまだ杜雲成(ドゥー・ユンチョン)を信じようとしてしまうんですよね…。

杜雲成の狂気は止まりません。ハンチントン病の臨床試験に応募してくれた患者たちに副作用が出てしまい、新たな被験者探しが難航しているにもかかわらず、彼は「何としてでも次の被験者を見つけてこい!」と無茶な命令を下します。成功のためなら手段を選ばない、まさに「不成功、便成仁(成功しなければ、死を選ぶだけ)」という彼の執念が恐ろしいです。

そんな中、顧雲崢(グー・ユンジョン)の叔母・蘇媛(スー・ユエン)が入所している療養院から杜雲成に連絡が入ります。病苦からスイスでの安楽死を望む蘇媛を、療養院がやむなく拘束しているというのです。蘇媛は、杜雲成なら自分を助けてくれると信じていました。その信頼を利用し、杜雲成はなんと、開発中の違法な特効薬を彼女に投与してしまうという、とんでもない行動に出ます。

救世主はまさかの「スポンサーじいさん」!?

一方、顧雲崢(グー・ユンジョン)たちの研究チームは資金難という大きな壁にぶつかっていました。彼は、母との思い出が詰まった家を売る決意をします。壁に描かれた母の絵だけは一緒に運び出す、という条件をつけて…。

この状況を知ったのが、なんと杜雲成の祖父である杜じいさん!彼は顧雲崢(グー・ユンジョン)たちの窮状を救うため、自分の古い屋敷を売却。その資金で彼らのスポンサー、言うなれば「甲方の爺爺(発注者のおじいちゃん)」となり、なんと顧雲崢の家に同居することに!

この杜じいさんが、なかなかのキャラクターなんです。甲斐甲斐しく朝食や栄養満点のスープを作ってくれるのですが、いかんせん料理の腕が…。まずくても「美味しいです!」と褒め称える顧雲崢と蘇為安(スー・ウェイアン)。それに気を良くしたじいさんはますます張り切り、結果、蘇為安(スー・ウェイアン)は栄養過多で鼻血を出す始末。コミカルなシーンですが、早く孫の顔が見たいというじいさんの愛情が伝わってきて、なんだかほっこりしますよね。

突然の別れと、残酷な真実

しかし、そんな穏やかな日常は突然引き裂かれます。蘇媛の容態が急変し、病院に緊急搬送されたのです。顧雲崢が手術の準備をするも、時すでに遅く、彼女は心停止。帰らぬ人となってしまいました。

悲しみに打ちひしがれる蘇為安(スー・ウェイアン)。顧雲崢と共に療養院へ遺品整理に行くと、戸棚から薬の袋を発見します。そして、最近、杜雲成が蘇媛を見舞いに来ていたことを知るのです。怒りに燃える蘇為安は杜雲成を問い詰めますが、彼は白を切るばかり。その態度に蘇為安は深く絶望します。

忍び寄る病魔の影

叔母の死後、蘇為安の心と身体に異変が起こり始めます。遺品整理中に、無意識に物を手から落として割ってしまうのです。母を心配させまいと「寝不足なの」とごまかしますが、彼女自身、それがハンチントン病の発症の兆候であることに気づいていました。そして、顧雲崢もまた、その可能性に薄々感づいていながら、何も言えずにいるのでした。

蘇為安は、杜雲成の会社の薬が死を招いたとネットで告発。世間は騒然となり、杜雲成は記者に囲まれます。この騒動は、顧雲崢の研究にも影響を及ぼし、臨床試験の協力者を見つけることが一層困難になってしまいました。

落ち込む蘇為安を、顧雲崢は行きつけのワンタン屋に連れて行きます。しかし、ここでも蘇為安はレンゲを滑り落としてしまう…。二人は何も言いません。ただ、これから何が起ころうとも、今この瞬間を大切にしようと、暗黙のうちに心に誓うのでした。辛い現実の中でも、互いを思いやる二人の姿が胸を打ちます。

『 癒やしの恋人~ロマンスの処方箋~』第32話の感想

今回は、希望の光と深い絶望が同時に描かれる、非常に密度の濃い回でした。研究の成功を焦るあまり、非道な手段に手を染めていく杜雲成の姿は、見ていて心が痛みました。彼の行動が、結果的に取り返しのつかない悲劇を生んでしまったことは、物語の大きな転換点と言えるでしょう。その一方で、救世主として現れた杜じいさんの存在が、唯一の癒やしでした。彼の不器用ながらも温かい愛情が、重苦しい展開の中に束の間の笑いと安らぎを与えてくれました。しかし、その穏やかさも長くは続かず、蘇媛の突然の死、そして蘇為安に現れた発症の兆候は、あまりにも残酷です。これから二人がどうなってしまうのか、見守るしかない視聴者としても、胸が締め付けられる思いです。

つづく