安景昭(アン・ジンジャオ)と桃雲(タオユン)の縁談の噂に、李初月(リー・チューユエ)の心は乱れる。景昭は初月への変わらぬ愛を誓うが、彼の父は二人との結婚を強引に進めようとする。そんな中、行方不明だった桃雲の兄・寒掌門(ハンしょうもん)が崖下で発見され、何者かに襲われたことが判明。景昭と初月は事件の真相を探るが、ある誤解から二人の心は大きくすれ違ってしまう。一方、景昭の弟・景凌(アン・ジンリン)の不穏な動きも明らかになり…。
「花渓記~君が空から舞い降りて~」あらすじネタバレ21話
安景昭(アン・ジンジャオ)の愛の誓いと、引き裂かれる二人
物語は、安景昭(アン・ジンジャオ)と寒水派の桃雲(タオユン)の縁談の噂で持ちきりのところから始まります。派の安泰のために嫁ぐことを覚悟する桃雲。その噂を耳にした李初月(リー・チューユエ)の心中は、穏やかではありません。
居ても立ってもいられず景昭のもとへ駆けつけた初月は、「桃雲さんと結婚するの?」とストレートに問い詰めます。景昭はそんな彼女を強く抱きしめ、「私が娶りたいのは君だけだ。何があっても他の誰かと結婚することはない」と、熱い想いを告げるのでした。
この言葉に、どれだけ初月は救われたことでしょう。しかし、運命は二人を試すかのように、過酷な試練を用意していました。
宴の席で、景昭の父・安成虎(アン・チョンフー)は桃雲を「本当の若奥様だ」と紹介し、結婚を既成事実化しようとします。緊迫した空気の中、景昭はなんとかこの場を収めようとしますが、状況は悪化するばかり。
崖下の救出劇と、暴かれる陰謀の序章
景昭は、行方不明になっている桃雲の兄・寒掌門(ハンしょうもん)が姿を消した崖へ向かいます。もちろん、初月も「友達のためだから」と強がりを言いながら同行。こういうところが初月の可愛いところですよね。
崖の下で二人が発見したのは、何者かに功力を吸い取られ、倒れている寒掌門でした。黒い覆面の人物に襲われたという彼の証言から、事件の裏に潜む陰謀の匂いが立ち込めます。
景昭は寒掌門を救出し、改めて「自分には心に決めた人がいる」と、桃雲との婚約を破棄してほしいと願い出ます。娘の幸せを願う寒掌門は、その申し出を受け入れるのでした。
さらに、景昭と初月は、寒掌門が毒に侵されていること、そして彼の上着に毒薬「化骨散」が隠されていたことを発見!上着に付着していた顔料を手がかりに、犯人探しが始まります。
悲しい誤解…引き裂かれた心の行方
景昭は桃雲にも直接、結婚できないことを伝えます。しかし、彼女を妹のように守ると約束し、男気を見せました。
これで一件落着…かと思いきや、物語は最悪の方向へ。
景昭は、弟の安景凌(アン・ジンリン) から渡された秘薬の影響で意識が朦朧とする中、目の前に現れた桃雲を初月と見間違え、抱きしめてしまいます。そして、その瞬間を、あろうことか初月本人が目撃してしまったのです…!
どんな説明も、今の初月の耳には届きません。深く傷ついた彼女は、ただその場を去ることしかできませんでした。
一方、初月の後を追う景凌の姿が…。彼は一体何を企んでいるのか。そして景昭も、景凌が口にした武術の秘訣と秘伝書の内容が違うことに気づき始めますが、まだ弟を疑うには至りません。
純粋な想いが、悪意によって巧みにすれ違わされていく…。このもどかしさに、胸が張り裂けそうになります。
『花渓記~君が空から舞い降りて~』第21話の感想
今回は、登場人物たちの想いが複雑に絡み合い、一筋縄ではいかない展開でした。特に印象的だったのは、安景昭(アン・ジンジャオ)の不器用ながらも一途な愛情と、それが裏目に出てしまう皮肉な運命です。彼が初月を想う気持ちは本物なのに、ほんの少しの誤解が二人を大きく引き裂いてしまう。見ているこちらも胸が締め付けられるようでした。また、弟・景凌の行動に不穏な影が見え隠れし、単なる恋愛ドラマに留まらないサスペンス要素が物語に深みを与えています。純粋な想いがすれ違い、悪意が静かに忍び寄る…この巧みな脚本には、ただただ感心させられます。
つづく