傷が癒えた霍展白(フオ・ジャンバイ)は、次の薬を求めて再び薬師谷を旅立つ。薛紫夜(シュエ・ズーイエ) は素直になれない態度で彼を送り出すが、心の中では彼の身を案じていた。一方、旅を続ける霍展白は師匠の秋水鶴(チウシュイ・ホー)と再会を果たすも、予期せぬ襲撃に遭い、師匠を庇って瀕死の重傷を負ってしまう。猛毒に侵され、意識のないまま薬師谷へと運び込まれた霍展白。彼の命の灯火が消えかかっているのを目の当たりにした薛紫夜は、持てる知識と技術のすべてを懸けて、懸命の治療に挑む。

「七夜雪(しちやせつ)」あらすじネタバレ11話

紫夜(ズーイエ)の辛い過去、摩家村の生き残りであることを知った展白(ジャンバイ)。彼女がなぜ身の上を話したがらなかったのかを理解し、心を痛めます。彼女が一人で抱えてきたものの重さを知り、これまでの快活な彼とは打って変わって、紫夜を見つめる眼差しには深いいたわりが宿っていました。その優しさが、見ているこちらの胸をキュッと締め付けますね。展白は師匠である秋水鶴(チウシュイ・ホー)に手紙を送り、摩家村の事件について何か知らないか尋ねます。

やがて展白の傷も癒え、徐沫(シュー・モー)のための次の薬を探しに、再び旅立つ時がやってきました。別れの時、紫夜はぶっきらぼうな態度をとりながらも、自作の金瘡薬をそっと手渡します。「借りを返すまで死ぬんじゃないよ」なんて、もうツンデレが炸裂!素直になれない彼女の優しさがたまらないシーンでした。

展白が去った後、彼が忘れていった酒壺を見つける紫夜。二人で酒を酌み交わした夜を思い出し、ふと笑みをこぼす姿に、彼女の中で確かに育っている想いが見えて、こちらまで温かい気持ちになりました。

しかし、物語は穏やかなだけではいられません。

旅を続ける展白は、徐沫の薬を探す道中で、ついに師匠の秋水鶴と再会を果たします。師匠は展白が必要としていた薬を届けてくれ、彼を実の子のように思っていると語ります。ですが、展白が摩家村の件を尋ねると、なぜか言葉を濁すのでした。この師匠、何か知っているのは間違いなさそうですね…。

その頃、薬師谷には秋水音(チウシュイ・イン)と徐沫が診察に訪れていました。いつもすれ違ってばかりの二人ですが、今回もまた…。

そして最悪の事態が起こります。展白と秋水鶴は、道中で元一宮の襲撃を受けてしまうのです!師匠を庇った展白は、猛毒を受けて瀕死の重傷を負ってしまいます。

時を同じくして、薬師谷で薬草を摘んでいた紫夜は、言いようのない胸騒ぎを覚えていました。その不安が的中したかのように、秋水鶴に抱えられ、血を流しながら馬上でぐったりとした展白が谷に運び込まれてきたのです。

すぐさま懸命の治療にあたる紫夜。目覚めた展白は、自分の喉が潰れて声が出せないことよりも、師匠の安否や徐沫の薬のことを気にかけるばかり。そんな彼に、紫夜は憎まれ口を叩きながらも、必死に治療を続けます。彼のために「刮痧(かっさ)」をするシーンは、二人の距離がぐっと縮まったようで、少しドキドキしてしまいましたね。

お互いを想いながらも、すれ違い、そして再び大きな試練に見舞われる二人。彼らの運命は、一体どうなってしまうのでしょうか。

『七夜雪(しちやせつ)』第11話の感想

穏やかな時間と残酷な現実が交錯し、登場人物たちの感情の機微が深く描かれた回でした。特に、展白が紫夜の過去を知ったことで見せる、静かで深い優しさが印象的です。彼の存在が、紫夜の凍てついた心を少しずつ溶かしているのが伝わってきました。しかし、ようやく心が通い始めたかと思った矢先に、展白が再び命の危機に瀕する展開には胸が痛みます。彼はいつも誰かのために傷つき、満身創痍です。そんな彼を憎まれ口を叩きながらも必死で支える紫夜の姿は、二人の絆の強さを改めて感じさせました。秋水鶴の登場が新たな謎を呼び、物語に不穏な影を落としています。彼らが心から安らげる日は来るのか、ただ静かに見守りたくなります。

つづく