薬廬に戻った霍展白(フオ・ジャンバイ)は、師である秋水鶴(チウシュイ・ホー)の言動に、長年追ってきた摩家村の事件との関連を疑い始める。一方、薛紫夜(シュエ・ズーイエ) もまた、薬廬にいるある重要人物を使い、真相を知る人物に静かな圧力をかけていた。霍展白が妹の秋水音(チウシュイ・イン)から決定的な証言を得たことで、彼の疑念は確信へと変わる。ついに薬廬で、薛紫夜は長年追い続けてきた仇と対峙する。過去の惨劇の裏に隠された、驚くべき真実が明らかになろうとしていた。物語が大きく動き出す、緊迫の第13話。
「七夜雪(しちやせつ)」あらすじネタバレ13話
霍展白(フオ・ジャンバイ)の疑念、師に向けられた刃
前回、霍展白(フオ・ジャンバイ)が薬廬に戻ってきたところから物語は始まります。師である秋水鶴(チウシュイ・ホー)の世話をするため、と薛紫夜(シュエ・ズーイエ) は取り繕いますが、霍展白(フオ・ジャンバイ)の心は晴れません。
夜、彼は意を決して師の部屋を訪ねます。昔話に花を咲かせつつ、巧みに摩家村の話題へと誘導する霍展白。しかし、秋水鶴は玉佩を失くした年を偽り、明らかに動揺した様子で彼を追い返してしまいます。この師の態度に、霍展白の疑念は確信へと変わっていくのでした。
一方、薛紫夜(シュエ・ズーイエ) は秋水鶴に揺さぶりをかけます。薬廬にいる患者が、摩家村の惨劇と毒薬「毒蟾砂」の盗難事件の目撃者だと告げたのです。「彼が犯人の顔を見れば、きっと誰だか分かるはず」――その言葉に、秋水鶴は顔面蒼白。明日にもこの場を去ると言い出す始末。もう、答えは出たようなものですよね…。
薬廬での対決!犯人の告白と薛紫夜(シュエ・ズーイエ) の正体
霍展白が妹の秋水音(チウシュイ・イン)から、兄が玉佩を失くしたのがやはり会嘉四年だったという決定的な証言を得たその夜、事件は動きます。
秋水鶴は口封じのために薬廬へ忍び込みますが、そこに立ちはだかったのは薛紫夜でした。そして、彼女の口から放たれた衝撃の言葉。
「私が、摩家村の惨劇で唯一の生き残りだ!」
これには秋水鶴も観念するしかありません。
ついに語られた真相は、あまりにも身勝手なものでした。かつて、特異な能力を持つ子供を探しに摩家村を訪れた秋水鶴一行。殺意はなかったものの、村人との間で起きたトラブルと火事をきっかけに、「名門正派」である天山派の名誉を守るため、彼は村人全員の口封じを命じたのです。
長年、罪の意識に苛まれてきたと懺悔する秋水鶴。しかし、薛紫夜が求めた「世間の前での謝罪」は、天山派の名誉を理由に断固として拒否。逆上した彼は、真実を知る薛紫夜に剣を向けます。その凶刃から彼女をかばったのは、駆けつけた霍展白でした!
裁きの行方と、交差する想い
師に斬りつけられた霍展白。その場を去ろうとした秋水鶴ですが、謎の人物「瞳」に襲われ、命を落としかけます。しかし、駆けつけた薛紫夜は、長年の仇であるにもかかわらず、医師としての使命感から彼を治療し、一命を取り留めさせるのです。この葛藤、想像するだけで胸が張り裂けそう…。
事件の顛末を知った秋水音(チウシュイ・イン)は、兄を救ってくれた薛紫夜に感謝と許しを請いますが、薛紫夜が彼を許すことはありませんでした。やがて、鼎剣閣から周行知(ジョウ・シンジー)と夏浅羽(シア・チェンユー)が到着。秋水鶴の身柄は、閣主による裁きを受けるため、連行されていくのでした。
ようやく真実を突き止めた薛紫夜。しかし、その心は晴れることなく、ただ静かに弟の墓前に佇みます。そんな彼女を案じる霍展白。二人の間には、言葉にならない想いが静かに流れているのでした。
『七夜雪(しちやせつ)』第13話の感想
今回のエピソードは、物語の核心に深く切り込む、非常に重厚な回でした。長年の謎であった摩家村の惨劇の真相が明かされましたが、それは単純な勧善懲悪では片付けられない、人間の弱さや業の深さを見せつけられるものでした。名誉のために大罪を犯し、後悔しながらもそれを隠し通そうとする秋水鶴の姿は、痛々しくも愚かです。
特に心を打たれたのは、薛紫夜の選択です。あれほど憎んでいた仇が目の前で命を落とそうとしている時、彼女は復讐者ではなく医師であることを選びました。その葛藤と苦悩は計り知れません。この決断こそが、彼女の持つ本当の強さと気高さを象徴しているように感じます。また、師と愛する人の間で板挟みになりながらも、決して正義から目を逸らさない霍展白の誠実さも際立っていました。
真実が明らかになった今、彼らがこの重い現実をどう受け止め、未来へ向かっていくのか。物語は新たな局面を迎え、登場人物たちの心の機微から、ますます目が離せなくなりました。
つづく