自らの罪を償うことを決意した秋水鶴(チウシュイ・ホー)は、鼎剣閣の裁きを受けるため薬師谷を去る。彼の師弟愛と侠義心の間で苦しんだ霍展白(フオ・ジャンバイ)もまた、友の子を救うための薬探しを続けるべく、薛紫夜(シュエ・ズーイエ) に見送られて旅に出る。薛紫夜は、彼の身を案じながらも、その背中を押すしかなかった。一方、霍展白と薛紫夜を取り巻く邪悪な組織が、彼らの秘密に迫りつつあった。旅の途中、険しい雪山を越えようとする霍展白を、予期せぬ自然の猛威が襲う。二人の運命が、再び大きく揺れ動くエピソード。

「七夜雪(しちやせつ)」あらすじネタバレ14話

いやあ、今回の『七夜雪』は、登場人物それぞれの覚悟と、運命の非情さが胸に迫る回でしたね。静かな別れと、嵐のような災難が一度に押し寄せてきて、見ているこちらの感情も大忙しでした。

物語は、薛紫夜(シュエ・ズーイエ) に命を救われた秋水鶴(チウシュイ・ホー)の決意から始まります。彼は自らの罪深さを知り、これ以上薛紫夜(シュエ・ズーイエ) の恩に甘えることはできないと、摩家村で犯した罪を世に公表し、鼎剣閣の裁きを受けることを選びます。薬師谷を去る前、彼は後山に作られた摩家村の犠牲者たちの墓を訪れ、静かに頭を垂れて罪を認め、許しを請うのでした。その姿は、悪人という一面だけでは語れない、彼の複雑な人間性を物語っていました。

薬師谷の門前で、師匠である秋水鶴を正義のために引き渡すという苦渋の決断をした霍展白(フオ・ジャンバイ)に対し、秋水鶴は彼を責めるどころか、それでこそ侠客だと励まします。この師弟の別れ、短いやり取りでしたが、二人の間にある深い絆が感じられてグッときましたね。

師匠を見送った霍展白(フオ・ジャンバイ)もまた、薬探しの旅を再開します。そんな彼に、薛紫夜(シュエ・ズーイエ) は「患者さんから治療費の代わりに頂いたの」と嘘をついて、大切にしていた名馬を贈ります。もちろん、霍展白(フオ・ジャンバイ)はそれが西域の名馬であり、彼女の心遣いであることを見抜いていますが、何も言わずに受け取ります。さらに、孟兄貴への薬と、楚儿の子供のための平安鎖も託されるのでした。言葉は少なくとも、お互いを深く思いやっている二人の関係性が、こういう細やかなシーンで丁寧に描かれるのが、このドラマの魅力ですよね。

しかし、穏やかな時間は長くは続きません。

場面は変わり、瞳(トン)が所属する謎の組織へ。任務に失敗した瞳が罰を受ける一方、幹部の長無絶(チャン・ウージュエ)と妙水(ミアオシュイ)の会話から、とんでもない事実が明らかになります。なんと、彼らは摩家村の虐殺に一枚噛んでおり、秋水鶴が罪を被ってくれたことを「手間が省けた」と喜んでいたのです。さらに、妙水(ミアオシュイ)は摩家村に生存者がいること、それが薛紫夜であることを突き止めていました。そして、かつて薛紫夜と雪懐(シュエホワイ)を追い詰めたのが、妙風(ミアオフォン)であったことも示唆されます。薛紫夜に、静かに、しかし確実に魔の手が迫っていることが分かり、背筋が凍る思いでした。

その頃、薬師谷を訪れた李大爺との何気ない会話から、霍展白が向かった青嶺で雪崩が起きたことを知った薛紫夜は、思わず動揺します。

彼女の不安は的中していました。霍展白は青嶺で雪崩に巻き込まれてしまいます。彼を雪の中から救い出したのは、薛紫夜が贈ったあの名馬でした。しかし、息つく間もなく二度目の雪崩が襲い掛かります。必死で薬の入った袋を掴み、馬に飛び乗った霍展白でしたが、強烈な雪の反射にやられ、突然視界が真っ白に…! 彼は目が見えない絶望の中で、最後の気力を振り絞り、馬に「薬師谷へ戻れ!」と命じるのでした。

薛紫夜が谷の前で彼の帰りを待ちわびる日々。ある朝、露を集めていると、あの名馬が、意識を失った霍展白を乗せて必死の形相で駆け込んできます。

薛紫夜の懸命な治療の末、霍展白は意識を取り戻しますが、目が見えないことにパニックに陥ります。薛紫夜は、それは一時的な雪盲症であり、治ると彼を落ち着かせますが、彼女自身の心は罪悪感で張り裂けそうでした。自分が薬方を教えたせいで、彼をこんなにも危険な目に遭わせてしまったのではないか、と。

霍展白の目が回復するには、三ヶ月かかるとのこと。その間、薛紫夜が毎日彼のそばで治療を続けることになります。皮肉な運命によって、図らずも共に過ごすことになった二人。この療養期間が、彼らの関係に何をもたらすのか。新たな嵐の前の、束の間の静けさとなるのでしょうか。

『七夜雪(しちやせつ)』第14話の感想

今回は、物語が静と動の両面で大きく進展する、非常に見応えのあるエピソードでした。前半は、秋水鶴の贖罪と退場、そして霍展白と薛紫夜の言葉少なな別れが、しっとりとした情感で描かれます。特に、高価な馬を「もらいもの」と偽って渡す薛紫夜と、その嘘に気づきながらも優しく受け取る霍展白のやり取りは、二人の不器用ながらも深い信頼関係を象徴しており、心に残る名場面でした。

しかし、その穏やかな雰囲気を切り裂くように、後半では霍展白を襲う雪崩のスペクタクルと、彼の失明という衝撃的な展開が待ち受けています。さらに、敵対組織が薛紫夜の正体に気づき、新たな脅威が迫るというサスペンス要素も加わり、物語の緊張感は一気に高まりました。

正義と師弟愛の狭間で苦しんだ霍展白が、今度は肉体的な苦境に立たされる。そして、彼を救いたい一心で、結果的に彼を傷つけてしまったと苦悩する薛紫夜。登場人物たちの感情の機微が丁寧に描かれており、物語に一層の深みを与えています。運命に翻弄されながらも、懸命に生きる彼らの姿から目が離せません。

つづく