長年の心の重荷から解放され、穏やかな時間を取り戻し始めた薬師谷の主・薛紫夜(シュエ・ズーイエ) 。一方、霍展白(フオ・ジャンバイ)は友の子を救うための最後の妙薬「龍血珠」を求め、新たな旅に出る。旅の途中で旧知の人々と再会し、束の間の安らぎを得る展白だったが、その裏では謎の暗殺組織・元一宮が新たな動きを見せていた。非情な選別の末に現れた仮面の男の正体が、物語を衝撃の渦へと巻き込んでいく。

「七夜雪(しちやせつ)」あらすじネタバレ18話

今回は、登場人物たちの心が大きく動き、そして物語の裏でうごめく巨大な陰謀の一端が明らかになる、見逃せない回でしたね。静かな決意と、嵐の前の静けさが交錯するような展開に、思わず引き込まれてしまいました。

物語は、薛紫夜(シュエ・ズーイエ) が大切にしていた枯れ枝が、侍女の小橙(シャオチェン)の不注意で壊れてしまうところから始まります。うろたえる小橙を、紫夜はただ「大丈夫」とだけ言って許し、一人氷の上で壊れた枝を手に静かに夜を明かすのでした。その姿を見かねた寧婆婆(ニンばあや)は、紫夜に師匠である廖谷主(リャオこくしゅ)の真意を語ります。師匠が救いたかったのは、亡き雪懐(シュエホワイ)ではなく、彼の死によって心が枯れ木のようになってしまった紫夜自身だったのです。師匠の深い愛情に気づいた紫夜は、長年の執着からついに解き放たれ、前を向く決意を固めます。

時を同じくして、霍展白(フオ・ジャンバイ)が別れの挨拶に訪れます。彼は、秋水音(チウシュイ・イン)の息子・徐沫(シュー・モー)を救うための最後の薬「龍血珠」を探す旅に出るのです。二人は酒を酌み交わし、多くを語らずとも互いの道を案じ、しばしの別れを告げます。展白が去った後、彼から贈られた苗木が届き、紫夜はそれを大切に鉢に植え、慈しむように水をやりました。彼女の中で、何かが確実に変わり始めています。

一方、展白は旅の途中で旧友の孟大哥(モン兄貴)や、秋水音と徐沫親子を訪ねます。市場で三人が歩く姿は、まるで本当の家族のように見え、展白の心に温かい光を灯しますが、彼は鼎剣閣の弟子としての責任を果たすため、定住を促す秋水音の申し出を断ります。その町で出会った旅の医者、彼女こそが変装した廖谷主でした。彼女は徐沫の命が長くないことを見抜きますが、何も言わず、ただ静かに展白たちを見守るのでした。

その裏では、謎多き暗殺組織・元一宮が不穏な動きを見せていました。教主・長無絶(チャン・ウージュエ)は、「五明子」の入れ替えを宣言し、江湖に新たな血の雨を降らせようと画策します。任務に失敗した妙火(ミアオフォ)や、淘汰される妙空(ミアオコン)。そして、妙空に代わりその座を勝ち取った仮面の男…。長無絶(チャン・ウージュエ)がその仮面を剥がさせると、現れたのはなんと、死んだはずの鼎剣閣六番弟子、徐重華(シュー・チョンホワ)の顔でした!この衝撃のラストは、物語が新たな局面に入ったことを強く予感させます。

『七夜雪(しちやせつ)』第18話の感想

今回のエピソードは、静と動の対比が非常に巧みに描かれていました。前半の薛紫夜(シュエ・ズーイエ) が過去を乗り越え、心の氷を溶かしていく過程は、見ているこちらの心にも温かいものがじんわりと広がりました。霍展白(フオ・ジャンバイ)との別れのシーンも、多くを語らないからこそ、二人の間に流れる深い信頼と絆が感じられ、切なくも美しい名場面だったと思います。一方で、元一宮で繰り広げられる非情な生存競争と、最後に明かされた徐重華の存在は、物語に一気に緊張感をもたらしました。登場人物それぞれが背負う運命や想いが複雑に絡み合い、物語の奥行きを一層深めています。平穏な日常のすぐそばで、巨大な陰謀が渦巻いていることを感じさせ、今後の展開から目が離せません。

つづく