霍展白(フオ・ジャンバイ)と薛紫夜(シュエ・ズーイエ) の間に穏やかな時間が流れるが、それも束の間、謎の患者・瞳(トン)の治療を巡って新たな波乱が巻き起こる。瞳(トン)の記憶が少しずつ戻る中で、彼の危険な過去と正体が明らかになり、谷に緊張が走る。紫夜は彼を救うためにある重大な秘密を抱え、一人で困難に立ち向かおうとする。その姿を知った霍展白(フオ・ジャンバイ)は、自身の信念と彼女への想いの間で激しく葛藤することになる。それぞれの正義と愛情が交錯する、緊迫の物語が展開される。
「七夜雪(しちやせつ)」あらすじネタバレ21話
いやあ、今回の『七夜雪』もすごかったですね!霍展白(フオ・ジャンバイ)と薛紫夜(シュエ・ズーイエ) の間にほんのり甘い空気が流れたかと思いきや、そんな時間は一瞬で吹き飛んでしまいました。謎の患者・瞳(トン)を巡って、物語は一気に緊迫の度合いを増していきます!
束の間の平穏、そしてツンデレな紫夜
前回のラスト、霍展白(フオ・ジャンバイ)が自分のマントで紫夜を優しく包み込み、抱きしめるシーンから始まった第21話。このまま時が止まればいいのに…なんて思ってしまいますよね。
翌朝、侍女たちが紫夜の様子を見に来ると、なんと霍展白(フオ・ジャンバイ)の腕の中で猫のように静かに眠る紫夜の姿が!まるで一枚の絵画のような美しい光景に、侍女たちも思わず息をのみます。目を覚ました紫夜も、自分が霍展白の腕の中にいることに気づきますが、怒るどころか、ふっと口元を緩めるんです。これはもう、完全に心を開いてますよね!?
…と思いきや!霍展白が目を覚ました瞬間、紫夜は彼を思いっきり突き飛ばします(笑)。昨夜の素直さはどこへやら、いつものツンとした態度に逆戻り。このツンデレっぷりが彼女の魅力ですが、霍展白としてはたまったもんじゃないでしょうね。
瞳の覚醒と暴走、そして紫夜の覚悟
そんな二人の甘い(?)やり取りをよそに、谷では一大事が起きていました。瞳が意識を取り戻したものの、記憶が混乱しており、ひどい頭痛を訴えていたのです。
急いで駆けつけた紫夜は、瞳の記憶を呼び覚まそうと、彼が持っていたはずの銀鈴のかんざしを見せます。それは、彼が弟の「明介(ミンジエ)」であり、摩家村での記憶を思い出してほしいという紫夜の願いの表れでした。しかし、その行動が裏目に出てしまいます。瞳は突然、獣のように暴走し、紫夜の首を締め上げたのです!彼の瞳は常人とは違う力を宿していましたが、紫夜は全く怯むことなく、まっすぐに彼を見つめ返します。その気迫に押されたのか、瞳は再び意識を失ってしまいました。
明かされる真実「彼は、私の弟なの」
霍展白は、紫夜が何かを隠していることに薄々気づいていました。谷に新しい患者がいるらしいが、自分には絶対に知らせるなと厳命されている…。気になった霍展白は、ついにその患者の正体を知ってしまいます。瞳が使っていた剣を見て、彼が元一宮(げんいつきゅう)の刺客であることを見抜いたのです!
時を同じくして、意識を取り戻した瞳は、摩家村での辛い記憶を思い出していました。自分の特異な能力で誤って人を殺してしまい、祖父に命じられて暗い小屋に閉じ込められた過去…。その絶望から、彼は紫夜に龍血珠を渡すよう迫ります。
まさに紫夜が襲われようとしたその時、霍展白が駆けつけ、彼女を救います。元一宮の刺客である瞳に剣を向ける霍展白。しかし、次の瞬間、誰もが予想しなかった行動に紫夜は出ます。彼女は霍展白の前に立ちはだかり、その身で瞳をかばったのです。
「やめて!この子は…私の弟、明介なの!」
衝撃の告白でした。瞳は、かつて紫夜が守れなかった最愛の弟だったのです。
すれ違う正義と愛情、そして紫夜の決意
紫夜は、瞳の脳に打ち込まれた三本の金針が彼を操っていると信じ、それさえ抜けば弟は元に戻ると霍展白に打ち明けます。しかし、三本目の金針は脳の深くにあり、抜くのは極めて困難。唯一の方法は、誰かが強大な内力で瞳の経脈を開き、針を押し出す手助けをすること。それができるのは、霍展白しかいません。
しかし、霍展白は鼎剣閣(ていけんかく)の主として、多くの命を奪ってきた刺客を助けるわけにはいかないと葛藤します。彼の正義と、紫夜への想いが激しくぶつかり合います。
自分のせいで霍展白を苦しませたくない紫夜は、別の方法を探すため、蔵書閣に何日も閉じこもってしまいます。そして、心労と無理がたたり、ついに倒れてしまうのでした。
紫夜が倒れたと聞いた霍展白は、迷いを振り払うように彼女の元へ駆けつけ、自分の内功を注ぎ込んで彼女を治療します。病に伏せながらも、なお医書を手放さず弟を救う方法を探し続ける紫夜の姿に、彼は何を思ったのでしょうか。物語は、重い決断の時が迫っていることを予感させて幕を閉じました。
『七夜雪(しちやせつ)』第21話の感想
今回は、登場人物それぞれの心が深くえぐられるような、非常に見ごたえのある回でした。霍展白と薛紫夜(シュエ・ズーイエ) の関係が一歩近づいたかと思えば、瞳という存在が二人の間に大きな壁となって立ちはだかります。医者として、そして姉として、弟を救いたい一心で無謀な道を進もうとする紫夜の姿は痛々しくも、その愛情の深さに胸を打たれました。一方で、鼎剣閣の主としての正義と、愛する女性の願いとの間で板挟みになる霍展白の葛藤も、ひしひしと伝わってきます。単純な善悪では割り切れない、それぞれの立場や過去が複雑に絡み合い、物語に一層の深みを与えています。登場人物たちの感情の機微が丁寧に描かれており、どのキャラクターにも感情移入してしまう、そんな濃密な一話でした。
つづく