いやあ、今回の『七夜雪』第27話は、息をするのも忘れるくらい見入ってしまいましたね…。物語が大きく、そして残酷に動きました。特に、瞳(トン)を巡る運命の歯車が、これでもかというほど無慈悲に回り始めて、見ているこちらの胸が張り裂けそうでした。

それでは、早速今回のあらすじとネタバレを見ていきましょう。

崩れ落ちる計画、冷酷な裏切り

物語は、妙風(ミアオフォン)の不在を好機と見た瞳、妙火(ミアオフォ)、妙水(ミアオシュイ)が、ついに長無絶(チャン・ウージュエ)の暗殺計画を実行するところから始まります。切り札である「龍血珠」を手に、彼らは長年の悲願を達成できると信じていました。

しかし、この計画には大きな落とし穴が…。妙水(ミアオシュイ)が直前で長無絶(チャン・ウージュエ)の恐るべき秘密に気づくのですが、時すでに遅し。瞳は計画通り、大殿で長無絶(チャン・ウージュエ)に襲いかかります。

その頃、外で陽動を行っていた妙火の前に現れたのは、なんと味方であるはずの妙水(ミアオシュイ)でした。彼女は「自分のための道を作る」と冷たく言い放ち、なんと妙火をその手にかけてしまいます。信じられない裏切りですよね…。

一方、大殿で激しい戦いを繰り広げる瞳は、瞳術で相手の動きを封じ、ついに龍血珠でとどめを刺します。しかし、その瞬間に悟るのです。目の前の男は、偽物だったと。そして、本物の長無絶が悠然と姿を現します。妙水の裏切りにより、瞳は完全に孤立し、絶体絶命の窮地に陥ってしまいました。

絶望の淵で明かされる過去の真実

長無絶は、捕らえた瞳に「噬魂散」という毒を盛ります。その毒の影響か、瞳は失っていた記憶を取り戻し始めます。そして長無絶は、残酷な真実を告げるのです。

かつて、薛紫夜(シュエ・ズーイエ) たちは決して瞳を見捨てたわけではなかったこと。彼を助けに戻ろうとしたところを、妙風(ミアオフォン)に追われ、妨害されていたこと…。

真実を知った瞳は、自分がどれほど愚かだったかを悟り、血の涙を流しながら絶叫します。彼の両目は光を失い、もはや見えることはありません。長無絶はそんな彼を殺さず、「自分の犬として飼う」と言い放ち、獒犬(ごうけん)と共に閉じ込めてしまうのでした。あまりにも惨い結末です。

その後、妙水が瞳のもとを訪れます。彼女は偽の長無絶の存在に気づいていたものの、自分を危険に晒すことを避けたと平然と語り、蔵兵閣への秘密の道を教えるよう迫るのでした。彼女の底知れない野心には、ただただ戦慄するばかりです。

それぞれの道へ

その頃、霍展白(フオ・ジャンバイ)は、息子の死という深い悲しみを乗り越えようとする秋水音(チウシュイ・イン)に寄り添っていました。廖谷主(リャオこくしゅ)の助けもあり、少しずつ元気を取り戻した秋水音(チウシュイ・イン)は、霍展白(フオ・ジャンバイ)に「あなたはあなたの為に生きて」と語りかけます。そして、「薛紫夜(シュエ・ズーイエ) は素晴らしい女性。あなたたちはとてもお似合いよ」と、彼の背中を優しく押すのでした。

また、薛紫夜(シュエ・ズーイエ) は妙風(ミアオフォン)の異変に気づきます。彼の内息は乱れ、以前とは明らかに様子が違いました。妙風は、自分が「雅弥(ヤーミー)」と呼ばれていた頃の悲しい過去…馬賊に姉を奪われた話をぽつりぽつりと語ります。薛紫夜は医者として彼を救おうとしますが、妙風は「後悔しないか」と問いかけるのでした。二人の間にも、何か新しい関係性が生まれようとしているのかもしれません。

『七夜雪(しちやせつ)』第27話の感想

今回のエピソードは、登場人物たちの思惑が複雑に絡み合い、物語が一気に悲劇的な深みを増した回でした。特に、瞳の運命はあまりにも過酷です。信じていた仲間からの裏切り、そして敬愛する薛紫夜を誤解していたという残酷な真実。すべてを知った彼の絶望を思うと、言葉を失います。光を失った瞳が、自分を嘲笑う場面は、本作屈指の心をえぐるシーンではないでしょうか。

一方で、妙水の冷徹な野心には底知れぬ恐ろしさを感じました。彼女の行動が、今後の物語にどのような嵐を巻き起こすのか、目が離せません。

悲劇の連鎖の中、秋水音が悲しみを乗り越え、霍展白(フオ・ジャンバイ)を薛紫夜のもとへと送り出す場面には、切なさの中に確かな希望が描かれていました。それぞれのキャラクターが大きな転換点を迎え、物語の結末に向けて大きく舵を切った、非常に見応えのある内容でした。

つづく