天下泰平の大義のため、霍展白(フオ・ジャンバイ)はかつての仲間「七剣」を再集結させるべく奔走を始めます。旧友との再会を経て、邪悪の根源である元一宮討伐への決意を新たにするのでした。一方、薬師としての使命を果たすため、薛紫夜(シュエ・ズーイエ) は危険な元一宮へと足を踏み入れます。しかし、そこで彼女を待ち受けていたのは、冷酷な支配者と、心を激しく揺さぶる衝撃的な再会でした。さらに、彼女が知ることになる新たな真実は、登場人物たちの関係を根底から覆し、物語を予測不能な方向へと導いていきます。

「七夜雪(しちやせつ)」あらすじネタバレ28話

今回の第28話は、物語が大きく動きましたね!霍展白(フオ・ジャンバイ)サイドの「正義」と、薛紫夜(シュエ・ズーイエ) サイドの「宿命」がそれぞれ加速し、息もつかせぬ展開でした。早速、詳しく見ていきましょう!

七剣集結へ!霍展白(フオ・ジャンバイ)、大義のために走る

物語は、霍展白(フオ・ジャンバイ)が廖谷主(リャオこくしゅ)の言葉を受け、動き出すところから始まります。秋水音(チウシュイ・イン)の回復を待ち、彼女が元気になれば自分は去ると告げる廖谷主(リャオこくしゅ)。その言葉に背中を押された霍展白は、鼎剣閣の閣主のもとへ。

閣主は霍展白を称賛し、今こそ元一宮を討つ絶好の機会だと告げます。なんと、元一宮の内通者から、瞳(トン)の反乱が失敗したという情報と、元一宮の詳細な地図がもたらされたのです!「情報源は鼎剣閣に来ればわかる」という謎めいた言葉を残す閣主。

「七剣」を三日で集結させるという使命を帯びた霍展白は、まず揚州にいる衛風行(ウェイ・フォンシン)のもとへ馬を走らせます。天下泰平という大義のため、彼の熱い戦いが再び始まろうとしていました。

悪夢の元一宮、薛紫夜(シュエ・ズーイエ) を待つ過酷な運命

一方、薬師としての使命を胸に、薛紫夜(シュエ・ズーイエ) は妙風(ミアオフォン)に連れられ、ついに元一宮の地を踏みます。しかし、その道中からすでに不穏な空気が漂っていました。重傷を負いながらも自分の治療を拒む妙風(ミアオフォン)。それどころか、ただの馬車の御者を何の躊躇もなく手にかけてしまうのです。命を救うことの重さを誰よりも知る薛紫夜は、その光景に心を痛めます。

元一宮で彼女を待っていたのは、想像を絶する光景でした。玉座に座る主・長無絶(チャン・ウージュエ)。そして、その足元には…鎖に繋がれ、獣のように扱われる一人の男。その男こそ、反乱に失敗した彼女の弟、瞳(トン)だったのです!

長無絶(チャン・ウージュエ)は、薛紫夜の動揺を見透かすかのように、瞳がまだ治療可能か見ろと命じます。「助けるな、彼は悪魔だ!」と叫ぶ瞳。長無絶(チャン・ウージュエ)はせせら笑い、薛紫夜の目の前で容赦なく瞳を打ちのめします。平静を装いながらも、薛紫夜の握りしめた拳は、怒りと絶望に震えていました。

さらに長無絶は、「七日後に瞳は毒で死ぬ。お前を殺し、あの世で姉弟を再会させてやろう」と冷酷に言い放ちます。妙風(ミアオフォン)が必死に命乞いをしますが、長無絶は彼をも打ち据える始末。表向きは薛紫夜の命を助けると約束したものの、その瞳の奥にはどす黒い殺意が渦巻いていました。

明かされる衝撃の過去、信じるべきは誰か

霍展白は揚州で衛風行(ウェイ・フォンシン)と再会。一度は家庭を理由に協力を拒んだ衛風行でしたが、霍展白の「大義なくして小家なし」という魂の叫びに心を動かされ、ついに七剣の一人として立つことを決意します。こうして、元一宮討伐の力は結集しました。

その頃、薛紫夜は囚われた瞳の居場所を探ろうと、深夜に部屋を抜け出そうとします。しかし、それを妙水(ミアオシュイ)に止められます。彼女は協力する素振りを見せながら、薛紫夜に恐ろしい真実を告げました。

「摩家村を皆殺しにしたのは長無絶の命令よ」

そして、さらに衝撃的な一言が。

「昔、あなたと弟の雪懐(シュエホワイ)を追い詰めたのは、妙風なのよ。今、命がけであなたを守っているなんて、滑稽だわ」

信じていた(?)人物の裏切り。かつて自分と弟を死の淵に追いやった男が、今は自分の守護者となっている。この残酷すぎる事実に、薛紫夜は言葉を失い、どうすればいいのか分からなくなってしまうのでした。

『七夜雪(しちやせつ)』第28話の感想

今回は、登場人物たちの過去と現在が複雑に絡み合い、それぞれの正義や覚悟が試される、非常に見ごたえのある回でした。特に、薛紫夜が直面する運命の過酷さには胸が締め付けられます。弟との悲痛な再会、そして信じていたかもしれない妙風の衝撃的な過去。彼女の心が壊れてしまわないか、見ているこちらが不安になるほどです。

一方で、霍展白たちが「七剣」として再集結していく様子は、王道の英雄譚として胸が熱くなります。しかし、その「正義」の物語と対比されることで、薛紫夜の孤独と絶望が一層際立ち、物語に深い奥行きを与えています。単純な善悪では割り切れない、各キャラクターの人間的な葛藤が巧みに描かれており、脚本の妙を感じずにはいられません。光と影、正義と宿命が交錯する中で、彼らがどのような選択をし、どんな未来を紡いでいくのか、静かに見届けたいと思います。

つづく