雪懐(シュエホワイ)の死の真相を知り、悲しみにくれる薛紫夜(シュエ・ズーイエ) 。一方、刺客組織・元一宮では、教主・長無絶(チャン・ウージュエ)に対する陰謀が渦巻き、新たな火種が生まれようとしていた。そんな中、紫夜は囚われの身となっている弟・瞳(トン)と悲痛な再会を果たす。彼の危機的状況を目の当たりにした紫夜は、彼を救うため、そして自らの運命に立ち向かうため、命を懸けた大きな決断を下すことになる。それぞれの思惑が交錯し、物語はさらに緊迫した局面を迎える。

「七夜雪(しちやせつ)」あらすじネタバレ29話

トンも、ドラマの世界にどっぷり浸かっているブロガーです!『七夜雪』第29話、息もできないほどの展開でしたね…。今回は、薛紫夜(シュエ・ズーイエ) の悲しくも美しい決意が胸に突き刺さる、あまりにも切ないエピソードでした。さっそく、涙なしには語れない第29話の世界へご案内します。

雪懐の死の真相と、紫夜の怒り

物語は、紫夜が愛する弟分・雪懐(シュエホワイ)の死の真相を知ってしまう、衝撃的な場面から始まります。彼女は怒りと悲しみに震えながら妙風(ミアオフォン)を問い詰めます。妙風(ミアオフォン)は、元一宮の教主・長無絶(チャン・ウージュエ)の瞳術のため、秋水鶴(チウシュイ・ホー)を罠にはめ、村を焼き払ったこと、そしてその混乱の中、雪懐が紫夜を庇って命を落としたことをずっと知っていたのです…。

腕に傷を負いながらも、なお長無絶(チャン・ウージュエ)を庇い続ける妙風(ミアオフォン)。その揺るぎない忠誠心は、紫夜にとって理解しがたいものでした。それでも彼の手当てをする紫夜の優しさが、逆に痛々しい…。妙風は、長無絶(チャン・ウージュエ)の治療に協力すれば、紫夜の身の安全は保証すると約束しますが、彼女の心は晴れません。

元一宮に渦巻く陰謀と、囚われの瞳

その頃、元一宮では新たな陰謀が渦巻いていました。妙水(ミアオシュイ)は、長無絶への憎しみから、彼の暗殺を計画。そのために、囚われている瞳(トン)を利用しようと画策します。彼女は瞳に「姉の紫夜が殺された」と嘘を吹き込み、彼の怒りを煽るのでした。

一方、妙火(ミアオフォ)に連れられ、紫夜はある場所へ向かいます。その途中、彼女は衝撃的な光景を目にします。かつて霍展白(フオ・ジャンバイ)に託した、友人の子への形見であるはずの平安鎖が、一匹の獒犬(大型犬)の首にかかっていたのです。長無絶が功力を高めるために赤ん坊を犠牲にし、その子はすでにこの世にいない…。残酷すぎる事実に、紫夜は言葉を失います。

そして、ついに紫夜は牢に囚われた瞳と再会します。しかし、そこにいたのは、かつての明るい弟・明介(ミンジエ)の面影もない、やつれ果てた姿の瞳でした。彼は致死の毒「噬魂散」に侵され、自らを「もう死んだ人間だ」と卑下し、紫夜を巻き込むまいと必死に彼女を遠ざけようとします。「姉さんを巻き込みたくない!早く山を降りてくれ!」と叫ぶ瞳の姿は、見る者の胸を締め付けます。

命を懸けた救出劇、紫夜の自己犠牲

弟の無残な姿を前に、紫夜は決意を固めます。彼女は妙火と取引をし、長無絶殺害の計画に協力する代わりに、瞳の牢の鍵を手に入れるのです。「あの子を犬のように鎖に繋いだままにはさせない」――その瞳には、静かで、しかし燃えるような覚悟が宿っていました。

鍵を手に入れた紫夜は、すぐに瞳の元へ戻ります。そして、解毒薬がないとされる「噬魂散」の毒を、自らの体を器として吸い出すという、あまりにも危険な治療を始めるのです。おびただしい血を吐きながらも、彼女は瞳を安心させようと穏やかに微笑みかけます。「私は寒疾の身だから、毒は侵入しにくい。大丈夫」と。

彼女は、動けない瞳に「明日、目が見えるようになったら、すぐにここを去るのよ」と言い聞かせ、薬を飲ませて優しく眠らせます。

「私にとって、あなたは世界でたった一人の家族なの。あなたが壊されることだけは、絶対に許さない。あなたは、ずっと私の可愛い明介よ」

そう言い残し、彼女は瞳の元を去るのでした…。

その頃、宿で一人夜を過ごす霍展白(フオ・ジャンバイ)は、紫夜が約束の梅の木の下で自分を待っているのではないかと思いを馳せていました。二人の心が、あまりにも切なくすれ違っていきます。

『七夜雪(しちやせつ)』第29話の感想

今回のエピソードは、薛紫夜(シュエ・ズーイエ) の深い愛情と、あまりにも大きな自己犠牲の精神に心を揺さぶられました。彼女が瞳を「世界でたった一人の家族」と呼び、自らの命を懸けて救おうとする姿は、悲しくも気高く、涙が止まりませんでした。特に、解毒のために吐血しながらも瞳を安心させようと微笑む場面は、彼女の内に秘めた強さと優しさが凝縮されており、本作屈指の名シーンだと感じます。登場人物それぞれが背負う宿命や思惑が複雑に絡み合い、物語に一層の深みを与えています。紫夜のこの決断が、これからどのような運命を呼び寄せるのか。彼女の選択が報われることを、ただただ願わずにはいられません。

つづく