故郷を滅ぼした犯人を追う薬師谷の主・薛紫夜(シュエ・ズーイエ) は、容疑者と見ていた侍月派の掌門・阿菁(アージン)と対峙する。策略と疑念が渦巻く中、二人は互いの秘められた過去を知り、意外な絆で結ばれていく。一方、紫夜に頼まれた薬草を求め、霍展白(フオ・ジャンバイ)は死闘を繰り広げていた。やがて三人の運命が薬王谷で交錯する時、誤解から新たな危機が訪れる。それぞれの正義と想いがぶつかり合う、緊迫の物語が展開する。

「七夜雪(しちやせつ)」あらすじネタバレ5話

疑いから生まれた絆、女たちの過去

物語は、紫夜が摩家村虐殺の真相を探るため、阿菁(アージン)に揺さぶりをかける緊迫のシーンから始まります。迷魂香を使って真相を聞き出そうとする紫夜ですが、さすがは一派の長、阿菁(アージン)はとっくにお見通し。逆に薬王谷を制圧されてしまい、紫夜は絶体絶命のピンチに!

しかし、紫夜は死を覚悟の上で、ただ真相が知りたいと訴えます。その執念に心を動かされたのか、阿菁は「侍月派は摩家村を狙っていたが、手を下す前に村は滅んでいた」と告白。なんと、犯人じゃなかったんですね!

一度は谷を去ろうとした阿菁ですが、紫夜の純粋な想いに打たれて戻ってきます。そして、紫夜が自分に飲ませたと思っていた毒が、実は体を気遣う補薬だったと知るのです。ここで二人の心の壁は一気に崩れ去りました。

紫夜は、自分を本当の娘のように育ててくれた雪懐(シュエホワイ)の両親がいた摩家村での思い出、そして雪懐と共に氷の川に落ち、彼を失った悲しい過去を打ち明けます。一方の阿菁も、聖女として孤独に生きてきた中で、唯一愛した人を殺されたという壮絶な過去を持っていました。同じ痛みを分かち合う二人は、ここで義姉妹の契りを交わすのです。敵同士だった二人が、互いの傷を舐め合うように心を通わせるシーンは、思わず胸が熱くなりました。

霍展白(フオ・ジャンバイ)、命がけの「誠意」

その頃、霍展白(フオ・ジャンバイ)は瞳(トウ)と七葉明芝を巡って死闘を繰り広げていました。なんとか霊芝を手に入れ薬王谷へたどり着きますが、そこで阿菁と鉢合わせ!阿菁は、侍月派の聖物である霊芝がここにあるのを見て、紫夜が自分を陥れるための罠だったと誤解してしまいます。

この絶体絶命の状況を打開するため、展白が取った行動がすごい!阿菁が「一杯は猛毒、もう一杯はただの酒。どちらかを飲め」と差し出した二つの杯を、なんと両方とも一気に飲み干してしまうのです!「霊芝を求めたのは俺の意思。紫夜は関係ない」と言い切る姿は、まさに男前!

実は杯に毒など入っておらず、阿菁のハッタリだったのですが、展白はすでに侍月派の縄張りで別の毒に侵されていました。無理がたたって倒れてしまった展白を、今度は紫夜が必死に治療します。展白のまっすぐな行動は、阿菁の心にも響いたようで、彼女は彼の男気を認め、霊芝を置いていくのでした。

しかし、展白が命がけで手に入れたこの霊芝、そもそも彼を奮い立たせるための「希望の処方箋」だった可能性が示唆されます。彼の純粋な想いを思うと、少し切なくなりますね。

そしてラスト、紫夜が時々碁を打っている謎の相手が、なんと妙風(ミアオフォン)だったことが判明!今後の展開にどう絡んでくるのか、目が離せません。

『七夜雪(しちやせつ)』第5話の感想

今回のエピソードは、登場人物たちの「覚悟」が胸を打つ回でした。特に印象的だったのは、薛紫夜(シュエ・ズーイエ) と阿菁という二人の女性が見せた強さと脆さです。疑いと策略で始まった関係が、互いの壮絶な過去を共有することで、固い絆で結ばれた義姉妹へと昇華する過程は、非常に見応えがありました。また、霍展白(フオ・ジャンバイ)の行動は、彼の不器用ながらも揺るぎない誠実さを見事に体現していました。紫夜のため、そして己の信義のために、毒杯を迷わず呷る姿には、彼の持つ純粋な侠気が凝縮されています。物語の根底にある「真実」と「偽り」が複雑に絡み合い、それぞれのキャラクターを突き動かしていく様は、重厚な人間ドラマの深みを感じさせます。単純な善悪では割り切れない、人の心の機微が丁寧に描かれており、物語の世界にさらに引き込まれました。

つづく