薬師谷での治療を終えた霍展白(フオ・ジャンバイ)は、谷の主・薛紫夜(シュエ・ズーイエ) と治療費をめぐってユーモラスな攻防を繰り広げる。二人の距離が少しずつ縮まったかのように見えたが、ある人物の一言がきっかけで、霍展白は薛紫夜に対して大きな誤解を抱いてしまう。大切な人を失った薛紫夜の心の傷と、彼女が守り続ける秘密。そして、霍展白を救った貴重な薬の真実が、二人の関係に静かに影を落とす。すれ違う心と、やがて明かされる切ない真実が胸を打つエピソード。
「七夜雪(しちやせつ)」あらすじネタバレ6話
いや〜、今回の『七夜雪』第6話、前半のコミカルな雰囲気から一転、後半は胸が締め付けられるような切ない展開でしたね!登場人物たちの感情が複雑に絡み合い、一瞬たりとも目が離せませんでした。
治療費はまさかの「人体モデル」!?
霍展白(フオ・ジャンバイ)が予想より早く目覚めたことに、薛紫夜(シュエ・ズーイエ) もびっくり。ですが、そこはさすが薬師谷の主、ちゃっかり治療費を倍額請求します(笑)。そろばんを弾き始める紫夜を前に、霍展白(フオ・ジャンバイ)もタジタジ。彼の懐が寂しいことを見越してか、紫夜は彼の腰にある大切な玉佩を要求しますが、これは霍展白(フオ・ジャンバイ)にとって譲れないもの。そこで紫夜が思いついた代わりの支払い方法が、なんと「人体モデル」!
薬師谷の弟子たちの前で、霍展白は経穴(ツボ)の授業の教材にされてしまいます。紫夜にツボを突かれて一時間も動けず話せなくされた霍展白ですが、さすがは内力の達人。すぐに術を破ると、習ったばかりのツボの知識を早速お返し!今度は紫夜を動けなくして、二人で並んで日向ぼっこをする羽目に。悔しがる紫夜の顔が目に浮かぶようですね!
教団の非情な掟と謎多き瞳
一方、物語はもう一つの舞台へ。雪原で瀕死の状態の瞳(トウ)を、妙水(ミアオシュイ)は助けるどころか嘲笑います。さらに、教王は妙風(ミアオフォン)が紫夜と囲碁を打ったことに激怒し、彼の生命線である「氷蚕の毒」の解毒薬を取り上げてしまいました。毒の発作は万の蟻が心を食むほどの激痛だというのに、妙風(ミアオフォン)は顔色一つ変えません。彼らのいる教団の闇の深さがうかがえます。
すれ違う心と「七葉明芝」の真実
薬師谷では、新たな事件が。紫夜は亡き雪懐(シュエホワイ)から贈られた大切な簪をなくしたことに気づき、夜の雪の中を探し回ります。別れを告げに来た霍展白は、その様子を見て何も言わずに彼女の進む道を灯籠で照らしてあげるのです。この不器用な優しさ、グッときますよね。
しかし、阿菁(アージン)の一言が二人の間に大きな誤解を生んでしまいます。阿菁から「明芝は紫夜の想い人のために使われた」と聞いた霍展白は、紫夜が氷の下に眠る雪懐を蘇らせるために貴重な薬を使ったのだと勘違い。彼は薬師谷の冷泉へ向かい、紫夜にそのことを問い詰めます。
「死んだ人間を救うために薬を使ったのか」――その言葉は、紫夜の最も触れられたくない心の傷をえぐりました。彼女はヒステリックに霍展白を追い払います。
誤解したまま谷を去ろうとする霍展白でしたが、見かねた風緑(フォンリュー)が彼を「七葉明芝」の元へ。そこで霍展白は衝撃の事実を知ります。七葉明芝は確かに一枚だけ使われていましたが、それは雪懐のためではなく、瀕死だった霍展白自身を救うために使われていたのです。
自分の早とちりと、紫夜の深い悲しみを何度も抉ってしまったことに気づいた霍展白。彼はすぐにでも謝りたい気持ちを抑え、今は怒りの中にいる彼女のために、何か埋め合わせをしようと決意するのでした。
『七夜雪(しちやせつ)』第6話の感想
今回のエピソードは、前半の軽妙なやり取りと後半のシリアスで胸に迫る展開の対比が見事でした。霍展白と薛紫夜(シュエ・ズーイエ) がツボを突き合うコミカルなシーンで笑ったかと思えば、後半では二人の間に生まれた深い誤解とその裏にある悲しい真実に心を揺さぶられました。
特に印象的だったのは、登場人物たちの感情の機微が丁寧に描かれていた点です。霍展白の不器用ながらも根は優しい性格や、薛紫夜(シュエ・ズーイエ) が心の奥底に抱える癒えない悲しみがひしひしと伝わってきました。彼女が雪懐の死という現実から目を背けたい気持ちは痛いほど理解できますし、それを無神経に指摘してしまった霍展白の後悔の念にも共感してしまいます。単純な善悪では割り切れない、人間の複雑な感情が巧みに表現されており、物語に一層の深みを与えていました。静かな感動を覚える、非常に見ごたえのある回だったと感じます。
つづく