失くした母の形見の簪(かんざし)を探しに雪原へ向かった薛紫夜(シュエ・ズーイエ) 。そこで同じく簪を探す霍展白(フオ・ジャンバイ)と鉢合わせするが、突然の猛烈な吹雪により、二人は近くの洞窟での避難を余儀なくされる。寒さと持病で衰弱していく薛紫夜(シュエ・ズーイエ) を前に、霍展白(フオ・ジャンバイ)は必死に彼女を守ろうとする。閉ざされた空間で、二人はこれまで語ることのなかった互いの過去と向き合うことになる。果たして二人は無事に朝を迎えられるのか。二人の関係が大きく変化する、重要なエピソード。
「七夜雪(しちやせつ)」あらすじネタバレ7話
簪探しで再会、しかし…
霍展白(フオ・ジャンバイ)が谷を去ったと聞いて、侍女たちが余計なことを話したんだなと察する薛紫夜(シュエ・ズーイエ) 。彼女が「七葉明芝」の件をはっきりさせない限り、彼が黙って去るはずがないですからね。口では強がりながらも、失くしてしまった母の形見「銀鈴簪(ぎんれいかん)」のことが気になって仕方ありません。
意を決して雪原に探しに出ると、なんとそこには、雪に這いつくばって必死に簪を探す霍展白(フオ・ジャンバイ)の姿が!気まずい再会を果たしたのも束の間、天候が急変し、猛烈な吹雪に見舞われてしまいます。これはヤバい!二人は近くの洞窟へ避難することに。もう、毎回霍展白と会うたびにロクなことがない、とプリプリ怒る薛紫夜(シュエ・ズーイエ) 。その気持ち、分からなくもない(笑)。
洞窟で交わされる、心と過去
洞窟の中で、霍展白はまず「七葉明芝」の件を素直に謝罪します。それに対して、薛紫夜も本当は隠すべきではなかったと、少しだけ心を開きかけます。そんな中、彼女の持病である寒疾が悪化し、激しく咳き込み始めてしまうのです。
その姿を見た霍展白は、吹雪の中に飛び出して薪を集め、火を熾して彼女を温めようとします。この男、不器用だけど本当に優しい…!
火を囲みながら、霍展白が取り出したお酒「笑紅塵」を酌み交わす二人。お酒の力もあってか、お互いのことを少しずつ語り始めます。薛紫夜は、霍展白が想いを寄せているのが秋水音(チウシュイ・イン)だと見抜いていました。霍展白は、天山派で育ったこと、秋水音(チウシュイ・イン)が別の男性と結婚して去ってしまったこと、そして今、彼女と彼女の娘が自分にとって最も大切な存在であることを静かに語ります。
それに応えるように、薛紫夜も自身の過去…雪懐(シュエホワイ)という人物について口を開きました。彼は二度も彼女の命を救ってくれた恩人。一度目は彼女に「家」を与え、二度目は自らの命と引き換えに彼女を救ったのだと。彼女が必死に医術を学んでいるのは、眠り続ける彼をいつか目覚めさせるため。でも、あまりに大きな風雪(困難)に、時々くじけそうになると本音を漏らすのでした。
弱っていく薛紫夜を見て、霍展白は「絶対に君を死なせはしない」と固く誓います。そして、洞窟の入り口に立ち、その身一つで吹雪から彼女を守り続けたのです。
夜が明けて…不器用な優しさ
翌朝、雪まみれで目覚めた霍展白。薛紫夜は息も絶え絶えの状態でした。彼は急いで彼女を背負い薬師谷を目指しますが、途中で足を滑らせて転落。その衝撃で、薛紫夜は無意識に「雪懐…」と名を呼びます。
霍展白は内力を送り続け、なんとか薬師谷の人々の到着まで持ちこたえました。寧婆婆(ニンばあや)たちの懸命な治療のおかげで、薛紫夜は一命を取り留めます。
後日、薛紫夜が日課の露集めに出ると、そこには霍展白が作ってくれたであろう、露を効率よく集めるための装置が。中原一の剣客は、大工仕事も得意なようですね(笑)。
そして、霍展白は薬探しの旅のため、揚州へ発つことを告げに来ます。薛紫夜はまた憎まれ口を叩きながらも、洞窟でのお返しだと言って、お酒「笑紅塵」を渡すのでした。「次に会う時、また大怪我してたら知らないからね!」なんて、最高のツンデレじゃないですか!
『七夜雪(しちやせつ)』第7話の感想
今回は、二人の関係性における大きな転換点となる、非常に見ごたえのあるエピソードでした。極限状態の洞窟という閉鎖空間で、これまで決して見せなかった互いの弱さや過去の傷をさらけ出すシーンは、胸に迫るものがありましたね。特に、霍展白が自分の過去を語り、薛紫夜がそれに応えるように雪懐への想いを吐露する場面は、二人の心の壁が溶けていくのを感じさせました。彼の行動は、口下手ながらも誠実そのもの。ただひたすらに薛紫夜を守ろうとする姿には、彼の持つ深い愛情と責任感が表れていました。普段は気丈に振る舞う薛紫夜の、ふとした瞬間に見せる脆さも印象的で、彼女が背負うものの重さを改めて感じさせられます。二人の未来がどうなるのか、ますます目が離せなくなりました。
つづく