愛する薛紫夜(シュエ・ズーイエ) を救うため、第二の薬草「青鸞花」を求めて揚州を訪れた霍展白(フオ・ジャンバイ)。彼はその義侠心から、旅の途中で困っている人々を助けていきます。やがて、青鸞花が元一宮から盗まれた聖物であることを突き止めた彼は、花を巡る争奪戦に身を投じることに。しかしその裏では、彼を陥れるための邪悪な陰謀が静かに進行していました。目的のものを手に入れた矢先、霍展白は殺人という無実の罪を着せられ、一転して追われる身となってしまいます。
「七夜雪(しちやせつ)」あらすじネタバレ8話
不器用な優しさが届ける、一本の簪
物語は、薛紫夜(シュエ・ズーイエ) のもとに雪鳐が届け物をするシーンから始まります。それは一通の手紙と、一本の木彫りの簪(かんざし)。以前、霍展白(フオ・ジャンバイ)が雪の中で冗談めかして「簪だ」と言った木の枝を、彼は本当に手ずから簪に仕上げて贈ってきたのです。庭で黙々と木を削っていたのはこのためだったんですね。彼の不器用ながらも深い愛情が伝わってくる、心温まるシーンでした。
その頃、霍展白(フオ・ジャンバイ)は旅の途中でかつて助けた孟夫妻と再会し、温かいもてなしを受けます。一方で、薬王谷では阿菁(アージン)が摩家村の調査資料が破損していることに頭を悩ませており、不穏な空気が漂い始めます。
秋水音(チウシュイ・イン)との再会、そして揚州へ
霍展白は、目的の薬を探す道すがら、秋水音(チウシュイ・イン)と息子の徐沫(シュー・モー)のもとを訪れます。数年ぶりに会う徐沫は少し大きくなり、言葉も話せるようになっていました。薬を嫌がる徐沫を優しくなだめて飲ませる霍展白の姿は、まるで本当の父親のよう。秋水音は、これから危険な揚州へ向かう彼を心から案じ、見送るのでした。
揚州に着いた霍展白は、いきなり入水自殺を図る老人を助けます。聞けば、病で借金がかさみ、娘の婷儿(ティンアル)を青楼に売られてしまったとのこと。「死ぬことより娘を救うことを考えろ」と活を入れた霍展白は、娘がいるという青楼へ向かいます。
するとそこでは、偶然にも師兄たちが「悪徳な青楼から娘たちを救う」ために大暴れしている真っ最中!霍展白も加勢し、身請け証文を破り捨て、楼主の柳非非(リウ・フェイフェイ)の取りなしもあって、無事に娘たちを解放します。婷儿を父親の元へ返し、路銀まで渡す彼の義侠心には、本当に頭が下がりますね。
「青鸞花」を巡る攻防と、忍び寄る影
その後、霍展白は師兄たちと合流。彼らの目的は、元一宮の聖物「青鸞花(せいらんか)」を盗んで逃げた裏切り者・覃天呈(タン・ティエンチョン)を捕らえることでした。青鸞花こそ、霍展白が薛紫夜(シュエ・ズーイエ) のために探している第二の薬。彼は素知らぬ顔で協力するふりをし、青鸞花の行方を探ります。
しかし、師兄の一人は過去のいきさつから霍展白を信用しておらず、気まずい雰囲気に。結局、酒代も払わずに去ってしまった師兄たちに代わり、霍展白の勘定を済ませてくれたのは、なんとあの柳非非でした。彼女もまた、自分の立場ではできなかった娘たちの救出を霍展白が成し遂げたことに感謝していたのです。
その夜、霍展白はついに覃天呈の取引現場である青楼に乗り込みます。覃天呈が青鸞花を取り出した瞬間、霍展白は電光石火の早業でそれを奪取!同時に、別の場所にいる師弟の周行知(ジョウ・シンジー)には「取引場所は偽物だと騙した」という手紙を送り、自分一人で事を進めます。
背負わされた濡れ衣
しかし、悲劇はここからでした。霍展白が去った直後、彼に変装した瞳(ドウ)が現れ、改心しかけていた覃天呈を冷酷に殺害。覃天呈の遺体は階下へ投げ落とされ、そこには「霍展白に青鸞花を奪われ殺された」という偽の遺言が…。
これにより、霍展白は殺人犯として追われる身となってしまいます。師弟の周行知は師兄を信じますが、霍展白が残した「花はいただく」という手紙が決定的な証拠となり、林宮主(リンゴンしゅ)は激怒。霍展白に償いをさせることを誓うのでした。
ただ一人、柳非非だけが現場の状況に違和感を覚え、瞳が残していった衣服の切れ端を見つけます。果たして、彼女は霍展白の無実を証明する鍵となるのでしょうか。
『七夜雪(しちやせつ)』第8話の感想
今回のエピソードは、霍展白という人物の持つ「善性」が、皮肉にも彼自身を破滅へと導くという構図が鮮やかに描かれていました。彼が人々を助けるために振るう剣や知恵は、常に誰かのためのものであり、私利私欲からではありません。しかし、その純粋な行動が、瞳の巧妙な策略によって「殺人」という最悪の形に塗り替えられてしまう展開には、深い無力感とやるせなさを感じずにはいられませんでした。登場人物たちの思惑が複雑に絡み合い、一つの真実がそれぞれの立場から全く違う色に見えてしまう。この物語の奥深さが、今回の悲劇的なすれ違いによって、より一層際立ったように思います。
つづく