杭州の美しい夜市を散策する陸繹(りくえき) たち一行。それぞれの想いが交錯する中、謝霄(しゃしょう)へ長年の想いを告白する。一方、陸繹と今夏は二人きりで灯籠を流し、これまでになく心を通わせるが、その裏では不穏な事件が起きていた。烏安幇が何者かに襲撃され、捜査に乗り出した陸繹たちは、東瀛の倭寇の影を追う。しかし、その先に待ち受けていたのは、外部の人間を極度に敵視する謎の村だった。彼らは危険な罠にはまってしまい…。
「花様衛士~ロイヤル・ミッション~」あらすじネタバレ15話
第15話、前半の甘酸っぱい雰囲気から一転、後半は息もつかせぬサスペンスフルな展開で、グッと物語に引き込まれましたね!それでは早速、気になる15話の内容を振り返っていきましょう!
恋模様が交差する杭州の夜
舞台は美しい夜の杭州。今夏(きんか)の提案で、陸繹(りくえき) の5人は一緒に夜市を散策することに。
謝霄(しゃしょう) はここぞとばかりに今夏の隣をキープ!彼女が切り絵の店に足を止めれば、「みんなでやろうぜ!」と大はしゃぎ。対照的に、上官曦(じょうかんぎ)はどこか寂しげな表情で、かつて謝霄(しゃしょう) と共に武芸に励んだ頃の思い出の双刀を器用に切り抜きます。その切ない視線に気づく者は、まだいません。
一方、不器用な謝霄は歪んだ人型の切り絵を「今夏だ!」と言って笑いを取り、今夏は楽しそうに魚を切り抜きます。そんな若者たちを腕組みしながら冷ややかに見つめる陸繹(りくえき) でしたが、なんだかんだ言って全員分のお代を黙って支払うあたり、ツンデレっぷりがたまりませんよね!
夜市からの帰り道、謝霄はついに今夏を湖畔へと連れ出し、懐から取り出したバラの花束を手に、必死の告白!「本気でお前を射止めてみせる」と熱っぽく語る謝霄に、いつものようにふざけてごまかせなくなった今夏は、真剣な表情でその想いをはっきりと断るのでした。遠くでその光景を見ていた陸繹(りくえき)。そして、一人残された謝霄は「絶対に諦めない!」と湖に向かって叫ぶのでした…。
灯籠に託した想いと明かされる真実
謝霄と上官曦が先に去った後、今夏と陸繹は二人きりに。すると陸繹は、突然楊岳(ようがく) に灯籠を買ってくるよう命じます。不思議に思う今夏に、彼は「急に夢が見たくなった」とポツリ。
湖畔に並んで座り、灯籠を流す二人。陸繹は、かつて血なまぐさい任務の後、ここで一人心を落ち着けていたと静かに語り始めます。しんみりしたかと思いきや、突然「お前が謝霄のために刀で斬られた件だが…」と切り出す陸繹。なんと、あの苦肉の策は、すべて陸繹が仕組んだお芝居だったのです!驚く今夏を言いくるめ、「これで貸し借りなしだ」と丸め込んでしまう手腕はさすがの一言。
そして、灯籠に願いを込める今夏。「一、実の親が見つかりますように。二、陸繹様がいつも笑顔でいられますように」。二つ目の願いを聞いた陸繹の口元が、ほんの少しだけ綻んだのを見逃しませんでしたよ!
忍び寄る倭寇の魔手
甘い雰囲気も束の間、物語は一気に不穏な方向へ。楊程万(ようせいばん)の足の怪我が快方に向かっていると喜んでいた矢先、烏安幇(うあんぱん)の男が血まみれで駆け込んできます。彼は「東瀛の倭寇にやられた」と言い残して絶命。今夏が遺体を検分すると、そこには見慣れない刃物の痕が。陸繹は、それが日本の忍術によるものだと断定します。
すぐさま現場の葦原へと急行した陸繹、今夏、謝霄の3人。身を潜めていると、そこへ略奪品を抱えた倭寇の一団が現れます。奇襲を仕掛けてきた敵を返り討ちにし、あっという間に一網打尽にしますが、捕らえた倭寇の遺体から、謎の模様が描かれた令牌(身分証のようなもの)が見つかります。
3人がさらに倭寇の残党を追跡すると、断崖絶壁に隠された縄梯子を発見。それを登った先には、「龍胆村」と刻まれた石碑が立つ不気味な村が…。偵察に向かった謝霄を追ううち、陸繹と今夏は突然めまいに襲われ、その場に倒れてしまいます。
今夏が意識を取り戻した時、彼女は太い縄で縛られていました。周りには松明を掲げ、鎌や鍬を手にした村人たちが。「よそ者を殺せ!」という怒号が響き渡る中、絶体絶命のピンチで15話は幕を閉じます。
『花様衛士~ロイヤル・ミッション~』第15話の感想
今回は、物語の緩急の付け方が見事な回でした。前半では、杭州の夜を舞台に登場人物たちの恋愛模様が繊細に描かれ、特に陸繹と今夏の灯籠のシーンは白眉の出来栄えです。普段は冷徹な陸繹が垣間見せた人間味や、今夏への複雑な感情が、揺れる灯火に映し出されていて、二人の関係が新たな段階へ進んだことを静かに感じさせました。一方で、謝霄の告白を真摯に受け止め、誠実に応えた今夏の姿も印象的でした。後半、倭寇の出現によって物語は一気にサスペンスの色を帯び、新たな謎と危機が提示されます。恋愛と事件、二つの軸が巧みに絡み合いながら、物語の舵が大きく切られたことを実感させられる、非常に中身の濃いエピソードでした。
つづく