倭寇との戦いで毒に侵された陸繹(りくえき) は、意識を失い危険な状態に陥る。袁今夏(えんきんか)は一人で彼を運び、必死に看病を続けるが、追っ手である倭寇の首領に発見されてしまう。陸繹を救うため、今夏は絶体絶命の状況で敵との取引に応じることを決意する。一方、二人を案じて後を追う楊岳(ようがく)にも、予期せぬ危機が迫っていた。それぞれの場所で繰り広げられる救出劇と、暗躍する者たちの思惑が複雑に絡み合い、物語は緊迫の度を増していく。
「花様衛士~ロイヤル・ミッション~」あらすじネタバレ20話
上官曦(じょうかんぎ) の決意
物語は、謝霄(しゃしょう) に「役人に知らせてくれ!」と慌てて駆け寄るところから始まります。一方、謝霄(しゃしょう)は、彼の自分勝手な行動に心が乱れ、楊岳(ようがく) を連れてある場所へ。そこは、彼女の父が嫁入りの日のために埋めた祝い酒「女児紅」がある場所でした。
長年の想いが報われない苦しさから、その酒を今すぐ飲んでしまおうとする上官曦(じょうかんぎ)。そんな彼女に楊岳は「これは嫁ぐ日に飲むお酒だ」と優しく諭します。そして、彼女の悲しみを受け止めるように、酒甕を水の中へ投げ入れ、「君に想い人ができたら、俺が必ずこの酒を水の中から取り戻す」と誓うのでした。この楊岳の優しさ、もう骑士(ナイト)ですよね…。
陸繹(りくえき) 、毒に倒れる!今夏の必死の看病
その頃、道士の藍青玄(らんせいげん)が毒に侵され、今夏(きんか)が行方不明だと知らせにやってきます。話を聞いた楊岳と上官曦は、すぐさま二人を救うために出発。
場面は変わり、雨が降りしきる中、今夏は意識が朦朧とした陸繹(りくえき) を引きずるようにして、なんとか宿屋にたどり着きます。陸繹は内功で毒を抑えようとしますが失敗し、顔面は蒼白に。今夏は彼を助けたい一心で、必死に看病を始めます。
陸繹の上着を脱がせ、体を拭いていると、彼の胸にある刀傷が目に留まります。その時、意識を取り戻した陸繹が突然今夏の手首を掴むんです!見つめ合う二人…なんとも言えない空気が流れます。「風邪を引かないように…」と慌ててごまかす今夏に、陸繹は何も言わず、されるがままに。この無言の肯定、ツンデレ陸繹様ならではの甘いシーンでした!
絶体絶命の危機と、今夏の取引
しかし、甘い時間も束の間。倭寇の首領・毛大当家(もうだいとうか)が丐叔(かいしゅく) を連れて宿屋に現れます。陸繹が宿代の代わりに質に入れた玉佩から、彼の正体を見抜いた毛大当家(もうだいとうか)は、今夏が持つ手銃とその設計図を渡すよう脅迫。
その最中、陸繹が激しい毒の発作に見舞われます。丐叔(かいしゅく) によると、この毒はただの毒ではなく、人の七情六欲(喜怒哀楽などの感情)を増幅させ、最終的には理性を失わせる恐ろしい代物「藍玉簪」だというのです。愛する陸繹を救うため、今夏は涙をこらえ、ある条件と引き換えに設計図を渡すことを承諾します。その条件とは、「まず私たちを鎮江の町まで安全に送り届けること」。今夏の覚悟に胸が熱くなります。
楊岳、愛のために尊厳を捨てる
一方、陸繹たちを追う楊岳と上官曦は、林の中で董家水寨の残党・董斉盛(とうせいせい)に捕まってしまいます。卑劣な董斉盛(とうせいせい)は、上官曦に下品な言葉を浴びせ、辱めようとします。
楊岳は怒りに震えますが、なすすべがありません。そして、董斉盛が上官曦に手をかけようとした瞬間、楊岳は愛する人を守るため、信じられない行動に出ます。なんと、犬の首輪を自ら首につけ、地面を這い始めたのです!上官曦は涙ながらに止めようとしますが、楊岳は屈辱に耐え、最後まで這い続けます。
しかし、董斉盛は約束を破り、再び上官曦を襲おうとします。その瞬間、楊岳が反撃!首輪の鎖で董斉盛の首を締め上げ、相手を刺し、満身創痍で上官曦の前に立ちはだかります。絶体絶命のピンチに颯爽と現れたのは、なんと謝霄(しゃしょう) !彼は残党を蹴散らし、二人を救い出します。
ところが、謝霄は上官曦を気遣うどころか、「今夏はお前にとっては何でもないだろうが、俺にとってはすごく重要なんだ!」と言い放ち、彼女の心を深く傷つけます。見かねた楊岳が、上官曦がどれだけ謝霄を想い、彼を探すために危険な目に遭ったかを伝えるのでした。
それぞれの思惑が交錯する
この一連の出来事の裏で、厳世蕃(げんせいはん)は陸繹の生命力に興味を持ち、殺害を一時中断。部下の翟蘭葉(てきらんよう)に監視を命じます。
そして、鎮江に到着した陸繹一行。毛大当家が設計図を完成させるよう今夏に迫る中、意識を取り戻した陸繹は丐叔(かいしゅく) とアイコンタクトを交わし、背中合わせで互いの縄を解き始めます。反撃の狼煙が、今、上がろうとしていました…。
『花様衛士~ロイヤル・ミッション~』第20話の感想
今回の第20話は、各キャラクターの感情が爆発し、物語が大きく動いた回でした。特に、楊岳の自己犠牲には心を激しく揺さぶられました。普段は穏やかで少し気弱な彼が、愛する上官曦を守るためにプライドも尊厳も投げ打つ姿は、本作屈指の名シーンと言えるでしょう。彼の行動は、ただの恋心ではなく、深く真摯な愛情の証明であり、涙なしには見られませんでした。一方で、陸繹と今夏の絆も、危機的状況下でより一層深まりました。毒に苦しむ陸繹を必死に支える今夏の姿と、そんな彼女に無意識に甘える陸繹の関係性から目が離せません。対照的に、謝霄の自分本位な言動が上官曦を傷つける様は、恋愛の複雑さと切なさを際立たせていました。それぞれの想いが交錯し、物語にさらなる深みを与えた素晴らしいエピソードでした。
つづく