倭寇に追い詰められ、崖っぷちに立たされた陸繹(りくえき) と今夏。絶体絶命の状況で、陸繹は今夏を抱きかかえて崖から飛び降り、九死に一生を得る。しかし、脱出の際に内力を使ったことで陸繹の体は毒に蝕まれ、深刻な状態に陥ってしまう。丐叔(かいしゅく) の案内で、一行は「役人は診ない」という掟を持つ謎の名医・林菱(りんりょう)のもとを訪れる。身分を偽り、必死で治療を懇願する今夏だったが、林菱には簡単に見破られてしまう。
「花様衛士~ロイヤル・ミッション~」あらすじネタバレ21話
『花様衛士~ロイヤル・ミッション~』第21話、陸繹(りくえき) の絆が試される、まさに神回と言ってもいい展開でした。
崖の上での大逆転!陸繹(りくえき) 、愛のダイブ!
前回、倭寇の首領・毛大当家(もうだいとうか)に捕らえられてしまった今夏たち。絶体絶命かと思いきや、さすがは我らが陸繹(りくえき) 様!
縄を解かれていた陸繹と丐叔(かいしゅく) は、今夏の機転を合図に反撃開始!今夏は得意の手銃を奪い返し、ひとまず窮地を脱します。しかし、陸繹は毒に侵された身。今夏は彼を草むらに隠し、たった一人でおとりになって追手を引きつけます。
なんとか追手をまいて陸繹のもとに戻った今夏が見たのは、毒が回り、見るからに衰弱しきった陸繹の姿でした。丐叔(かいしゅく) と合流したものの、再び倭寇に囲まれ、とうとう崖っぷちに追い詰められてしまいます。
ここで毛大当家(もうだいとうか)が「手銃の図面を渡せば解毒薬を…」と交渉を持ちかけますが、なんと陸繹は彼の話す東瀛(とうえい)の言葉を理解していました。毒で苦しんでいたのも、実は相手を油断させるための演技だったのです!
しかし、形勢が有利になったわけではありません。次の瞬間、陸繹が取った行動は誰もが予想だにしないものでした。彼は、おもむろに今夏を強く抱きしめると、そのまま崖から真っ逆さまに飛び降りたのです!
間一髪、崖の途中に生えていた蔓を掴んだ陸繹。しかし、二人の重さに蔓は耐えきれそうにありません。上では謝霄(しゃしょう) たちが必死に倭寇と戦っています。万事休すかと思われたその時、陸繹は自ら手を放し、今夏と共に崖下の足場へと着地!まさに命がけの脱出劇でした。
謎の女医・林菱(りんりょう)登場!命を懸けた交渉
崖下で丐叔(かいしゅく) と合流したものの、陸繹の容態は深刻でした。崖から飛び降りる際に内力を使ったため、演技だったはずの毒が本格的に体を蝕み始めたのです。吐血し、意識も朦朧とする陸繹を見て、丐叔は「これ以上内力を使えば、神仙でも救えん」と警告します。
一行は、丐叔が知る名医・林菱(りんりょう)を頼ることに。しかし、彼女には「役人は絶対に診ない」という固い掟がありました。錦衣衛の身分を隠そうと、今夏は陸繹の腰牌を外そうとしますが、彼はそれを許しません。
医廬に着くと、そこにいたのは気品がありながらも人を寄せ付けない冷たい雰囲気を持つ女性、林菱(りんりょう)でした。今夏はとっさに「私はこの人の侍女で、駆け落ちの途中なんです!」と涙ながらに大嘘をつきます。すると、それまで黙っていた陸繹が今夏をそっと抱き寄せ、「すまない、内人(妻)が無礼を…」と話を合わせるではありませんか!
しかし、林菱は一枚上手でした。今夏が持つ手銃を見て、役人であることを見抜きます。治療を断られ、万策尽きた今夏は、その手銃を自分のこめかみに突きつけ、「この人の命を救ってくれないなら、私の命と交換よ!」と叫びます。そして引き金を引こうとした瞬間、陸繹が最後の力を振り絞ってそれを阻止。二人の覚悟を見た林菱は、ついに治療を承諾するのでした。
解毒の行方と深まる絆
林菱の治療で一命を取り留めた陸繹ですが、彼女は毒を完全に抜くことを拒みます。焦る今夏をよそに、陸繹本人は「俺は短命の相ではない」と妙に落ち着いている様子。
翌日、今夏は林菱の機嫌を取ろうと慣れない料理に挑戦しますが、火傷を作ったり顔を煤だらけにしたりと失敗ばかり。その必死な姿に、思わず林菱も笑みをこぼします。
部屋に戻ると、陸繹は高熱で意識がなく、苦しみながらも今夏の手を固く握って離しませんでした。その手を見つめながら、今夏は「必ず林菱を説得して、あなたを救ってみせる」と心に誓うのでした。
一方、厳世蕃(げんせいはん)は、陸繹が毒で死にかけているとの報告を受けても全く意に介さず、不気味な笑みを浮かべるだけ。彼の底知れぬ悪意が、物語に不穏な影を落とします。
『花様衛士~ロイヤル・ミッション~』第21話の感想
今回は、陸繹と今夏の信頼関係が一段と深まった、非常に見応えのあるエピソードでした。特に、今夏を救うため、そして信じているからこそ、躊躇なく崖から飛び降りた陸繹の行動には心を打たれました。彼の愛情表現はいつも不器用でストレートではありませんが、その行動一つ一つに今夏への深い想いが込められているのが伝わってきます。
また、陸繹を救うために必死で嘘をつき、最後には自らの命を懸けて交渉した今夏の姿も印象的でした。普段はお金にがめつくてお調子者ですが、いざという時の度胸と行動力は誰にも負けません。そんな彼女の必死さに応え、陸繹が「内人(妻)」と呼んで芝居に付き合う場面は、二人の絆の強さを象徴する名シーンだと感じます。
新キャラクターである林菱の存在も、物語に新たな緊張感と深みを与えています。彼女がなぜ頑なに役人を拒むのか、丐叔との過去に何があったのか、今後の展開から目が離せません。
つづく