錦衣衛の陸繹(りくえき) が毒に倒れ、昏睡状態に陥ってしまう。六扇門(りくせんもん)の捕快(ほかい)・袁今夏(えんきんか)は、彼を救う唯一の手がかりを求め、楓林に隠れ住む謎の女医・林菱(りんりょう)のもとを訪れる。しかし、林菱は簡単には手を貸さず、今夏に薬草採りや水汲みといった試練を課す。今夏は持ち前の機転と優れた追跡術で、その難題を一つずつ乗り越えていく。一方、今夏を案じる謝霄(しゃしょう) たちも彼女の後を追っていた。刻一刻と陸繹の命の灯が消えかける中、林菱はあまりにも危険で、命を代償にしかねない驚くべき治療法を今夏に提案するのだった。
「花様衛士~ロイヤル・ミッション~」あらすじネタバレ22話
命がけの解毒!今夏、愛する人のため毒の器に
陸繹(りくえき) が毒に倒れ、昏睡状態に…。彼を救うため、今夏は謎多き女医・林菱(りんりょう)を訪ねます。でも、この林菱(りんりょう)が一筋縄ではいかない人物!「口数が多いのは嫌い」と聞いて、ひたすら沈黙を貫き、薬草採りを手伝う今夏。その最中、毒蛇に襲われそうになるも、林菱(りんりょう)が薬で追い払います。なんと森の毒を持つ生き物は、すべて彼女が飼いならしているというから驚きです。
林菱は今夏に水汲みを命じますが、これもただの仕事ではありませんでした。何度汲み直してもダメ出しされ、途方に暮れる今夏。しかし、ここで彼女の真骨頂である「追跡術」が炸裂!水源のわずかな痕跡をたどり、ついに林菱が求める特別な泉の水を汲むことに成功します。この機転の良さ、さすがは六扇門(りくせんもん)の捕快(ほかい)ですね!
その頃、今夏を心配する楊岳(ようがく) の一行も、今夏が残した印を頼りに楓林までたどり着いていました。
事態が大きく動いたのは、林菱が陸繹(りくえき) の正体に気づいた瞬間でした。彼の服の下から錦衣衛の証である密書を見つけた林菱の表情が一変。陸繹にかけられた毒はあまりに強力で、彼女は「血清療法」という危険な治療法を口にします。それは、生きた人間の体に百種の毒を注入して血清を作り、それを陸繹に飲ませるというもの。薬となる人間、つまり「薬引(やくひき)」は命を落とす危険があるというのです。
そして、最も重要な毒を取り込むためには、自ら毒蛇に噛まれなければならない…。その過酷な役目を、今夏は引き受けます。これまで何度も自分を救ってくれた陸繹への恩を返すため、彼女は覚悟を決め、毒蛇の前に自らの腕を差し出しました。このシーンは、今夏の陸繹への深い想いが伝わってきて、思わず息を呑んでしまいました。
燃え上がる楓林!明かされる師兄妹の哀しき過去
今夏が命がけの覚悟を決めたその時、しびれを切らした謝霄(しゃしょう) たちが楓林に強行突入!あろうことか、森に火を放つという暴挙に出ます。丐叔(かいしゅく) の制止も聞かず、火は燃え広がる始末…。異変に気づいた林菱は激怒し、丐叔(かいしゅく) は彼女に見つかってしまいます。
ここで、林菱と丐叔(かいしゅく) がかつて同じ師の元で学んだ師兄妹であったことが判明!毒を作ることを得意とする丐叔と、解毒を専門とする林菱。二人の間には、ある賭けがありました。もし丐叔が「林菱に解けない毒」を作れたら、彼女は彼の言うことを何でも聞く、というもの。その賭けのために丐叔が作り出した最強の毒こそ、陸繹を苦しめている「藍玉簪(らんぎょくさん)」だったのです。
丐叔は、今夏を薬引にするという林菱のやり方を「非情だ」と責めますが、林菱は涙ながらに反論します。彼女は、かつて錦衣衛によって家族全員を殺されたという、壮絶な過去を背負っていたのです。錦衣衛への深い憎しみが、彼女を楓林の奥深くへと追いやっていたのでした。
なんとか今夏の血から薬は完成したものの、意識のない陸繹にどうやって飲ませるのか…。すると丐叔が「口移しで飲ませろ」とんでもない提案を!気まずい空気が流れる中、物語は次週へと続きます。
『花様衛士~ロイヤル・ミッション~』第22話の感想
今回は、物語の核心に迫る重要な情報が次々と明かされ、非常に見ごたえのある回でした。何よりも心に残ったのは、袁今夏(えんきんか)の陸繹に対する献身的な愛情です。これまで何度も彼に命を救われてきた恩を返すため、自らの命を危険に晒すことも厭わない彼女の姿は、単なる恋愛感情を超えた、深く強い絆を感じさせました。普段は明るくお調子者の彼女が見せた、静かで揺るぎない覚悟には胸を打たれます。
一方で、新たに登場した林菱と、おなじみの丐叔の間に隠された過去の因縁が、物語に一層の深みを与えています。毒の専門家と解毒の専門家という師兄妹、そして錦衣衛による家族の惨殺という悲劇。この重厚な背景が、陸繹の解毒というメインプロットと絡み合い、人間関係をより複雑で魅力的なものにしています。猪突猛進な謝霄(しゃしょう) の行動が良い意味で物語をかき乱し、ハラハラさせられるのも面白いスパイスになっていました。主人公が動けない状況で、周りの人々のドラマが濃密に進んでいく構成は見事でした。
つづく