丹青閣で新たな殺人事件が発生し、藍青玄(らんせいげん)は悲しみに打ちひしがれる。陸繹(りくえき) と今夏は捜査を進めるが、陸繹は犯人が仕掛けた巧妙な罠にはまり、絶体絶命の窮地に陥ってしまう。予期せぬ事態に、今夏は必死で陸繹を支えようと奔走する。一方、楊岳(ようがく)への想いを伝えるが、思わぬ形で拒絶されてしまう。事件の裏で、それぞれの想いが交錯し、物語は新たな局面を迎える。

「花様衛士~ロイヤル・ミッション~」あらすじネタバレ27話

悲劇の連鎖、丹青閣の新たな犠牲者

物語は、丹青閣で起きた新たな殺人事件から幕を開けます。前回、失踪したと思われていた小新(しょうしん)が、無残な姿で発見されるという衝撃的な展開…。弟のように可愛がっていた小新の亡骸を前に、藍青玄(らんせいげん)は泣き崩れます。あの飄々としていた彼が、これほどまで悲しむ姿は見ていて辛かったですね。陸繹(りくえき) も、悲しみに暮れる藍青玄(らんせいげん)を前に、犯人への怒りを新たにします。

すれ違う想い、楊岳(ようがく) の恋の行方

一方で、こちらの恋模様も切ない展開に。前夜、楊岳(ようがく) は酔った勢いでついに上官曦(じょうかんぎ)への想いを告白!男らしく「責任を取る」と誓うのですが、翌朝、上官曦(じょうかんぎ)は「酔っていただけ」とバッサリ。うーん、これはキツイ…。楊岳(ようがく) が心を込めて作った料理も突き返し、「これ以上近づいたら友達でもいられない」とまで言われてしまいます。諦めきれない楊岳は、別れの手紙と朝食を残して去っていくのでした。上官曦(じょうかんぎ)も何か思うところがあるような表情でしたが、彼女の心の中は一体どうなっているんでしょうか。

犯人の罠、記憶を失った陸繹(りくえき)

事件の捜査を進める陸繹(りくえき) は、アリバイがない元明(げんめい)大師に疑いの目を向けます。鋭い陸繹は、元明大師(げんめいだいし)が小新を口封じのために殺害したことを見抜きますが、時すでに遅し。元明大師(げんめいだいし)が焚いた「迷魂香」という毒の香によって、陸繹は意識を失ってしまうのです。

部屋で倒れている陸繹を発見した今夏。しかし、目覚めた陸繹はまるで別人のようでした。なんと、今夏の首を絞めようとするではありませんか!駆けつけた部下の岑福(しんふく)が機転を利かせたおかげで事なきを得ましたが、陸繹は記憶を失い、錦衣衛になる前の、冷酷非情な性格に戻ってしまっていたのです。

明かされる陸繹の悲しい過去

記憶が後退した陸繹は、亡き友・阿徳(あとく)の形見の刀を繰り返し磨き始めます。ここで、岑福の口から陸繹の辛い過去が語られました。錦衣衛の最終選抜試験は、情を断ち切るための非情なもので、親友であった阿徳は陸繹をかばって命を落としたというのです。いつも冷静で冷徹に見えた陸繹が、実は心に深い傷を負っていたことが分かり、今夏は彼の知られざる一面を知ることになります。

忍び寄る更なる脅威

陸繹の治療のために呼ばれたのは、名医の林菱(りんりょう)。彼女は陸繹が心因性の記憶喪失であると診断し、治療を約束します。しかし、その林菱(りんりょう)の情報を、あの厳世蕃(げんせいはん)が掴んでいました。かつて厳世蕃(げんせいはん)を無理やり奪おうとし、抵抗した彼女に左目を刺されていたのです。長年の恨みを晴らすべく、厳世蕃(げんせいはん)が動き出すことを示唆して、物語は幕を閉じます。事件の犯人、陸繹の記憶、そして厳世蕃の復讐と、問題が山積みですね!

『花様衛士~ロイヤル・ミッション~』第27話の感想

今回は、陸繹の人間的な側面が深く掘り下げられた回でした。いつも完璧で冷静沈着な彼が、毒によって心身ともに追い詰められ、過去のトラウマに苛まれる姿は非常に印象的です。これまで今夏が一方的に陸繹に惹かれているように見えましたが、彼の弱さを知り、必死に支えようとする今夏の姿を通して、二人の絆がより本質的なレベルで結ばれていくのを感じました。また、楊岳の一途な想いが無残にも打ち砕かれる場面も、物語に切ない彩りを添えています。ミステリーの謎解きだけでなく、登場人物それぞれの感情が丁寧に描かれることで、物語の深みが増したように思います。単純な悪役ではない、それぞれのキャラクターが抱える過去や想いが、今後の展開にどう影響していくのか、目が離せません。

つづく