丹青閣で続く連続殺人事件の謎を追う陸繹(りくえき) と今夏。陸繹は記憶喪失のふりを続けるという大胆な策で、犯人を油断させようと試みる。一方、医術の心得がある林菱(りんりょう)と丐叔(かいしゅく) は、事件に使われた毒を手がかりに、尊敬を集めるある人物が裏で進める恐ろしい計画に気づき始める。それぞれの捜査線が一つに繋がった時、ついに事件の真相が白日の下に晒される。しかし、それは同時に、すべてを裏で操るさらなる黒幕の存在を浮かび上がらせる序章に過ぎなかった。
「花様衛士~ロイヤル・ミッション~」あらすじネタバレ29話
陸繹(りくえき) 、8歳児になりきり大作戦!
前回、記憶が戻った陸繹(りくえき) ですが、なんと事件の黒幕を炙り出すため、そのまま8歳の子供のふりを続けることを袁今夏(えんきんか)に頼みます。これには今夏もびっくりですが、もちろん全面協力!
さっそく、心配してやってきた謝霄(しゃしょう) が無理やり薬を飲ませようとしますが、陸繹(りくえき) は「ぷはーっ!」と薬を顔面に噴射!すかさず今夏の後ろに隠れて「怖いよ〜」と泣きつく見事な演技。これには単純な謝霄(しゃしょう) 、まんまと騙されて怒り心頭!「子供相手にムキになるな」と藍青玄(らんせいげん)になだめられながらも、今夏の肩にわざとらしく頭をこすりつける陸繹の挑発に、ギリギリと歯ぎしりするのでした。このコント、何度でも見たくなりますね(笑)。
毒が繋ぐ、禁断の秘術
一方、医学のプロである林菱(りんりょう)は、一連の殺人事件で使われた毒が、腐食性の強い特殊なものであることを突き止めます。それはなんと、不老長寿の薬を練るための原料でした。
その頃、藍青玄(らんせいげん)から、師匠である元明(げんめい)大師が最近「不老の薬方」を手に入れたという話を聞いた丐叔(かいしゅく) は顔色を変えます。その薬方こそ、かつて薬王谷から失われた禁断の秘術書の一部だったのです。不完全な知識で危険な薬を作っているのでは…二人の懸念は深まります。今夏は陸繹の指示で「修行」と称して元明大師(げんめいだいし)を監視しますが、一晩中座禅を組まされて足が痺れるばかり。
密室での対決、崩れ落ちる信仰
その夜、陸繹は元明大師(げんめいだいし)の秘密の部屋へ潜入。するとそこには、同じく忍び込んでいた丐叔(かいしゅく) の姿が!一触即発の状況で互いに手合わせをしますが、すぐに味方だと気づきます。陸繹は元明に罠にかけられたことを打ち明け、丐叔(かいしゅく) は薬方の危険性を共有。まさに頼もしい共闘の始まりです。
そんな中、道士の一人・三瘦(さんそう)が姿を消し、彼の部屋から今夏が謎の毒粉を発見。事態は急を告げます。陸繹たちは密室へ踏み込むと、そこには口封じのために三瘦を殺めようとする元明大師の姿が!
追い詰められた三瘦は、ついにすべてを告白します。元明大師が不老不死の薬を練っている秘密を知ってしまった二胖(じはん)を、元明自身が殺したのだ、と。
敬愛する師が殺人犯だった…その事実を突きつけられた藍青玄(らんせいげん)は、「うわぁぁ!」と絶叫。あまりのショックに自分を責め、柱に頭を打ち付けようとしますが、陸繹に気絶させられ、かろうじて最悪の事態は免れました。
狂気の果て、そして新たな黒い影
「長生(ちょうせい)きを願って何が悪い!」と開き直る元明。しかし林菱(りんりょう)が「それは仙丹などではない、ただの猛毒よ」と真実を突きつけます。陸繹が証拠の丹薬を手に黒幕を吐かせようとしますが、元明は往生際悪く「毒を盛ったのは三瘦だ!」と罪をなすりつけようとします。しかし、それも今夏が見つけた毒粉という決定的な証拠によって論破されました。三瘦は、ひと月前に大金で雇われ、毒を盛るよう指示されたことを白状します。
万策尽きた元明は、陸繹が丹薬を握りつぶしたのを見て完全に発狂。床に散らばった毒をかき集めて飲み干し、壮絶な死を遂げました。
しかし、事件はまだ終わりません。三瘦が黒幕の似顔絵を描こうとしたその瞬間、どこからか飛んできた矢に射抜かれ、命を落としてしまいます。完璧なタイミングでの口封じ…陸繹は、背後にいる真の黒幕の存在を確信。部下の岑福(しんふく)への文を託し、自ら杭州へ向かうことを決意します。
その頃、厳世蕃(げんせいはん)は配下の翟蘭葉(てきらんよう)に、林菱を捕らえるよう命令を下していました。そして、一足先に旅立った上官曦(じょうかんぎ)の後を、なんと楊岳(ようがく) がつけています。「今夏を探しに来た」なんて言い訳をしていますが、その視線は明らかに…。
丹青閣の事件は幕を閉じましたが、物語はさらに大きな渦の中へ。杭州で陸繹を待つものとは一体何なのでしょうか。
『花様衛士~ロイヤル・ミッション~』第29話の感想
今回のエピソードは、一つの大きな事件が解決すると同時に、次なる巨大な陰謀への扉が開かれる、物語の重要な転換点となりました。尊敬する師が非道な殺人犯だったと知った藍青玄の悲劇には、胸が締め付けられる思いです。純粋な信仰が崩壊する様の描写は、本作の人間ドラマの深さを改めて感じさせました。
また、特筆すべきは陸繹の知略と今夏の機転です。記憶喪失のふりという大胆な作戦を遂行する陸繹の冷静さと、彼を信じて完璧にサポートする今夏のコンビネーションは、見ていて実に小気味良いものでした。事件の真相が暴かれていく過程は緊張感に満ちており、最後の口封じに至る展開は、黒幕の底知れぬ恐ろしさを際立たせています。杭州という新たな舞台で、厳世蕃(げんせいはん)との対決が本格化していくことを予感させる、非常に密度の濃い一話でした。
つづく