食糧を燃やされ怒りに燃える厳世蕃(げんせいはん)は、行方をくらました林菱(りんりょう)を執拗に追い、ついにその居場所を突き止める。陸繹(りくえき) と今夏たちは林菱を救出するため駆けつけるが、厳世蕃の卑劣な策略の前に苦戦を強いられる。一方、陸繹との将来を夢見る今夏に対し、師匠の楊程万(ようせいばん)は二人の身分の違いを理由に猛反対。師の言葉に深く傷つき、自信を失った今夏は陸繹との関係に悩み始める。朝廷では新たな陰謀が渦巻き、陸繹は窮地に立たされる。
「花様衛士~ロイヤル・ミッション~」あらすじネタバレ39話
悪魔の執着、再び
物語は、厳世蕃(げんせいはん)が食糧を燃やされたことに激怒し、翟蘭葉(てきらんよう)を問い詰めるシーンから始まります。あの男の怒り方、尋常じゃないですよね…。平手打ちからの首絞めって、DVのフルコースじゃないですか。翟蘭葉が可哀想で見ていられません。
厳世蕃(げんせいはん)の真の狙いは、行方をくらました林菱(りんりょう)。そこへ手下が駆けつけ、居場所が判明したとの報告が。その情報源は、なんと董斉盛(とうせいせい)でした。あっさり仲間を売るなんて、この男もなかなかのクズですね。
一方、陸繹(りくえき) たちは董斉盛の動きを追っており、一部始終を目撃。丐叔(かいしゅく) が飛び出そうとするのを楊程万(ようせいばん)が必死で止めます。気持ちはわかるけど、ここは冷静にならないと…!
隠れ家では、厳世蕃(げんせいはん)に「お前を絶対に離さない」と狂気の告白。林菱(りんりょう)は「あなたを殺すことだけを考えて生きてきた」と毅然と返しますが、厳世蕃は不気味に笑い、「お前の姉、林荷(りんか)の娘の行方を知っている」と衝撃の事実を告げるのです。これは卑劣すぎる…!
決死の救出劇と陸繹(りくえき) の優しさ
厳世蕃が林菱を抱きかかえて出てきたところを、ついに丐叔(かいしゅく) が襲撃!陸繹たちも加勢し、大乱戦に突入します。今夏は銃を構え、厳世蕃を狙いますが、彼は林菱を盾にするという卑劣な手を使います。本当にどこまでも腐ってますね、この男。
陸繹は今夏を止め、厳世蕃が敵国と通じていることを指摘。形勢不利と見た厳世蕃は、林菱を解放するフリをして、耳元で脅迫の言葉を囁き、頬に無理やりキスをして去っていきました。あのシーンは本当に虫唾が走りましたね。丐叔(かいしゅく) が再びブチ切れるのも無理はありません。
混乱の中、足の古傷が痛んで動けなくなった今夏。その姿を見た陸繹は、かつて彼女を助けた時のことを思い出し、すっと彼女を横抱きに。そう、お姫様だっこです!官営に戻り、陸繹は自ら今夏のズボンの裾をまくり、薬を塗ってあげるのでした。ぶっきらぼうだけど、その行動一つ一つに愛情が溢れていて、見ているこっちが照れてしまいます。そんな二人を、師匠の楊程万が苦々しい顔で覗き見ているのが、また不穏な空気を醸し出していました。
身分の壁と揺れる心
幸せな時間も束の間、師匠の楊程万から呼び出された今夏は、陸繹との婚約を打ち明けます。しかし、楊程万は「身分が違いすぎる」と猛反対。「陸繹から離れなければ都に送り返す」とまで言われてしまい、今夏はすっかり自信を失ってしまいます。
一方、朝廷では藍青玄(らんせいげん)帝の側で暗躍。厳嵩(げんすう)一派が将軍たちを弾劾する中、陸繹は軍需物資の危機を乗り越えるため、かつて助けた淳于敏(じゅんうびん)に協力を要請。彼女の家の財産を軍資金に充てる代わりに、都へ戻れるよう手配します。
陸繹が今夏の見舞いに訪れると、彼女は明らかに様子がおかしく、距離を置こうとします。「自分は高嶺の花を望むべきではない」と涙ながらに語る今夏。それに対し、陸繹は真っ直ぐに彼女を見つめ、こう言ったのです。
「私が娶りたいのは、ただ一人。袁今夏(えんきんか)、お前だけだ」
この一言!これぞ陸繹様!彼の揺るぎない覚悟が、今夏の不安をすべて吹き飛ばしてくれました。自分の計画を「家事の報告だ」と言って聞かせるのも、最高にスマートで素敵でした。
物語の最後、林菱たちは厳世蕃から逃れるため、陸繹と共に軍営へ向かうことに。足の怪我で残ることになった今夏は少し寂しそうでしたが、二人の絆はより一層深まった回となりました。
『花様衛士~ロイヤル・ミッション~』第39話の感想
今回は、陸繹と今夏の恋愛模様に大きな進展が見られた、非常に見ごたえのあるエピソードでした。師匠からの反対で身分の違いに悩み、一度は陸繹から離れようとまで思い詰めた今夏。彼女の不安を、陸繹が「娶るのはお前だけだ」という力強い言葉で断ち切ったシーンは、本作屈指の名場面と言えるでしょう。彼の愛情の深さと誠実さが、言葉少なながらもひしひしと伝わってきました。一方で、林菱に対する厳世蕃の執着は、もはや狂気の域に達しています。姉の娘の存在をちらつかせ、力ずくで支配しようとする彼の行動は、物語に一層の緊張感と暗い影を落としています。甘い恋模様と、息をのむようなサスペンスが巧みに交錯し、物語の深みを増していました。
つづく