倭寇討伐のため、今夏に「待ってろ」と言い残し戦地へ向かった陸繹(りくえき) 。しかし、到着した軍営では于大勇(うたいゆう)将軍に冷遇され、前途多難な状況に陥る。一方、上官曦(じょうかんぎ) は、道中で偶然にも倭寇に襲われる父を救出。この出来事をきっかけに、彼の恋にも大きな変化が訪れる。それぞれの場所で、愛する人を想い、己の使命を果たそうと奮闘する登場人物たち。その裏では、厳世蕃(げんせいはん)による新たな陰謀が静かに動き出していた。
「花様衛士~ロイヤル・ミッション~」あらすじネタバレ40話
いよいよ倭寇討伐のため、岑港(しんこう)へと旅立つ陸繹(りくえき) 。見送りに来た袁今夏(えんきんか)は、言葉を交わす間もなく彼が馬に乗ってしまうのかと寂しさを感じます。しかし、陸繹(りくえき) は数歩進んだところで馬を降り、振り返ると今夏を強く抱きしめました。「待ってろ」――その一言を残し、彼は戦地へと去っていきます。残された今夏は、陸繹(りくえき) から贈られた手縄を握りしめ、彼の無事を祈るのでした。その様子を、嫉妬に燃える瞳で見つめる敏児(びんじ)の姿があるとも知らずに…。
一方、軍営に到着した陸繹と岑福(しんふく)を待っていたのは、于大勇(うたいゆう)将軍からの冷たい歓迎でした。官僚嫌いの于大勇は、陸繹を呉守緒(ごしゅしょ)の手先とみなし、まともに取り合おうとしません。呉守緒からの書状が、かえって彼の警戒心を強めてしまったようです。陸繹は、複雑な地形を持つ岑港の攻略が難航しているだけでなく、人間関係という新たな壁にも直面するのでした。
その頃、上官曦(じょうかんぎ)を追いかけていた楊岳(ようがく) の旅路では、劇的な出来事が起こります。なんと、軍営へ向かう途中で倭寇に襲われていた父・楊程万(ようせいばん) は間一髪で父を救い出します。そこへ、物音を聞きつけた謝霄(しゃしょう)たち南少林寺の一行も駆けつけ、見事倭寇を撃退しました。
この再会を機に、楊岳(ようがく)の関係は大きく前進します。楊岳は自分の後悔と正直な気持ちを伝え、上官曦を力強く抱きしめて「もう離れない」と宣言。さらに、父・楊程万の前で、この戦いが終わったら上官曦と結婚したいと願い出ます。娘のように思う上官曦の幸せを、楊程万も心から喜ぶのでした。
戦地では、于大勇に「一月以内に岑港を落とせなければ罷免」という厳しい勅旨が届きます。追い詰められる于大勇に対し、陸繹は自分が彼の潔白を証明するために来たこと、そして呉守緒が彼に責任を押し付けようとしていることを伝え、共闘を持ちかけます。半信半疑の于大勇でしたが、陸繹の真摯な言葉に少しずつ心を開き始めます。そんな陸繹の元に、今夏から一通の手紙が。そこにはただ三文字、「あなたを待ちます(我等你)」とだけ書かれていました。その短い言葉は、陸繹の心を温かく照らすのでした。
しかし、都では厳世蕃(げんせいはん)と密会し、陸繹と于大勇を陥れるための次なる策を練っていました。さらに、寵愛していたはずの翟蘭葉(てきらんよう)を、駒として呉守緒に与えてしまう非情さを見せます。
そしてその夜、今夏の部屋に敏児が忍び込みます。嫉妬に狂った彼女は、今夏を殺害しようとしますが、今夏は冷静にそれを見抜いていました。敏児が手にしていた刀が、武芸の心得がない彼女のものではないと気づいた今夏は、その背後にいる黒幕の存在を確信するのです。
『花様衛士~ロイヤル・ミッション~』第40話の感想
今回は、陸繹と今夏の切ない別れから始まりましたが、楊岳と上官曦の恋がようやく実を結んだことで、心温まる瞬間も描かれました。不器用ながらも一途に想いを伝え続けた楊岳の姿には、思わず胸が熱くなります。一方で、戦地における陸繹の知略と、一筋縄ではいかない于大勇将軍との心理戦は、物語に深みと緊張感を与えていました。都で渦巻く厳世蕃(げんせいはん)の陰謀はますます非道になり、彼の駒として扱われる翟蘭葉の運命が痛ましく感じられます。愛する人を信じて待つ今夏と、嫉妬に身を焦がす敏児の対比も鮮やかで、それぞれのキャラクターが抱える想いが交錯する、見応えのある回でした。
つづく