物語が大きく動き出す予感に満ちた第44話!甘いシーンに癒されつつも、次々と明らかになる謎と迫りくる危機から目が離せません。今回は、陸繹(りくえき) の束の間の平穏と、その裏で静かに、しかし確実に進んでいく陰謀の数々を、ネタバレ全開でご紹介します!
運命の糸を手繰り寄せる童謡
林菱(りんりょう)の心は穏やかではありませんでした。今夏が口ずさんだ童謡、それは亡き姉・林荷(りんか)が作り、二人で姪に教えた思い出の歌。他の誰も知らないはずの歌を、なぜ今夏が…?「あの子は、姉さんの娘なの…?」林菱(りんりょう)は師匠である楊程万(ようせいばん)に問い詰めますが、彼は動揺を隠しながらも「人違いだ」と否定します。
しかし、一度芽生えた疑念は消えません。林菱(りんりょう)は自ら真実を突き止めようと決意します。一方、何も知らない今夏は、その歌は孤児院で他の子たちも歌っていたと悪気なく話し、林菱を落胆させてしまうのでした。
甘い時間と、その裏で進むこと
宮中では、藍青玄(らんせいげん)が皇帝からの信頼をさらに厚くしていました。その裏で、陸繹(りくえき)が使っていた鳥銃(火縄銃)の部品が、以前、杭州の鉱山で見つけたものと同じであることに気づきます。あの厳世蕃(げんせいはん)大人を騙って鉱山を掘っていたのは、倭寇に武器を横流しするためだったのです!陸繹(りくえき) の鋭い洞察力が、また一つ巨大な悪事の尻尾を掴みました。
そんな緊迫した状況の中でも、陸繹と今夏の間には甘い時間が流れます。怪我の療養中の陸繹は、わざと弱ったふりをして今夏に薬を飲ませてもらおうと甘えてみせます。口元まで運ばれた薬をふーふーと冷ましながら飲ませてあげる今夏。そのいちゃつきぶりには、側近の岑福(しんふく)も思わず呆れ顔です。
しかし、そんな穏やかな時間は長くは続きません。事件の重要参考人であった董斉盛(とうせいせい)が、なんと牢獄の中で毒殺されてしまったのです!口封じのために殺されたのは明らか。陸繹は、この役所の中に厳世蕃(げんせいはん)のスパイが紛れ込んでいると確信し、表情を険しくするのでした。
小さな共通点が示す真実
物語の終盤、林菱はまた一つ、今夏と姉との共通点を見つけます。蚊に刺されやすい今夏のために香袋を作ってあげようとした時、ふと「姉上もよく蚊に刺されていた…」と呟く林菱。童謡、そしてこの体質。偶然にしては出来すぎている共通点に、林菱の確信は深まっていくのでした。
『花様衛士~ロイヤル・ミッション~』第44話の感想
今回は、陸繹と今夏の甘いやり取りに心を和ませつつも、物語の根幹に関わる謎が次々と提示され、非常に見ごたえのある回でした。特に印象的だったのは、幸せな二人のすぐ側で、彼らの運命を大きく揺るがす「過去の因縁」が静かに鎌首をもたげているという構成です。
今夏の出自の謎が、林菱という最も近しい人物によって解き明かされようとしている展開には、胸が締め付けられます。陸繹がその真実を知った時、二人の関係はどうなってしまうのか。また、怪我を口実に今夏に甘える陸繹の姿は、彼が心を許した相手にだけ見せる無防備さの表れであり、彼の人間的な魅力を改めて感じさせました。
一方で、厳世蕃(げんせいはん)の悪事はとどまることを知らず、ついに倭寇との繋がりまで明らかになりました。味方だと思っていた組織の中に裏切り者がいるという絶望的な状況。甘い恋愛模様と、国を揺るがす巨大な陰謀との対比が、物語に深い奥行きを与えています。
つづく