消えた10万両の官銀を追う錦衣衛の陸繹(りくえき)・袁今夏(えんきんか)。事件の容疑者として捕らえられた役人・周顕已(しゅうけんい)は一部の横領を認めるも、多くを語りません。彼の供述に矛盾を感じた二人は、独自の捜査を開始。すると、輸送を担当した水運ギルドの女性堂主が身に着けていた香囊が、事件の重要な手がかりとして浮上します。
小さな糸口から、事件の裏に隠された哀しい恋物語と、新たな人物の存在が明らかに。真相に迫るため、陸繹は今夏を巻き込み、身分を偽って容疑者に接触するという大胆なおとり捜査を計画します。
「花様衛士~ロイヤル・ミッション~」あらすじネタバレ8話
第8話、見ましたか?事件の謎解きも面白いけど、それ以上に陸繹(りくえき) のやり取りが最高すぎてもう…!今回は、そんな二人の関係がグッと近づく(?)
頑なな役人と、まさかの屋台メシ
事件は、横領の罪を認めた役人・周顕已(しゅうけんい)の取り調べからスタート。ボロボロの姿で罪は認めるものの、10万両の官銀消失については固く口を閉ざします。でも、我らが陸繹(りくえき) 様はただの冷血漢じゃない!3年前に見かけた彼の履いていたボロボロの靴を覚えていて、「何か事情があるなら話せ」とチャンスを与えるんです。
周顕已は、1万両だけは盗んだけど、すぐに返したと告白。それを聞いた陸繹(りくえき) と今夏は、半信半疑ながらも銀庫へ。すると、確かに1万両は戻されていました。謎は深まるばかり…。
捜査の合間、お腹を空かせた今夏。そんな彼女を、陸繹様が連れて行ったのは…なんと、庶民的な街角の麺の屋台!「え、お坊ちゃまがこんなところで?」と驚く今夏をよそに、平然と座る陸繹様。このギャップがたまりません!
今夏が勢いよく麺をすすり、おかわりを頼むと、陸繹様は呆れたような冷たい視線(笑)。でも、風に舞った花びらが今夏の顔に当たりそうになった瞬間、無意識に手で払いのけてあげるんです!ツンデレの極み!気まずくなったのか、さっさと席を立ってしまう陸繹様ですが、彼の優しさが垣間見えた名シーンでした。
香囊が繋ぐ点と線!新たな容疑者
捜査は、官銀の輸送を担当した烏安幇(うあんほう)へ。堂主の上官曦(じょうかんぎ)は協力的なようで、どこか壁があります。しかし、ここで今夏の鋭い観察眼がキラリ!上官曦(じょうかんぎ)が身に着けていた香囊(こうのう)が、なんと周顕已の物とそっくりだったのです。
この香囊が事件の重要なキーアイテムに!今夏は師兄の謝霄(しゃしょう) に頼んで、香囊の出所を突き止めます。すると、上官曦(じょうかんぎ)の友人である翟蘭葉(てきらんよう)という女性が贈ったものだと判明しました。
ドジっ子炸裂!夜の潜入捜査
さらなる手がかりを求め、今夏は周顕已の屋敷に単独で忍び込みます。…が、軽功が苦手な彼女は犬の穴をくぐるという情けない潜入方法(笑)。しかも、そのお尻を蹴り上げたのは、先回りしていた陸繹様!
「男女が二人きりでは私の評判が…」と逃げようとする今夏に、陸繹様は「捜査協力費を差し止める」と脅し、強引に捜査を続行させます。ひょいと屋根に飛び乗る陸繹様と、下でオロオロする今夏。その姿を「これが楊程万(ようせいばん)殿の弟子か」とからかう陸繹様、本当に楽しそう(笑)。
結局、陸繹様にひょいとつまみ上げられて屋根裏に潜入した二人。そこで見つけたのは、恋文と口紅を作る道具でした。周顕已には、揚州に想い人がいたのです!
「瘦馬」の悲哀と事件の動機
翟蘭葉の正体、それは「瘦馬(そうば)」でした。「瘦馬」とは、貧しい家の娘を富裕層の妾にするために幼い頃から芸事を仕込み、商品として売買される女性のことです。
周顕已は数ヶ月前に翟蘭葉と出会い、彼女を妾として身請けするため、1万両の大金が必要だったのです。これが、彼が官銀に手を出した動機でした。切ない話ですよね…。
おとり捜査開始!お嬢様と小姓に変装
全ての点が線で繋がりました。陸繹は、翟蘭葉を誘き出すため、大胆なおとり捜査を計画します。
陸繹が「京から来た若旦那」に、そして今夏はツインのお団子頭が可愛い「侍女」に、師兄の楊岳(ようがく) は「小姓」に変装して、湖に船を浮かべます。からかい合う今夏と楊岳(ようがく) を冷たく一喝しつつ、作戦はスタート。果たして、翟蘭葉は姿を現すのか…!?というところで、今回はおしまいです。
『花様衛士~ロイヤル・ミッション~』第8話の感想
今回は、シリアスな事件の謎解きと、陸繹と今夏のコミカルで微笑ましいやり取りのバランスが絶妙な回でした。特に、普段はクールで人を寄せ付けない陸繹が、今夏の前でだけ見せる人間らしい一面に心を掴まれます。屋台で呆れながらも世話を焼いたり、潜入捜査でからかったりする姿は、二人の距離が縮まっている証拠でしょう。
一方で、事件の背景にある「瘦馬」という悲しい存在も描かれ、物語に深みを与えています。ただの恋愛ミステリーではなく、当時の社会問題や人々の悲哀にも光を当てる脚本は見事です。周顕已の犯した罪の裏にあった純粋な恋心には、同情を禁じ得ません。
小さな手がかりである香囊から、事件の核心に繋がる人物を突き止めていく展開は、ミステリーとしても秀逸です。主人公二人の魅力と、しっかりとした謎解き要素が融合し、物語への没入感を一層高めてくれました。
つづく