伝説の剣仙・葉白衣(イエ・バイイー)の登場により、周子舒(ジョウ・ズーシュー)が抱える深刻な秘密が暴かれようとする。彼の身を案じる溫客行(ウェン・コーシン)は葉白衣と対立するが、やがて知られざる真実を目の当たりにし、深い苦悩に沈むことになる。二人の間に生まれた溝は、雨と共に深まっていく。一方、英雄大会を目前にした五湖盟では、鬼谷の暗躍を巡って各門派の対立が激化。岳陽派に集った猛者たちの間で、新たな陰謀の火種がくすぶり始めていた。
「山河令」あらすじネタバレ14話
ついに明かされる周子舒(ジョウ・ズーシュー)の秘密と、それを知った溫客行(ウェン・コーシン)の絶望が胸をえぐる第14話。物語が大きく動き出し、二人の関係は新たな局面を迎えます。
七竅三秋釘の告白
食客に現れた伝説の剣仙・葉白衣(イエ・バイイー)は、一目で周子舒(ジョウ・ズーシュー)の体の異変を見抜きます。経脈が枯れ果て、余命いくばくもないと指摘された周子舒(ジョウ・ズーシュー)をかばい、溫客行(ウェン・コーシン)は葉白衣(イエ・バイイー)と一触即発の状態に。しかし、周子舒を救いたい一心なのは葉白衣(イエ・バイイー)も同じでした。
これ以上隠し通せないと悟った周子舒は、ついに服を脱ぎ、その胸に打たれた七本の七竅三秋釘(しちきょうさんしゅうてい)の傷跡を二人に見せます。天窗を抜けるために自らが考案し、自らに課したという残酷な極刑の事実に、溫客行(ウェン・コーシン)も葉白衣も言葉を失います。
葉白衣は、武功をすべて失うことを条件に、10年は寿命を延ばせると治療を提案します。しかし周子舒は、自由を得るためにすべてを捨てた身、今さら武功を失ってまで生きながらえたくはないと、その申し出をきっぱりと断るのでした。
雨中の決別と知己の涙
周子舒の覚悟を知り、溫客行の心は張り裂けんばかり。雨が降りしきる東屋で、彼は必死に治療を受けるよう説得します。あと2年ほどの命だと知り、ようやく得た知己を失う恐怖に、溫客行は涙をこらえきれません。
しかし、周子舒の決意は固い。武功を廃してまで生きるのはごめんだと、彼は溫客行の想いを振り切り、あえて厳しい言葉で突き放してその場を去ってしまいます。
残された溫客行は、降りしきる雨の中、橋のたもとで独り簫を吹き、その身も心もずぶ濡れになりながら、運命の無情さを嘆くのでした。
五湖盟の亀裂と鬼谷の影
溫客行が悲しみに沈んでいる頃、顧湘(グー・シアン)が血相を変えて駆けつけます。五湖盟の高崇(ガオ・チョン)が薄情司を襲撃し、喜喪鬼(きそうき)を捕らえたというのです。しかし、周子舒のことで心ここにあらずの溫客行は、その報告も上の空。
一方、五湖盟では英雄大会を前に不穏な空気が渦巻いていました。泰山派の傲崍子(アオ・ライズ)が殺された件で、後を継いだ秦松(チン・ソン)と共に岳陽派の沈慎(シェン・シェン)を糾弾。会場はめちゃくちゃに荒らされます。
さらに、傲崍子に付き添っていた弟子の青華(チン・ホワ)が師父は沈慎(シェン・シェン)に依頼された無常鬼(ウーチャングイ)に殺されたと証言したことで、事態はますます混迷を深めていきます。
群衆の中には、変装した周子舒と、その様子を離れた東屋から見つめる溫客行の姿が。そして、その混乱を収めるかのように、五湖盟盟主・高崇(ガオ・チョン)が姿を現すのでした。
『山河令』第14話の感想
今回は、周子舒の壮絶な覚悟と、それを受け止めきれない溫客行の悲痛な姿に胸が締め付けられました。自由を求め、死をも受け入れる周子舒の生き様は、あまりに潔く、そして切ないです。彼の選択は、ただ生き長らえることだけが人生ではないという強いメッセージを感じさせます。一方で、初めて得た光である知己を失うかもしれないという溫客行の絶望は、見ていて本当に苦しくなりました。雨に打たれながら簫を吹くシーンは、彼の心の叫びが聞こえてくるようで、本作屈指の名場面と言えるでしょう。二人の絆が深いがゆえに生じるすれ違いが、物語に一層の深みを与えています。江湖の陰謀も複雑さを増し、人間ドラマの重厚さが増した回でした。
つづく