英雄大会を翌日に控え、五湖盟の盟主・高崇(ガオ・チョン)は伝説の武庫の鍵琉璃甲を巡り、各門派から厳しい追及を受ける。一方、周子舒(ジョウ・ズーシュー)は大会に紛れ込んだ不審な人物の存在に気づき、一連の騒動の裏に巨大な陰謀が渦巻いていることを察知する。高崇が事態の収拾を図る中、彼の娘・高小怜(ガオ・シャオリエン)に魔の手が迫る。様々な人々の思惑と策略が交錯し、高崇は絶体絶命の窮地に立たされてしまう。
「山河令」あらすじネタバレ15話
まず、お騒がせ娘の顧湘(グー・シアン)。彼女、なんと高崇(ガオ・チョン)の娘・高小怜(ガオ・シャオリエン)を人質にとって、捕らえられた羅浮夢(ルオ・フーモン)を助け出そうと画策するんです。医館で仮病を使って高小怜(ガオ・シャオリエン)に近づくんだけど、そこに何も知らない曹蔚寧(ツァオ・ウェイニン) が駆けつけちゃったからさあ大変!顧湘(グー・シアン)殿が倒れた!って大騒ぎするもんだから、計画はあっけなく失敗。曹蔚寧(ツァオ・ウェイニン) の純粋な心配りが、顧湘の企みを全部台無しにしちゃうなんて、なんだか微笑ましくももどかしいシーンでしたね。
一方、英雄大会の会場では、五湖盟の盟主・高崇(ガオ・チョン)が各門派から吊るし上げ状態に。黄鶴(ホアン・ホー)たちに琉璃甲のありかを白状しろ!と詰め寄られ、もう四面楚歌。追い詰められた高崇は、ついに琉璃甲が五湖盟の五義兄弟によって分割され、保管されていることを認めます。でも、時すでに遅し。彼の言葉を信じる者は少なく、疑惑の目は深まるばかり…。
その頃、周子舒(ジョウ・ズーシュー)は、群衆の中に紛れた怪しい人影(毒蝎の殺し屋・俏羅漢(しょうらかん))に気づきます。彼はこの一連の騒動の裏に、誰か黒幕がいると確信。そのことを溫客行(ウェン・コーシン)に話すんだけど、溫客行(ウェン・コーシン)は五湖盟が勝手に潰れるだけさと冷ややか。復讐心に燃える彼にとって、江湖の混乱はむしろ望むところ。ここで二人の正義感の違いが浮き彫りになって、見ていて切なくなりました。
高崇は事態を収拾するため、切り札として龍淵閣の若き主・龍孝(ロン・シャオ)を呼び寄せます。武庫を建造した龍淵閣の者なら、琉璃甲だけでは武庫は開かないと証明してくれるはずだったのに…。なんとこの龍孝、高崇が父を脅して武庫を独り占めしようとしている、なんて爆弾発言!完全に裏切られ、高崇の立場はますます悪化します。
そんな中、さらなる悲劇が。桃紅婆(タオホンポー)が突然現れ、高小怜を誘拐!顧湘を守ろうとした曹蔚寧は打ちのめされてしまいます。必死に彼を介抱する顧湘の姿には、彼女の新たな感情の芽生えが感じられました。
万策尽きた高崇は、息子の張成嶺(ジャン・チョンリン)と高小怜の婚約を発表し、自分が引退することで場を収めようとします。しかし、無常鬼(ウーチャングイ)や毒蝎の陰謀は止まりません。何者かに操られた弟子の鄧寛(ドン・クアン)が、衆人の前で高崇は仲間を裏切った!と叫び、自ら命を絶ってしまうのです。信頼していた弟子にまで裏切られ(操られてはいますが)、その場で自害されるなんて…。高崇の呆然とした表情が、この回の絶望的な結末を物語っていました。
『山河令』第15話の感想
今回のエピソードは、一人の人間がどこまで追い詰められていくのかを、息苦しいほどに描き切っていました。五湖盟の盟主として江湖の秩序を守ろうと必死にもがく高崇が、次々と仕掛けられる罠によって、味方であるはずの者たちから信頼を失っていく様は見ていられませんでした。彼が良かれと思って打つ手はことごとく裏目に出て、まるで底なし沼に沈んでいくかのよう。周子舒(ジョウ・ズーシュー)だけがその裏にある陰謀に気づいているのに、誰にも届かないのがもどかしいです。そして、そんな状況を冷ややかに見つめる溫客行との間に生まれる決定的な亀裂。二人の道が分かれてしまう瞬間は、物語の大きな転換点であり、胸が締め付けられる思いでした。多くの思惑が絡み合い、誰が本当の敵なのかが見えなくなる、非常に重厚で見応えのある回でした。
つづく