琉璃甲を巡る各門派の対立が激化する英雄大会は、ついに悲劇的な結末を迎えます。五湖盟の盟主・高崇(ガオ・チョン)は、裏切りの汚名を着せられ、絶体絶命の窮地に立たされます。混乱の中、周子舒(ジョウ・ズーシュー)と溫客行(ウェン・コーシン)は張成嶺(ジャン・チョンリン) を保護しようと奔走。しかし、この騒動の裏では、誰も予想しなかった人物が邪悪な笑みを浮かべていました。江湖の秩序が崩壊し、物語は新たな陰謀の渦中へと突き進んでいきます。

「山河令」あらすじネタバレ16話

英雄大会、血の終幕

前回、弟子の鄧寛(ドン・クアン)に裏切られ、鬼谷と通じたと濡れ衣を着せられた五湖盟の盟主・高崇(ガオ・チョン)。もはや弁明の余地なしと悟った彼は、集まった各門派の猛者たちを前に、潔くその身を差し出します。さあ、この首を取るがいい!と。

義兄弟の沈慎(シェン・シェン)だけは長兄上は潔白だ!と庇いますが、息子を殺された恨みに燃える断剣山荘の穆思遠(ムー・スーユエン)らが襲いかかり、戦いは避けられません。

その頃、周子舒(ジョウ・ズーシュー)は混乱に乗じて張成嶺(ジャン・チョンリン)を連れて逃げようとしますが、なんとあの温厚そうな趙敬(ジャオ・ジン) がそれを阻止!そこに颯爽と現れたのが我らが溫客行(ウェン・コーシン)。周子舒(ジョウ・ズーシュー)と見事な連携で成嶺を救い出します。

しかし、大勢に囲まれた高崇(ガオ・チョン)はもはやこれまで。封暁峰(フォン・シャオフォン)によって五湖の絆の象徴である五湖碑が倒され、駆けつけた高山(ガオ・シャン)も殺されてしまいます。すべての希望を失った高崇は、天に向かって絶叫。見ているこっちの胸も張り裂けそうでした…。

趙敬(ジャオ・ジン) が涙ながらに琉璃甲を渡してくれと懇願し、高崇は愛娘・高小怜(ガオ・シャオリエン)の未来を想い、ついに決断します。彼は3つの琉璃甲を皆の前にかざすと、なんとそれを粉々に砕き捨ててしまいました!そして、降りしきる雨の中、倒れた五湖碑に頭を打ち付け、自ら命を絶ったのです…。この壮絶な最期に、成嶺は泣き叫び、周子舒に抱きしめられます。そして、この面白い芝居を画策したはずの溫客行(ウェン・コーシン)は、予想外の結末に言葉を失い、自責の念にかられるのでした。

洞窟での誓い、そして明かされる真実

溫客行と周子舒は、成嶺を連れて洞窟へ避難します。自分の計画が多くの死を招いたことに俺は悪人か?と苦悩する溫客行。そんな彼に周子舒は策士、策に溺れるだなとチクリと言いつつも、今回の事件の裏に真の黒幕がいることを見抜いていました。特に、土壇場で高崇を庇うふりをして自分だけはちゃっかり難を逃れた趙敬の動きを、周子舒は実にあくどいと評します。

溫客行はこの世にあってはならない魑魅魍魎を、残らず地獄へ送り返すと固く誓い、周子舒も全力で手を貸すと約束します。二人の間に、また一つ固い絆が結ばれた瞬間でした。

そして、場面は変わり、ついに黒幕がその姿を現します。

周子舒の推測通り、すべての糸を引いていたのは、あの趙敬でした!彼は毒蝎の首領・蝎王(さそりおう)の義父であり、蠱術で鄧寛(ドン・クアン)を操って自害させ、高崇を追い詰めたのです。20年以上も高崇の前で猫をかぶり、ついに五湖盟を掌握した趙敬の恐ろしさには、背筋が凍りますね。

さらに、葉白衣(イエ・バイイー)が龍孝(ロン・シャオ)を捕らえて周子舒たちの元へ合流。相変わらず溫客行と口喧嘩を繰り広げますが、これで琉璃甲と武庫の謎に一歩近づくことになりそうです。物語が大きく動いた、まさに神回でした。

『山河令』第16話の感想

今回のエピソードは、高崇という一人の義に厚い男の悲劇に尽きます。彼は最後まで己の潔白を信じ、江湖の平和を願っていましたが、その実直さゆえに最も卑劣な罠にはまってしまいました。彼が琉璃甲を破壊し、自ら命を絶つシーンは、あまりにも痛ましく、やるせない気持ちでいっぱいになりました。

そして、この悲劇を仕組んだ黒幕が、最も信頼されている人物の一人であった趙敬だと明かされた時の衝撃。彼の長年にわたる策略と、人の心を巧みに操る冷酷さには、ただただ戦慄するばかりです。

一方で、この出来事を通して、傍観者だった溫客行が当事者としての苦悩を背負い始める姿が印象的でした。彼の変化に寄り添い、共に戦うことを誓う周子舒との関係性は、暗い物語の中の確かな光です。二人がこれから巨大な悪にどう立ち向かっていくのか、目が離せません。

つづく