周子舒(ジョウ・ズーシュー)の師匠と溫客行(ウェン・コーシン)の意外な過去の繋がりが明らかになり、二人の絆はさらに深まる。そんな中、伝説の達人・葉白衣(イエ・バイイー)が現れ、周子舒の体を蝕む傷の治療に希望の光が見えてくる。溫客行(ウェン・コーシン)、周子舒、張成嶺(ジャン・チョンリン) の三人は、ひとまず四季山荘を目指し旅を続ける。しかしその裏では、趙敬(ジャオ・ジン) と蝎王(さそりおう)が鬼谷を使い、江湖に新たな混乱を巻き起こそうと画策していた。道中、一行は名門一派が襲撃された無残な現場を目の当たりにし、不穏な事件に巻き込まれていく。

「山河令」あらすじネタバレ21話

いやあ、今回の『山河令』第21話は、光と影のコントラストがすごい回でしたね!周子舒(ジョウ・ズーシュー)と溫客行(ウェン・コーシン)の絆が深まる心温まるシーンがあるかと思えば、その裏では趙敬(ジャオ・ジン) の陰謀が着々と進んでいて、まさに息つく暇もありません。

明かされる過去、そして未来への希望

まず、なんといっても胸が熱くなったのは、周子舒(ジョウ・ズーシュー)と溫客行(ウェン・コーシン)の過去がつながった瞬間。張成嶺(ジャン・チョンリン)がどうして温殿は昔、四季山荘へ?と素朴な疑問を口にしたことで、周子舒(ジョウ・ズーシュー)の口から師匠・秦懐章(チン・ホワイジャン)の心残りが語られます。

かつて秦懐章は、訳あって傷を負った甄如玉(ジェン・ルーユー)の一家を助け、息子の甄衍(ジェン・イエン)…そう、何を隠そう若き日の溫客行(ウェン・コーシン)を二番弟子として迎え入れる約束をしていたのです。しかし、3ヶ月後に迎えに行くと、村はすでに焼き払われた後だった…。死ぬまで二番弟子のことを気にかけていたという師匠の想いを、周子舒は静かに語ります。

この会話を、物陰で聞いていた溫客行。彼がとっくに周子舒の正体に気づいていたこと、それでも名乗れなかった彼の胸の内を思うと、もう…!

そんな中、救世主のごとく現れたのが葉白衣(イエ・バイイー)。彼は弟子の容炫(ロン・シュエン)が犯した罪の償いとして、溫客行の願いを一つ叶えると言い出します。溫客行が願ったのは、ただ一つ。阿絮(アシュー)の傷を治してほしい。これには葉白衣(イエ・バイイー)も快諾し、3人はひとまず四季山荘で待つよう告げ、治療法を探しに去っていくのでした。周子舒の命に光が差した瞬間、溫客行が見せた満面の笑みは、本当に見ているこちらも嬉しくなりましたね。

蠢く陰謀と、狂気の歯車

しかし、そんな感動的な展開の裏では、江湖の闇がさらに深まっていきます。

蝎王(さそりおう) の命令で、無常鬼(ウーチャングイ)派の壊滅を指示。溫客行を裏切った鬼たちは、趙敬(ジャオ・ジン) という新たな支配者に逆らえず、この非道な命令を受け入れるしかありません。溫客行がかつて先代の鬼谷谷主の皮を剥いでトップに立ったという話も出てきて、鬼谷の掟の恐ろしさも改めて浮き彫りになりました。

一方、趙敬のもとを訪れた于丘烽(ユー・チウフォン)は、趙敬と羅浮夢(ルオ・フーモン)の過去をほのめかし、腹の探り合いを始めます。どうやら羅浮夢(ルオ・フーモン)は、かつて趙敬に婚礼当日に捨てられた過去を持つ女性のようですね。

その羅浮夢(ルオ・フーモン)を巡って、事態は急変します。華山派にいた羅浮夢を奪おうとした急色鬼(きゅうしょくき)の前に、柳千巧(リウ・チェンチャオ)が立ちはだかります。そこに現れたのは、なんと蝎王(さそりおう)一行。

錯乱して敬郎(ジンラン)…と趙敬の名を呼ぶ羅浮夢の姿を見た蝎王は、明らかに動揺を見せます。その様子をからかった急色鬼は、蝎王に一瞬で惨殺されてしまいました。

さらに、柳千巧(リウ・チェンチャオ)を助けようと駆けつけた于丘烽の登場で、事態は泥沼化。毒菩薩(どくぼさつ)によって、于丘烽がかつて妻の嫉妬から柳千巧(リウ・チェンチャオ)が辱められるのを見捨てた天下第一の薄情者だったことが暴露されます。柳千巧が于丘烽に渡した琉璃甲が偽物だったことも判明し、彼女は蝎王に忠誠を誓うことに。蝎王は、すでに正気を失っている羅浮夢と柳千巧を連れ、姿を消すのでした。

旅の途中、周子舒たちが仙霞派の弟子たちの無残な姿を目撃し、顧湘(グー・シアン)と曹蔚寧(ツァオ・ウェイニン) に遭遇したところで、今回は幕を閉じます。穏やかな時間と、残酷な現実。この物語は、どこへ向かっていくのでしょうか。

『山河令』第21話の感想

今回のエピソードは、溫客行の過去と周子舒の師匠の想いが交差した点に深く心を動かされた。ずっと孤独に生きてきた溫客行が、実は師匠にずっと案じられていたという事実は、ささやかだが確かな救いだったに違いない。葉白衣(イエ・バイイー)のおかげで周子舒の治療にも希望が見え、束の間の平穏が訪れたが、その一方で江湖の陰謀はより一層複雑さを増している。特に、これまで冷酷な暗殺組織の長として描かれてきた蝎王が、羅浮夢を前にして見せた人間的な動揺は非常に興味深い。彼の行動原理が、単なる義父への忠誠心だけではない可能性が示唆され、物語に新たな深みを与えている。光が強くなるほど影もまた濃くなるように、主人公たちの絆が深まるほど、彼らを取り巻く闇の存在感が際立つ構成が見事だった。

つづく