周子舒(ジョウ・ズーシュー)、溫客行(ウェン・コーシン)、張成嶺(ジャン・チョンリン) の一行は、旅の途中で偶然にも顧湘(グー・シアン)と曹蔚寧(ツァオ・ウェイニン) と再会を果たす。和やかな雰囲気も束の間、彼らは毒蠍(どくさそり)と名乗る刺客集団の襲撃を受ける。その戦いの最中、意外な人物である大孤山派の沈慎(シェン・シェン)が現れて共闘することに。沈慎との出会いは、張成嶺に五湖盟にまつわる新たな真実を知らせるきっかけとなる。一方、溫客行(ウェン・コーシン)は沈慎との対峙により、自らが封印してきた壮絶な過去と向き合うことを迫られ、彼の心は大きく揺さぶられる。

「山河令」あらすじネタバレ22話

今回の22話はすごかったですね…。物語の核心にググっと迫り、今まで隠されていたパズルのピースが一気にはまっていくような回でした。特に、いつも飄々としている溫客行(ウェン・コーシン)の魂の叫びには、胸を締め付けられました。それでは早速、怒涛の展開となった22話の世界に飛び込んでいきましょう!

再会と嫉妬、そして迫りくる刺客の影

旅の途中、周子舒(ジョウ・ズーシュー)と溫客行(ウェン・コーシン)、そして張成嶺(ジャン・チョンリン)の一行は、なんと顧湘(グー・シアン)と曹蔚寧(ツァオ・ウェイニン) にばったり再会!久しぶりの再会を喜び、一行は近くの酒館で食事をすることになります。

しかし、ここで早速ひと波乱。店の前の物乞いにお似合いの夫婦だとからかわれ、まんざらでもない曹蔚寧(ツァオ・ウェイニン) と、照れ隠しでキレまくる顧湘(グー・シアン)。この微笑ましい(?)光景を見て、我らが溫客行(ウェン・コーシン)の眉間には深〜いシワが…!娘同然の顧湘(グー・シアン)を想うあまり、その隣にいる曹蔚寧(ツァオ・ウェイニン) への嫉妬の炎がメラメラと燃え上がります。なぜあんなバカとつるんでいるなんて、もう完全に“娘を盗られた父親”モード全開ですよ!

そんな中、周子舒(ジョウ・ズーシュー)と溫客行は、英雄大会で高崇(ガオ・チョン)が何者かに操られていたのではないかと推測します。二人が薬を買いに出たその時、事態は急変!物乞いに化けた刺客が二人を襲撃!さらに、そこに偶然居合わせたのは、なんと大孤山派の沈慎(シェン・シェン)でした。沈慎(シェン・シェン)も加勢し、どうにか刺客を撃退しますが、彼は毒蠍の針を受けてしまいます。周子舒(ジョウ・ズーシュー)が解毒薬を渡して一命を取り留めました。

一方、酒場に残された顧湘、張成嶺(ジャン・チョンリン)、曹蔚寧にも危機が迫っていました。店員が運んできた料理から毒気が立ち上り、それを皮切りに店内は刺客だらけの修羅場と化します!顧湘と曹蔚寧は、張成嶺(ジャン・チョンリン)を守りながら必死に応戦。外へ逃げ出すと、先ほどの物乞いが張成嶺に助けを求めますが、顧湘は容赦なく斬り捨てます。これには心優しい曹蔚寧も罪のない者まで殺すなと彼女を非難。二人の間に、悲しいすれ違いが生まれてしまいました。

暴かれる黒幕の正体と、溫客行の崩壊

駆けつけた溫客行と周子舒たちによって刺客は一掃されますが、一行の空気は重いまま。

沈慎(シェン・シェン)は張成嶺との再会を喜び、衝撃の事実を語り始めます。高崇(ガオ・チョン)は張成嶺を娘の高小怜(ガオ・シャオリエン)と結婚させ、五湖盟の後継者にしようと考えていたこと、そして彼が張家を陥れるはずがないこと。これにより、英雄大会での鄧寛(ドン・クアン)の証言が嘘であったことが確定的になります。

そして、ついに物語の黒幕がその正体を現します。場面は変わり、趙敬(ジャオ・ジン) と蝎王(さそりおう)の密談へ。鏡湖山荘の滅門も、三白山荘の盗難も、すべては鬼谷に罪をなすりつけ、武庫の鍵琉璃甲を手に入れるための趙敬(ジャオ・ジン) の策略だったことが明かされるのです。20年間も高崇(ガオ・チョン)の下で屈辱に耐えてきたという彼の歪んだ野心には、底知れぬ恐ろしさを感じます。

宿に戻った一行。沈慎は、溫客行の顔立ちや仕草から、彼がかつての友、甄如玉(ジェン・ルーユー)の息子・甄衍(ジェン・イエン)ではないかと気づきます。沈慎が甄衍の名を呼び、過去の過ちを土下座して詫びた瞬間、溫客行の中で何かが壊れました。

遅すぎるんだ!

両親を無残に殺され、地獄のような鬼谷で生き抜いてきた壮絶な過去。必死に蓋をしていた記憶が蘇り、彼の叫びが響き渡ります。激しい怒りと悲しみに耐えきれず、溫客行は血を吐き、その場に崩れ落ちてしまうのでした。

周子舒は、かつて師匠である秦懐章(チン・ホワイジャン)が甄一家を救い、甄衍を弟子に迎えていた事実を沈慎に告げます。そして、すべての元凶は、容炫(ロン・シュエン)を狂わせるために高崇の剣に毒を塗った趙敬(ジャオ・ジン) ではないか、という推測を口にするのでした。

『山河令』第22話の感想

今回は物語が大きく動いた、非常に密度の濃いエピソードでした。これまで断片的に示唆されてきた事件の裏側と、全ての元凶である黒幕の正体がはっきりと示され、点と点が一気に線で繋がった感覚です。特に、趙敬の腹黒さと、彼が20年もの間抱えてきた高崇への屈辱と憎悪が明らかになったシーンは、彼のキャラクターの深みと邪悪さを際立たせていました。

そして何より、溫客行の感情の爆発には心を揺さぶられました。いつも余裕のある笑みを浮かべ、本心を見せなかった彼の、悲痛な過去と癒えない傷が一気に噴出する様は圧巻でした。龔俊(ゴン・ジュン)の演技が素晴らしく、彼の叫びや吐血する姿からは、計り知れない苦しみが伝わってきました。そんな彼を静かに受け止め、支えようとする周子舒の存在が、唯一の救いのように感じられます。二人の絆の深さが、この過酷な運命の中でより一層際立って見えた回でした。

つづく