大晦日を迎え、周子舒(ジョウ・ズーシュー)、溫客行(ウェン・コーシン)、張成嶺(ジャン・チョンリン) の三人は四季山荘で家族のように穏やかな時間を過ごしていた。その一方で、英雄大会を前に武林の覇権を狙う趙敬(ジャオ・ジン) と晋王(しんおう)は、水面下で手を結び、邪悪な陰謀を推し進める。それぞれの思惑が渦巻く中、平和な四季山荘に一人の来訪者が現れる。血まみれのその男がもたらした一つの鍵と衝撃の真実は、周子舒たちの運命を大きく揺るがすことになるのだった。

「山河令」あらすじネタバレ28話

今回の『山河令』第28話、穏やかなシーンと緊迫したシーンの落差がすごかったですね! 大晦日の夜、つかの間の家族団らんを楽しむ周子舒(ジョウ・ズーシュー)たちの姿にほっこりしていたら、ラストで一気に突き落とされました。

腹の探り合い!晋王と趙敬(ジャオ・ジン) の黒い野望

物語は、満身創痍の韓英(ハン・イン)のもとに戻ってくるところから始まります。彼は琉璃甲を探していたら毒蝎に襲われ、自分以外は全滅したと嘘の報告をしますが、晋王はすべてお見通し。内心では韓英と周子舒(ジョウ・ズーシュー)の繋がりを疑いつつも、労いの言葉をかけるあたり、本当に食えない男です。

その裏では、晋王の腹心である段鹏举(ドワン・ポンジュー)が、なんとあの趙敬(ジャオ・ジン) と密会! 晋王への協力を持ちかけ、事成れば武林の盟主にしてやるなんて甘い言葉で誘います。趙敬(ジャオ・ジン) はすっかりその気になって、英雄大会を前にご満悦。祝杯をあげて酔っぱらう姿は、まさに小物感満載ですね。

しかし、その様子を戸口で聞いていたのが、義理の息子である蝎王(さそりおう)です。彼は酔いつぶれた趙敬に晋王への寝返りは自分がやりましょうと申し出ますが、その真意はどこにあるのでしょうか。

さらに恐ろしいのが、趙敬の本性です。亡き妻や仲間たちの位牌が並ぶ祠堂で、彼はお前たちのおかげで今の俺がある!と高笑いし、彼らを罵倒します。その醜悪な姿を、偶然にも蝎王(さそりおう)が目撃してしまうんですね…。今まで義父を信じてきた蝎王(さそりおう)の心に、大きな疑念が生まれた瞬間でした。この親子の亀裂が、今後の物語を大きく揺るがすことになりそうです。

束の間の平穏、四季山荘の大晦日

一方、ドロドロの権力争いとは無縁の四季山荘では、溫客行(ウェン・コーシン)、周子舒(ジョウ・ズーシュー)、そして張成嶺(ジャン・チョンリン)が、まるで本当の家族のように大晦日の準備をしていました。

溫客行(ウェン・コーシン)が窓花売りの少女が可愛かったからという理由で大量に買ってきた飾りを、張成嶺(ジャン・チョンリン)が一生懸命に貼り付け、溫客行(ウェン・コーシン)がやいやい指示を出す。それを見て周子舒がからかう…なんて平和な光景なんでしょう! 鶏を追いかけて絶叫する張成嶺(ジャン・チョンリン)も可愛かったですね。

夜には、三人を囲んでささやかな宴が始まります。外では花火が打ちあがり、溫客行と周子舒は酒を酌み交わしながら拳遊びに興じます。この穏やかな時間が永遠に続けばいいのに、と願わずにはいられませんでした。

また、一人で年を越そうとしていた顧湘(グー・シアン)のもとに、曹蔚寧(ツァオ・ウェイニン) たちが駆けつけるシーンも心温まりました。寂しさが一気に喜びに変わる顧湘(グー・シアン)の表情が印象的でしたね。

忠臣・韓英の決死行

しかし、そんな幸せな時間は長くは続きません。花火を見に出ていた張成嶺が発見したのは、血まみれで倒れている韓英の姿でした。

彼は最後の力を振り絞り、周子舒に一枚の琉璃甲を渡します。そして、衝撃の事実を語り始めました。周子舒の身の危険を察した韓英は、晋王の部下である天窗の殺手たちを自らの手で始末し、それを毒蝎の仕業に見せかけていたのです。

さらに彼は、晋王の書斎に忍び込み、周子舒の父が先代の晋王によって濡れ衣を着せられ、死に追いやられたという内容の密書を発見していました。信じがたい事実に、周子舒は激しく動揺します。

瀕死の韓英を前に、周子舒は彼を救うため、大巫(ダーウー)を頼るべく夜の山を駆け下りていくのでした。

『山河令』第28話の感想

今回のエピソードは、光と影の対比が実に巧みでした。四季山荘で描かれる溫客行たちの温かい家族の風景は、観ているこちらの心まで和ませてくれます。しかし、その一方で進行する趙敬や晋王の底知れぬ悪意が、その幸せをより一層際立たせ、同時に危ういものに感じさせました。特に、趙敬が祠堂で見せた本性は強烈な印象を残し、それを目撃した蝎王の心境の変化が今後の重要な布石となることを予感させます。そして、すべてを打ち砕くかのように現れた血まみれの韓英。彼の命を懸けた忠義と、彼がもたらした衝撃の真実は、周子舒の運命を新たな渦中へと引きずり込みます。つかの間の幸福が、いかに尊く、そして儚いものであるかを痛感させられる回でした。

つづく