ついに溫客行(ウェン・コーシン)の正体を知った曹蔚寧(ツァオ・ウェイニン) 。彼は恋人である顧湘(グー・シアン)の過去をすべて受け入れ、共に生きることを誓います。一方、晋王(しんおう)に捕らえられた周子舒(ジョウ・ズーシュー)は、かつての主君と決別する道を選び、絶体絶命の危機に陥ります。その頃、清風剣派を追い詰めていた蝎王(さそりおう)の前には、義父である趙敬(ジャオ・ジン) が意外な形で現れ、蝎王は衝撃的な裏切りに直面することに。それぞれの覚悟と絶望が交錯し、物語は新たな局面を迎えます。
「山河令」あらすじネタバレ30話
いやあ、今回の30話は色々な人物の本心がむき出しになる、見応えたっぷりの回でしたね!愛を誓う者、過去の罪と向き合う者、そして冷酷な裏切りをみせる者…。それぞれの覚悟と絶望が交錯し、物語が大きく動きました。
それでは早速、気になる30話の詳しい内容を見ていきましょう!
顧湘(グー・シアン)の告白と曹蔚寧(ツァオ・ウェイニン) の誓い
清風剣派の洞窟に隠れる中、曹蔚寧(ツァオ・ウェイニン) はついに、ずっと心に引っかかっていた疑問を顧湘(グー・シアン)にぶつけます。そう、溫客行(ウェン・コーシン)の正体についてです。
おずおずと切り出す曹蔚寧(ツァオ・ウェイニン) に、顧湘(グー・シアン)はあっさりとご主人様は鬼谷の谷主よと認めます。しかし、純粋な曹蔚寧は信じられません。何か事情があるに違いないと食い下がります。そんな彼に心を打たれた顧湘は、涙ながらにすべてを打ち明ける決意をしました。
彼女が語ったのは、衝撃的な過去でした。幼い頃に鬼谷にさらわれ、魔功の修練台にされかけたところを、まだ少年だった溫客行(ウェン・コーシン)に救われたこと。そして、溫客行(ウェン・コーシン)がかつての谷主や十大悪鬼を皆殺しにして新たな谷主となり、鬼谷を内部から浄化し、天下の悪鬼を一掃するという壮大な復讐計画を立てていたこと…。
この告白を聞いた曹蔚寧の反応が、また男前すぎるんです!もし君が鬼谷のスパイで、俺の仲間を殺したなら、まず君を殺して俺も後を追う。来世で君を守るためにと、どこまでもまっすぐな愛を誓うのでした。これには顧湘も涙腺崩壊。二人は固く抱き合い、どんな運命も共にすることを誓い合います。
周子舒(ジョウ・ズーシュー)と晋王(しんおう)、決別の時
一方、大巫(ダーウー)たちの治療でついに目覚めた溫客行。しかし、彼が聞いたのは、周子舒(ジョウ・ズーシュー)王に捕らえられたという最悪の知らせでした。すぐにでも助けに行きたい溫客行ですが、今の彼らにはその力がありません。
その頃、晋州では周子舒(ジョウ・ズーシュー)が晋王(しんおう)と対面していました。晋王は昔を懐かしむように酒を酌み交わし、戻ってきて、わしの大業を助けてくれと甘い言葉をかけます。しかし、周子舒の心はもう動きません。彼の脳裏に浮かぶのは、晋王の野心のために命を落とした四季山荘の79人の仲間たちの姿でした。
これ以上、誰もお前の私利私欲のために死なせはしない!
怒りに震える周子舒は、ついに晋王に剣を向け、その胸を殴りつけます。晋王は吐血し、激昂。駆けつけた段鹏举(ドワン・ポンジュー)たちが周子舒を取り押さえます。しかし、晋王は殺すなと命令します。なぜなら、自分の傷を治せるのは、周子舒しかいないから…。どこまでも自分本位な王の姿が浮き彫りになります。
蝎王(さそりおう) の非情
物語はもう一つの悲劇へ。清風剣派の洞窟前で弟子たちを燻り出そうとしていた蝎王(さそりおう)たちの前に、なんと清風剣派の掌門・莫懐陽(モー・ホワイヤン)が五湖盟の趙敬(ジャオ・ジン) を連れて現れます。
義父である趙敬(ジャオ・ジン) の登場に、蝎王(さそりおう)の顔に一瞬安堵の色が浮かんだのも束の間。趙敬は駆け寄るなり、蝎王の顔を思い切り平手打ちし、激しく罵倒します。そして莫懐陽に対しては息子(蝎王)のしつけがなっておらず申し訳ないと平身低頭で謝罪。蝎王の始末を約束し、見返りに莫懐陽から琉璃甲を受け取りました。
信じていた義父の、あまりにも冷酷で非情な裏切り。趙敬の本当の顔を目の当たりにした蝎王は、完全に心を打ち砕かれ、絶望の淵に沈むのでした。
『山河令』第30話の感想
今回のエピソードは、登場人物たちの関係性や覚悟が深く掘り下げられ、非常に重厚な内容でした。特に印象的だったのは、三組の対照的な関係です。
まず、顧湘と曹蔚寧。ついに明かされた溫客行の過去と顧湘の正体。それを受け止め、共に死ぬとまで言い切った曹蔚寧の愛の深さには胸を打たれました。彼の存在が、暗い過去を持つ顧湘にとって唯一の光であることが伝わってきて、二人の未来を心から願わずにはいられません。
次に、周子舒と晋王。かつての主従が完全な決裂を迎える場面は、緊張感に満ちていました。己の野望のためなら犠牲を厭わない晋王と、仲間を失った痛みから彼と決別する道を選んだ周子舒。周子舒の覚悟と悲しみがひしひしと伝わってきました。
そして、最も衝撃的だったのが蝎王と趙敬です。義父に認められたい一心で汚れ仕事を引き受けてきた蝎王が、その義父本人から衆人の前で切り捨てられる様は、あまりにも痛々しいものでした。趙敬の底知れぬ非情さが際立ち、物語の真の黒幕としての存在感を確固たるものにしました。それぞれのドラマが濃密に描かれ、物語の深みを一層増した回でした。
つづく