晋王(しんおう)の天牢に囚われた周子舒(ジョウ・ズーシュー)を救うため、彼の仲間たちが決死の救出作戦に乗り出します。しかし、その行く手には周到に仕掛けられた罠が待ち構えていました。絶体絶命の窮地に陥った一行を救ったのは、意外な人物の登場でした。一方、武林では趙敬(ジャオ・ジン) の呼びかけにより鬼谷討伐軍が集結し、不穏な空気が高まります。そんな中、溫客行(ウェン・コーシン)はひとり鬼谷へと戻り、ある重大な覚悟を胸に秘めて行動を開始するのでした。
「山河令」あらすじネタバレ31話
晋王(しんおう)の天牢で、死を待つばかりだった周子舒(ジョウ・ズーシュー)。しかし、彼を慕う者たちが黙って見ているはずがありませんでした!今回は、仲間たちの熱い絆と、溫客行(ウェン・コーシン)の秘められた覚悟が心を揺さぶる、見どころ満載の回です。
絶体絶命!周子舒、決死の救出劇
天牢に囚われた周子舒を救い出すため、畢長風(ビー・チャンフォン)の弟子・畢星明(ビー・シンミン)率いる天窗の元部下たちが晋王府へ潜入!見事、周子舒を馬車に乗せ、晋州からの脱出を図ります。
しかし、そう簡単に事が運ぶはずもなく…。彼らの前には、すべてお見通しだった段鵬挙(ドゥアン・ポンジュー)が兵を率いて立ちはだかります。わざと救出させてから皆殺しにするという、あまりにも卑劣な罠!万事休すかと思われたその時、まるで天から舞い降りるかのように現れたのが、我らが溫客行でした。
圧倒的な力で段鵬挙の軍勢を退けると、鬼谷の配下たちも集結。あっけなく形勢は逆転し、段鵬挙は尻尾を巻いて逃げていきます。実は、亡き韓英(ハン・イン)が天窗の元弟子17人を溫客行に託していたのです。彼らと共に四季山荘を再興してほしいという韓英の遺志を継ぎ、溫客行と弟子たちは周子舒の前にひざまずきます。その光景に、周子舒の目からは熱い涙がこぼれ落ちるのでした。
束の間の平穏と、明かされる覚悟
溫客行は蝎王(さそりおう)と交渉し、捕らえられていた顧湘(グー・シアン)と曹蔚寧(ツァオ・ウェイニン) も無事に救出。一行は、景北淵(ジン・ベイユエン)と大巫(ダーウー)がいる大孤山へと身を寄せます。大巫の治療を受け、溫客行の献身的な看病のもと、周子舒は少しずつ回復へ。張成嶺(ジャン・チョンリン)が戻ったら、正式に弟子として迎え入れる儀式をしようと語るなど、穏やかな時間が流れます。
その裏で、趙敬(ジャオ・ジン) は鬼谷討伐を掲げて武林の各門派を招集し、最終決戦の準備を着々と進めていました。
不穏な空気を感じ取った顧湘は、溫客行に鬼谷へ戻らないでほしいと懇願します。しかし、彼の決意は揺るぎません。ひとり鬼谷へ戻った溫客行は、谷主の椅子にふてぶてしく座る蝎王と対峙します。
そして、心配して訪ねてきた羅浮夢(ルオ・フーモン)に対し、ついに溫客行は自身の本当の計画を打ち明けます。彼が持っていた琉璃甲は偽物で、吊死鬼(ちょうしき)を殺して琉璃甲を盗まれたと偽装したこと。その目的は、かつての青崖山の戦いを再現し、欲望にまみれた偽善的な武林の名門正派を、鬼谷もろとも焼き尽くすことだったのです。
彼らと刺し違える覚悟だったと語る溫客行。しかし、周子舒という光に出会ったことで、生きることの意味を知ったと告白します。彼の悲壮な覚悟と、周子舒への深い想いが明らかになる、あまりにも切ない場面でした。
『山河令』第31話の感想
前半の周子舒救出劇には、胸が熱くなりました。韓英の想いが溫客行に託され、四季山荘再興への道筋が見えた場面は、これまでの苦難が報われるような希望を感じさせます。仲間との再会、そして大孤山での穏やかな時間は、観ているこちらも心から安らげるひとときでした。しかし、その平穏は長くは続きません。後半、溫客行が羅浮夢(ルオ・フーモン)に明かした真実には、言葉を失いました。彼の計画は、自身の命さえも駒とする、あまりにも壮絶で自己破壊的なものだったのです。周子舒という存在が、破滅だけを見つめていた彼の心をどれほど救い、変えたのか。その絆の深さを改めて痛感すると同時に、彼が背負う運命の過酷さに胸が締め付けられます。物語が最終局面へと向かう中、彼の選択から目が離せません。
つづく