江湖の各門派が集結する英雄大会が、ついに開催される。武林の盟主の座を巡り、様々な有力者たちの思惑が渦巻く中、ある男の邪悪な野望がまさに成就しようとしていた。しかし、その計画を阻むように、次々と過去の因縁を知る者たちが現れる。そして、誰もが死んだと思っていたはずの人物が姿を現したことで、大会は誰も予測できなかった衝撃の展開を迎える。長きにわたる謎と偽りが暴かれ、物語が大きく動く、見逃せない一話。
「山河令」あらすじネタバレ33話
英雄大会を舞台に、これまで隠されてきたすべての嘘と裏切りが暴かれ、物語は最大級の盛り上がりを見せます。まさに神回と呼ぶにふさわしい第33話、そのすべてを余すところなくお伝えします!
英雄大会の幕開け前、蝎王(さそりおう) への最後の信頼を試すも、無残に裏切られます。晋王(しんおう)と手を組み、すべての罪を自分になすりつけようとする趙敬(ジャオ・ジン) の姿に、蝎王(さそりおう)はついに決別と復讐を決意。その手始めとして、彼はこれまで縛り付けてきた柳千巧(リウ・チェンチャオ)を解放し、于丘烽(ユー・チウフォン)との未来を選ぶ機会を与えます。しかし、柳千巧(リウ・チェンチャオ)が望んだ駆け落ちは、武林での地位を捨てきれない于丘烽(ユー・チウフォン)に拒絶されてしまうのでした。愛に見切りをつけた彼女は、思い出の扇子を破り捨て、毅然と彼に背を向ける姿はあまりにも悲しく、美しいものでした。
そして、英雄大会が開幕。各門派の猛者が集う中、武林の盟主の座を巡る争いが始まります。趙敬は清風剣派の莫懐陽(モー・ホワイヤン)と結託し、まんまと盟主の座に就こうと画策。二人の茶番のような試合が繰り広げられる中、誰もが趙敬の勝利を確信したその時です!
天から舞い降りるように現れたのは、我らが周子舒(ジョウ・ズーシュー)!彼は趙敬の前に立ちはだかり、かつて高崇(ガオ・チョン)の剣に毒を塗り、容炫(ロン・シュエン)を狂わせた卑劣な罪を糾弾します。追い詰められた趙敬が莫懐陽(モー・ホワイヤン)に暗器を放ったことで、会場は騒然。
趙敬は周子舒(ジョウ・ズーシュー)を溫客行(ウェン・コーシン)の仲間だと罵りますが、その瞬間、誰もが息を呑む事態が起こります。崖から落ちて死んだはずの溫客行(ウェン・コーシン)が、颯爽と現れたのです!四季山荘の弟子として、師兄に代わり戦うと告げる溫客行の姿に、周子舒は驚きと安堵で言葉を失います。
趙敬は最後の悪あがきとばかりに彼こそ鬼谷の谷主だ!と叫びますが、蝎王の指示を受けた鬼たちは知らないと証言。ここで趙敬の計画は完全に崩壊します。溫客行は周子舒から白衣剣を借りると、父・甄如玉(ジェン・ルーユー)の剣法秋明十八式を披露し、自分が神医谷の甄如玉(ジェン・ルーユー)の息子、甄衍(ジェン・イエン)であることを明かすのです。
さらに、高小怜(ガオ・シャオリエン)、張成嶺(ジャン・チョンリン)、そして鄧寛(ドン・クアン)が次々と現れ、趙敬が高崇(ガオ・チョン)を死に追いやり、五湖盟を乗っ取ろうとした数々の悪事を証言します。もはや逃げ場のない趙敬は逆上し高小怜(ガオ・シャオリエン)に襲いかかりますが、溫客行がそれを阻止。激しい戦いの末、溫客行は趙敬を打ち負かし、ついに両親の仇を討ちます。蝎王は倒れた趙敬に薬を飲ませ、彼から永遠に言葉を奪いました。
すべてが解決し、溫客行、周子舒、張成嶺(ジャン・チョンリン)が四季山荘へ帰ろうとしたその時、今度は莫懐陽が溫客行の鬼谷谷主としての罪を問い始めます。一触即発の空気の中、伝説の剣仙・葉白衣(イエ・バイイー)が現れ、その場を制するのでした。
『山河令』第33話の感想
今回は、これまで積み重ねられてきた伏線が一気に回収される、圧巻のエピソードでした。趙敬という巨悪が、周到に仕掛けられた罠によって衆人の前で断罪されていく様は、見事というほかありません。特に、死んだはずの溫客行が最も劇的な瞬間に現れ、周子舒の前に立つシーンは、本作屈指の名場面と言えるでしょう。彼の生還を信じられずに呆然とする周子舒の表情に、胸が熱くなりました。また、溫客行が自身の素性を明かし、両親の仇を討つ場面では、彼の長年の苦しみと悲願が成就する様にカタルシスを感じずにはいられません。一方で、柳千巧が愛に絶望し、自らの意志で決別を選ぶ姿は、物語に深い切なさを与えています。悪が滅び、正義が示されたかに見えましたが、最後に新たな火種が投下され、物語は最後まで気を緩めることを許してくれません。登場人物たちの覚悟と選択が心に深く刻まれる、非常に密度の濃い一話でした。
つづく