親友・余嫣然(よえんぜん)のため、呉大娘子(ごだいじょうし)が主催する馬球大会に出場することになった明蘭。そこで思いがけず斉衡(せいこう)と組むことになり、見事な連携で勝利を収め、会場の注目を一身に集める。しかし、その華やかな活躍は、姉妹の嫉妬やよからぬ噂の火種ともなってしまう。大会後、斉衡は二人きりになった明蘭に、ある固い誓いを立てる。一方、顧廷燁(こていよう)もまた、余嫣然の優しい人柄に触れ、彼女を正妻に迎えようと決意していた。それぞれの想いが、新たな波乱を呼び起こす。

「明蘭~才媛の春~」あらすじネタバレ16話

馬球大会で大波乱!明蘭、ヒーローになる

物語は、呉大娘子(ごだいじょうし)が主催する華やかな馬球大会からスタート。優勝賞品が、なんと親友の余嫣然(よえんぜん)が失くしてしまった亡き母の形見の簪(かんざし)だと知った明蘭。友達のためなら一肌脱ぐのが我らが明蘭! しぶしぶながらも、馬球大会への出場を決意します。

そこでタッグを組むことになったのが、なんとあの斉衡(せいこう)!彼が登場した途端、会場の女性陣から黄色い声援が飛び交います。まあ、当然ですよね(笑)。でも、嘉成県主(かせい・けんしゅ)の視線は、斉衡(せいこう)の隣にいる明蘭にロックオン…。不穏な空気を感じずにはいられません。

試合は、顧廷燁(こていよう)ペアの一騎打ちに!白熱の試合展開に、呉大娘子(ごだいじょうし)はあの娘(明蘭)、素晴らしいわ!と大絶賛。その隣で息子の梁晗(りょうかん)は、明蘭ではなく盛家の四女・墨蘭(ぼくらん)に夢中という、なんとも皮肉な状況。

当の墨蘭は、明蘭と斉衡が組んでいるのが面白くなくて、嫉妬の炎メラメラ。一方、五女の如蘭(じょらん)はせいせいするわ! あの余嫣紅(よえんこう)をやっつけちゃえ!と姉妹とは思えぬサッパリした応援(笑)。彼女にとっては、斉衡が墨蘭と仲良くさえしなければ、それでいいみたいですね。

激闘の末、見事に勝利を収めたのは明蘭と斉衡ペア!嫣然は無事に簪を取り戻し大喜び。その一方で、負けた嫣紅は悔しさに顔を歪めます。この一連の出来事を、嘉成県主(かせい・けんしゅ)は面白いわね…球じゃなくて、人がと意味深に見つめていました。

帰り道、それぞれの思惑

帰り道の馬車の中は、まさに女の戦場。墨蘭がなんで斉衡様と組んだのよ!と明蘭に詰め寄りますが、明蘭は長柏兄上の顔を立ててくださっただけですわと、さらりとかわします。この切り返しのうまさ、さすがです。

その頃、斉衡は盛家一行の休憩場所を突き止め、ほくそ笑んでいました。彼のお目当てはもちろん、墨蘭ではなく明蘭ただ一人。その一途な想いには、きゅんとさせられちゃいますね。

玉清観での密会、そして誓い

そして、このエピソード最大の見せ場がやってきます。

亡き母・衛恕意(えいじょい)の位牌を祀る玉清観で、明蘭が一人静かに位牌を拭いていると、そこに現れたのは斉衡!侍女の小桃(しょうとう)をうまく言いくるめて、二人きりの状況を作り出したのです。

男女が密室で二人きりなんて、あってはならないことですと必死に彼を追い返そうとする明蘭。彼女は、この時代の女性の立場の危うさを痛いほど理解しています。男性は過ちを犯しても『若気の至り』で済みますが、女性は一度でも評判を落とせば、一生ついて回るのです。私のせいで盛家にまで迷惑はかけられませんと、涙ながらに訴えます。

彼女の悲痛な訴えを聞いた斉衡は、なんと彼女の母親の位牌に向かって手を挙げ、こう誓うのです。

もしこのことが外に漏れたら、私は必ずあなたを正室として娶ります!

きゃー!言っちゃった!

側室でいいなんて思わないでくれ。私は、あなたを生涯ただ一人の妻にしたいんだ!と、熱く想いを告げる斉衡。彼のまっすぐで純粋な言葉に、明蘭の心も揺れ動きます。でも、身分の違いという大きな壁を前に、素直にその言葉を受け取れない明蘭の姿が、あまりにも切なくて…。

それぞれの家、それぞれの夜

その頃、顧廷燁(こていよう)に、余嫣然を正妻に迎えたいと打ち明けていました。自分と同じように不遇な彼女なら、側女の朱曼娘(しゅまんな)にも優しくしてくれるだろう、という考えです。これを聞いた朱曼娘(しゅまんな)は、表向きは従順な態度を見せますが、その目には明らかに不満の色が。常嬷嬷(じょうまま)は、そんな彼女の本性を見抜いているようでした。

一方、盛家に戻った明蘭を待っていたのは、父・盛纮(せいこう)からの理不尽な叱責でした。墨蘭の告げ口を真に受け、目立ちすぎる、分をわきまえろ!と罰として跪かせます。明蘭がどんなに事情を説明しても、父の心には響きません。

王若弗(おうじゃくふつ)から送り込まれた侍女たちにいびられ、味方の侍女たちが涙にくれる中、明蘭は一人、冷たい床に跪き続けるのでした…。

『明蘭~才媛の春~』第16話の感想

今回のエピソードは、前半の馬球大会での華やかで痛快な活躍と、後半の息詰まるような密会、そしてラストの理不尽な仕打ちという、感情の起伏が激しい回でした。特に印象的だったのは、玉清観での明蘭と斉衡のシーンです。斉衡の純粋で一途な想いは応援したくなる一方で、身分の違いや女性の立場の弱さを理解し、決して夢を見ようとしない明蘭の現実的な姿には胸が締め付けられます。彼女の言う女子の生きづらさは、現代を生きる私たちにも通じるものがあり、深く考えさせられました。また、顧廷燁(こていよう)が余嫣然に結婚を申し込もうと決意したことで、物語が大きく動き出す予感がします。各キャラクターの思惑が複雑に絡み合い、今後の展開から目が離せません。

つづく