盛家では、林噙霜(りんきんそう)と娘の墨蘭が、斉家との玉の輿を狙って画策を始める。一方、父から罰を受けた明蘭は、自身の屋敷内の人間関係を静かに見極めながら、穏便に日々を過ごしていた。
その頃、顧廷燁(こていよう)は馬球大会で見かけた心優しい令嬢・余嫣然(よえんぜん)に心を奪われ、正式に縁談を申し込む。しかし、彼の素行の悪さを聞き及ぶ余家、特に嫣然の祖父である余老太師(よろうたいし)から猛反対されてしまう。
誠意を伝えようと必死になる顧廷燁だったが、彼の縁談を知ったある人物がとんでもない行動に出る。その結果、余家は前代未聞の大騒動に巻き込まれ、親友である嫣然は窮地に立たされることになるのだった。
「明蘭~才媛の春~」あらすじネタバレ17話
第17話は、もう本当に色々なことが一気に動き出して、目が離せませんでした!盛家の女たちの静かなる戦いと、顧廷燁(こていよう)のまっすぐすぎる求婚、そしてとんでもない新キャラの登場…今回も盛りだくさんでお届けします!
腹の探り合いと女の野心
まずは盛家から。お父様の盛纮(せいこう)に罰を受けている明蘭のもとへ、お祖母様のところの侍女がお見舞いに来ます。明蘭のいる暮蒼斎が、林噙霜(りんきんそう)のスパイだらけで筒抜けになっていることを心配してくれているんですね。優しい…。その一方で、長楓がよこした侍女の媚児はわがまま放題。明蘭はすべてお見通しで、静かに時を待っている感じがしてたまりません。
その頃、策士・林噙霜(りんきんそう)がまた動き出します!盛纮(せいこう)さまは本当は墨蘭と想い合っているのに、明蘭が…なんて、しれっと嘘八百を並べるんですから、たいしたものです。もちろん、盛纮は斉国公家なんて高望みすぎる!と一蹴。それでも諦めない林噙霜は、なんと王若弗(おうじゃくふつ)の嫁入り道具にまで目をつける始末。その強欲さ、あっぱれとしか言いようがありません。
母の言葉を聞いた墨蘭も自分で勝ち取ってみせる!と息巻きます。林噙霜はあなたの面子が立てば、盛家の面子なんてどうでもいいとまで言って娘を焚きつけ、梁晗(りょうかん)でも斉衡(せいこう)でも、とにかく華蘭より良い家に嫁げばいいと説得。この母娘、本当に恐ろしいですね!
顧廷燁(こていよう)、不器用すぎる求婚
さて、場面は変わって、私たちの顧廷燁!彼はなんと、親友の余嫣然(よえんぜん)に正式に縁談を申し込むんです。でも、余家の祖父である余老太師(よろうたいし)はならず者に大事な孫娘はやれん!と大激怒。当の嫣然は、気弱な性格もあって涙に暮れるばかり…。
そんな嫣然の相談に乗るのが、親友の明蘭です。明蘭は、亡き母・衛恕意(えいじょい)の絵を見せながら、昔、顧廷燁に助けてもらった話をして彼は根は優しい人よと慰めます。でも、嫣然は側室がたくさんいるなんて…と不安でいっぱい。気持ちは痛いほどわかりますよね。
諦めきれない顧廷燁は、お寺で余老太師(よろうたいし)に直談判!馬球大会で嫣然さまをお見かけし、心を動かされました。これまでの行いを改め、生涯をかけて大切にします!と熱く誓います。科挙の会試にも合格した実力も相まって、さすがの余老太師も少しだけ彼を見直した様子。分家して独立する気でいると聞き、少しずつ心が動き始めます。
最恐の女・朱曼娘(しゅまんな)、現る!
顧廷燁の誠意が伝わりかけ、少しホッとしたのも束の間…とんでもない事件が勃発します!
顧廷燁の側室である朱曼娘(しゅまんな)が、息子と娘を連れて余家の屋敷の前に現れ、嫣然さまにお会いしたい!私たち親子に生きる道をください!と泣き叫び、大騒ぎを起こすのです。
ちょうど嫣然を訪ねていた明蘭は、その異様な光景を目の当たりにします。朱曼娘は、嫣然に自分を妾として認める妾の茶を飲むように強要し、飲まないならここでずっと跪いているとゴネ始めます。この騒動で、嫣然のお祖母様はショックで血を吐いて倒れてしまうほど…。
明蘭はなんとか事態を収拾しようと、朱曼娘を中に入れるよう指示しますが、彼女は屋敷の柱にしがみついて中に入ったら何をされるか!とさらに大声でわめき散らす始末。やっとのことで中に引き入れられても、今度は嫣然に奥様と呼びかけ、お茶を飲むよう執拗に迫ります。あまりの迫力に、優しい嫣然は完全に追い詰められてしまい…。
いやー、すごいのが出てきましたね!この先どうなっちゃうの!?というところで、17話は幕を閉じます。
『明蘭~才媛の春~』第17話の感想
今回のエピソードは、登場人物それぞれの思惑が複雑に絡み合い、物語に一層の深みを与えていました。林噙霜と墨蘭親子の野心は相変わらずですが、その執念深さには感心すら覚えます。彼女たちの存在が、盛家の物語に緊張感と面白みをもたらしているのは間違いありません。
一方で、顧廷燁の不器用ながらも誠実な求婚には、彼の人間的な魅力が表れていました。世間では放蕩息子と噂されていますが、愛する人を守りたいという一途な想いは本物なのでしょう。しかし、その想いが強すぎるあまり、朱曼娘という厄介な存在を呼び寄せてしまう皮肉な展開には、運命のいたずらを感じずにはいられません。
そして何より、おとなしい余嫣然(よえんぜん)が理不尽な状況に追い詰められていく姿は、見ていて胸が痛みました。彼女を助けようと、静かに、しかし毅然と振る舞おうとする明蘭の友情が、この重苦しい展開の中での唯一の救いです。各キャラクターの立場や感情が丁寧に描かれているからこそ、物語に強く引き込まれます。
つづく