顧廷燁(こていよう)は、長年連れ添ってきた朱曼娘(しゅまんな)が財産目当てであったという残酷な真実を知り、絶望の淵に立たされます。さらに息子を連れ去られた彼は、息子を探し出すため、京を離れることを決意します。一方、斉国公(せいこくこう)府の若様・斉衡(せいこう)は、ついに母である平寧郡主(へいねいぐんしゅ)に、盛家の六女・明蘭(めいらん)を正室に迎えたいと願い出ます。その知らせは明蘭の元にも届き、彼女の心はこれまで抑えてきた喜びと、身分違いの結婚に対する不安で大きく揺れ動くのでした。
「明蘭~才媛の春~」あらすじネタバレ20話
今回は、顧廷燁(こていよう)の絶望と旅立ち、そして明蘭(めいらん)と斉衡(せいこう)の恋に大きな進展がある、まさに目が離せない回です。
顧廷燁(こていよう)の化けの皮を剥がす
顧廷燁(こていよう)が一文無しになったと聞き、金目のものを売って健気に支えようとする…と見せかけた朱曼娘(しゅまんな)。しかし、その芝居がかった態度に、顧廷燁は静かな疑念を抱きます。
彼は一枚の地契を燃やすフリをして、最後の賭けに出ました。慌てて火から地契を奪い取った朱曼娘(しゅまんな)は、そこに書かれた蘇州の質屋という文字をスラスラと読み上げてしまいます。字は読めないはずの彼女が、なぜ?この一瞬で、長年の嘘が暴かれたのでした。
顧廷燁が問い詰めると、ついに朱曼娘の本性が現れます。さらに追い打ちをかけるように、死んだと聞かされていた彼女の兄が生きて登場。朱曼娘がこれまでついてきた嘘、そのすべてが白日の下にさらされたのです。顧廷燁が彼女を信じ、世間を敵に回してまで守ってきた日々は、一体何だったのでしょうか。彼の心は、深い絶望と怒りで張り裂けそうになっていました。
顧廷燁は、子供たちを置いて出ていくよう冷たく言い放ちます。しかし、狡猾な朱曼娘は、息子の昌哥儿(しょうかじ)を連れて姿をくらましてしまうのでした。
絶望の淵からの旅立ち
翌日、父・顧偃開(こえんかい)の葬列が通る道端で、顧廷燁は息子の蓉姐児(ようじょじ)と共に静かに頭を下げ、最後の別れを告げます。そして、息子を取り戻すため、京の都を離れることを決意。親友である盛長柏(せいちょうはく) の引き留めも振り切り、たった一人で果てしない旅へと出発するのでした。
その道中、何者かに追われる父子を偶然助けた顧廷燁。助けられた趙宗全(ちょうそうぜん)の親子に名を問われ、彼は一瞬考えたのち白燁(はくよう)と名乗ります。この出会いと偽りの名が、彼の運命を大きく変えていくことになるのです。
斉衡(せいこう)、ついに動く!明蘭に求婚へ
一方、都では別の恋物語が大きく動いていました。斉衡(せいこう)が、母である平寧郡主(へいねいぐんしゅ)の誕生祝いの席で、ついに胸に秘めた想いを打ち明けます。盛家の明蘭を正室に迎えたいと。
身分の違いを理由に難色を示す両親に対し、斉衡は必死に食い下がります。彼の真剣な眼差しと、母を思う純粋な気持ちに心を動かされたのか、郡主はついに折れ、盛長柏(せいちょうはく) の婚礼の席で縁談を申し込むことを承諾するのでした。
この知らせは、すぐに不為(ふい)を通じて明蘭の元へ。予期せぬ求婚の言葉に、明蘭は驚きと喜びで胸がいっぱいになります。しかし同時に、あまりにも高い身分の壁と、厳しいと噂の郡主の存在に、一抹の不安を隠せません。彼女はたまらず、すべてを打ち明けようと祖母の元へと向かうのでした。
『明蘭~才媛の春~』第20話の感想
今回は、顧廷燁のパートと明蘭のパートが実に対照的に描かれており、物語の深みを一層感じさせる回でした。長年信じてきた女性の裏切りによって全てを失い、絶望のどん底に突き落とされた顧廷燁。朱曼娘の嘘が暴かれる場面は、彼の心の痛みが伝わってくるようで、見ていて非常に胸が締め付けられました。しかし、息子を探すためにたった一人で旅立つ彼の姿は、破滅からの再生を予感させ、新たな物語の始まりを強く印象づけます。
その一方で、明蘭と斉衡の恋は、ついに希望の光が見えてきました。あれほど反対していた郡主を説得した斉衡の行動力と誠実さには、思わず応援したくなります。ただ、郡主の承諾が本心からなのか、何か考えがあってのことなのか、その表情からは読み取れず、この先の展開に一抹の不安がよぎります。光と影、幸福と絶望が交錯し、それぞれのキャラクターが大きな転換点を迎えた、非常に見ごたえのあるエピソードだったと思います。
つづく