祖母と共に故郷の宥陽へ船で向かう明蘭(みんらん)。その道中、思いがけず斉国公(せいこくこう)府の若様・斉衡(せいこう)と再会し、彼の変わらぬ想いと結婚の約束を伝えられますしかし、身分の違いから素直に喜べない明蘭。そんな感傷に浸る間もなく、船は凶悪な水賊の襲撃を受け、船上は大混乱に陥ります。祖母を機転を利かせて避難させた明蘭でしたが、自らは賊に追い詰められ、絶体絶命の危機に。ついに川へ身を投げた彼女を、暗い水の底から救い上げたのは、意外な人物でした。
「明蘭~才媛の春~」あらすじネタバレ22話
お祖母様と一緒に故郷の宥陽(ゆうよう)へ船で向かう明蘭(めいらん)。穏やかな船旅になるかと思いきや、まさかのサプライズが待ち受けていました。なんと、すぐ近くの船に、あの斉衡(せいこう)が乗っていたのです!
明蘭に会わせてほしい。一言だけでもいいんだと必死な斉衡(せいこう)。お祖母様の許可を得て、船が港に着いた隙に二人は再会を果たします。斉衡(せいこう)は都に帰ったら、必ず母上を説得して君を正妻に迎える。だから安心して待っていてほしいと熱く語りかけ、証として可愛らしい女の子の陶器人形を贈るのでした。明蘭は兄妹として振る舞いながらも、彼のまっすぐな想いに心が揺れます。でも、身分の違いという大きな壁を思うと、素直に喜べないのが辛いところ…。笑顔で彼を送り出した後、船の甲板から遠ざかる斉衡の姿をじっと見つめる明蘭の瞳には、寂しさが浮かんでいました。
その夜、明蘭は斉衡からもらった人形を眺めながら、これまでの彼との思い出に浸っていました。切ない気持ちで胸がいっぱいになっていると、突然、外から不穏な物音が! なんと隣の船が水賊に襲われていたのです。金品を奪い、容赦なく人を殺める凶悪な賊に、船上はパニックに陥ります。
明蘭はすぐに蝋燭の火を消し、お祖母様を助けに向かいます。眠り薬を飲んで朦朧としているお祖母様と房(ぼう)ままを、たった一艘しかない小舟に乗せて岸へ避難させることに成功。自分は船に残り、他の者たちと籠城して助けを待つことにします。
しかし、水賊はあっという間に明蘭たちの船にも乗り込んできました。侍女や女使いたちが次々と斬られていく中、明蘭は小桃(しょうとう)を連れて必死に隠れます。追い詰められた明蘭は、小桃を水に飛び込ませると、自らも棍棒を手に賊に立ち向かい、最後は川へ身を投げました。水の中で、斉衡からもらった人形を強く握りしめながら、明蘭の意識は次第に遠のいていきます…。
次に目覚めた時、明蘭は見知らぬ場所で、見知らぬ服を着せられていました。そばには小さな女の子がいて、温かい生姜湯を飲ませてくれます。そして、彼女を助けたという男性が幕の中へ…。明蘭が顔を上げると、そこにいたのは、なんと髭をたくわえ、すっかり風貌の変わった顧廷燁(こていよう)でした!
朱曼娘(しゅまんな)を探す旅の途中で、偶然この地に立ち寄っていた顧廷燁(こていよう)の仲間たちが、明蘭やお祖母様、小桃をはじめ、盛(せい)家の船も守ってくれていたのです。九死に一生を得た明蘭は、顧廷燁(こていよう)に心からの感謝を伝えます。
夜、二人はお互いの境遇を語り合います。明蘭は、顧廷燁に都へ戻り、娘の蓉姐児(ようじょじ)のためにも将来を考えるべきだと勧めます。しかし顧廷燁は、実家の恐ろしさを知っているからこそ戻れないと語り、逆に明蘭の結婚について心配するのでした。お互いに辛い過去と現実を抱えながらも、どこか通じ合うものを感じた二人。数日後、顧廷燁は明蘭を盛家の船まで送り届け、彼女の船が遠ざかっていくのを見つめながら、軍に入ることを決意するのでした。
こうして、波乱の旅を乗り越えた明蘭とお祖母様は、無事に宥陽の盛府に到着したのでした。
『明蘭~才媛の春~』第22話の感想
今回は、明蘭の人生における二人の重要な男性との関係が、劇的に描かれた回でした。一途に想いを伝え続ける斉衡との切ない再会は、彼の純粋さが胸を打ちますが、同時に二人の間にある障害の大きさを改めて感じさせます。彼からもらった人形を握りしめて水に飛び込むシーンは、明蘭の悲痛な覚悟が伝わってきました。
その絶体絶命の危機から彼女を救い出したのが、まさかの顧廷燁だったという展開には驚かされました。すっかり風貌が変わり、世の荒波に揉まれてきた彼と、同じように苦難を乗り越えてきた明蘭。二人が互いの境遇を語り合う場面は、恋愛とはまた違う、魂の深い部分での繋がりのようなものを感じさせます。この運命的な再会が、今後の物語をどう動かしていくのか、目が離せません。
つづく