故郷の宥陽に戻った明蘭(みんらん)は、従姉の淑蘭が嫁ぎ先で夫とその母から非道な扱いを受け、心身ともに追い詰められていることを知ります。世間体を気にして決断できない大人たちを前に、明蘭は淑蘭を泥沼から救い出すため、前代未聞の大胆な計画を実行に移します。しかし、相手は恥知らずで強欲な孫親子。財産とプライドを巡る攻防は激化していきます。知恵と勇気を武器に、明蘭の女性の尊厳をかけた戦いが始まります。
「明蘭~才媛の春~」あらすじネタバレ24話
いやあ、今回の『明蘭』第24話は、本当に見応えがありましたね!従姉の淑蘭(しゅくらん)が嫁ぎ先で受ける仕打ちには胸が締め付けられましたが、そこから我らが明蘭(めいらん)が鮮やかな逆転劇を見せてくれるんですから!見ているこっちも、思わず拳を握ってしまいました。
泥沼の結婚生活、淑蘭の涙
物語は、明蘭が故郷の宥陽(ゆうよう)にいる大おばあ様のもとで、従姉の盛淑蘭(せいしゅくらん)が置かれた悲惨な状況を知るところから始まります。
淑蘭の夫、孫志高(そんしこう)とその母親が、まあひどいんですよ。姑は淑蘭に自分の身の回りの世話をさせ、一ヶ月も夫との同衾を許さない。それなのに跡継ぎを産めないと罵り、夫に妾(めかけ)を持つことを強要します。しかも、その夫・孫志高はまともな家の娘を妾にするでもなく、外で娼妓を身ごもらせてしまう始末。挙句の果てには、その女を家に迎え入れろと淑蘭に迫り、抵抗すると暴力を振るうのです。
盛家の家訓では娼妓と同じ屋根の下で暮らすべからずと定められているのに、この仕打ち。淑蘭はこれまで、家族に心配をかけまいと一人で耐えてきましたが、もう限界でした。
盛家の一族が集まる中、淑蘭は泣き崩れます。しかし、母親の李氏(りし)は娘のことより離縁された娘が出れば一族の恥と世間体ばかりを気にして、泣くばかり。
明蘭、動く!窮巷に入りたらば、即ち調頭すべし
この煮え切らない大人たちの空気に、明蘭が黙っていられません!
間違った道に入って行き止まりになったのなら、すぐに引き返すのが賢明です!と、彼女は言い放ちます。孫志高のような男は決して改心しない、このままでは淑蘭が潰されるだけだと。そして、妹の品蘭(ひんらん)だって、姉の犠牲の上に築かれた幸せなど望まないはずだと力説します。
その言葉通り、品蘭もお姉様があんな虎狼の巣窟で苦しんでいるのに、私だけ幸せになんてなれない!と訴え、姉の和離(わり)(協議離婚)を後押しします。ここから、明蘭の知恵が光る反撃が始まるのです!
知恵と度胸の反撃開始!
明蘭が立てた作戦は釜底抽薪(ふていちゅうしん)。つまり、問題の根本を断つこと。孫家の金のなる木である、淑蘭が嫁ぐ際に持参した莫大な財産(嫁入り道具、田畑、店舗、使用人)をすべて引き上げるという、大胆不敵な計画でした。
案の定、孫親子は和離を拒否し、街中で淑蘭の悪口を言いふらしますが、盛家が淑蘭の私財と使用人をすべて引き上げると、状況は一変。金づるを失った孫親子は焦り始めますが、それでも盛家がなくなく娘を戻し、さらに店を二軒くれるはずだと甘い夢を見ているのですから、救いようがありません。
明蘭はさらに手を打ち、孫志高がツケで飲み食いしていた酒楼にも手を回し、支払いを迫らせます。いよいよ追い詰められた孫親子は盛家に乗り込み、和離ではなく『休妻(きゅうさい)』(一方的な離縁)だ!淑蘭は不貞で不孝な嫁だ!と騒ぎ立て、あくまで自分たちが優位に立とうとします。
最終兵器籍契と、賀弘文の助け
しかし、明蘭にはまだ奥の手がありました。彼女は、孫志高が囲っている娼妓の籍契(せきけい)(身分証明書のようなもの)を手に入れることを思いつきます。これがあれば、科挙に合格したインテリである孫志高の社会的地位を失墜させることができるのです。
明蘭は、友人の賀弘文(がこうぶん)に協力を依頼。彼の医学の知識も借りながら、籍契を管理する女将と見事な交渉を繰り広げ、ついにそれを手に入れます!
広間で孫親子が大暴れする中、この籍契が突きつけられます。これを見せられた孫家の長老たちは真っ青。これが公になれば、孫家の面目は丸つぶれです。
ついに観念した孫志高は、嫁入り道具の半分を受け取るという条件で、和離に同意。淑蘭は、これまでの苦しみを乗り越え、自らの指を噛み切って血で拇印を押し、ついに自由を手にするのでした。最後まで淑蘭を罵る孫志高でしたが、彼女が毅然と言い返す姿は、本当に清々しいものでした。
『明蘭~才媛の春~』第24話の感想
今回のエピソードは、女性が自らの尊厳と人生を取り戻すための、力強い闘いの物語でした。孫親子の度を越した非道さには強い憤りを感じましたが、それ以上に、明蘭の聡明さと揺るぎない正義感に心打たれました。彼女はただ感情的になるのではなく、冷静に状況を分析し、最も効果的な手段で敵を追い詰めていきます。その知略と行動力は、まさに圧巻の一言です。また、従姉のために危険を顧みず奔走する姿からは、彼女の深い愛情が伝わってきました。そして、そんな明蘭を静かに、しかし的確に支える賀弘文の存在も素敵でしたね。彼の優しさと知性が、緊迫した状況の中で一筋の光のように感じられました。苦しみの末に自由を手にした淑蘭が、最後に元夫を毅然と見据えた姿は、この物語の大きなカタルシスであり、深い感動を覚えました。
つづく